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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章-1 ゲンシュタット帝国
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【19】全裸の理由




 そして樽を1つ飲み干してダンドは次の樽を出して来たのでエヴァンスは銀貨をもう1枚渡した。ハイボールも酔っ払い弓矢を取り出して弓の腕前を披露したり、ジョージも呂律が回らず訳の解らない演説をしたりしているとエヴァンスは急に服を全て脱いで


「よし! 俺はエリザベートをぶん殴って来る! 」


とノリノリで宿屋を飛び出した。しかしドアを開けると立ち止まり振り返って


「俺バスキリア城知らねーや。」


と言って席に戻り、また酒を飲み始めた。そしてエヴァンスは


「そういやワルキュリアって何でそんなに強いんだよ。そんな筋肉ムキムキでも無いし。そうか! 何か英雄の血筋とかそんなんか? 」


「いえいえ。ただめっちゃ田舎で生まれて友達も居なくて遊びも無いから、毎日拾った剣を振って遊んで何年も続けたらなんか奥義みたいなの掴んじゃってですねー。」


そんなやり取りをしていると横からジョージが


「おま、そんな適当なので最強になんじゃねぇよ。」


ワルキュリアの首に腕を回して大声を出すと、エヴァンスが立ち上り目を光らせたのでジョージは慌ててワルキュリアを放し


「ぶ、ブラックホールは止めてくれ。お前のアレが口の中に入ってメチャメチャ気持ち悪いんだ。」


とエヴァンスを制止させ、エヴァンスは


「それはお前が口を開けるから入るんだよ。」


そう呟いて大人しく席に座ると、ジョージはエヴァンスに言った。


「そもそも何でお前は直ぐに服を脱ぎたがるんだよ。少しは羞恥心とかねえのかよ。」


「俺の金儲けは全裸から始まったし、全裸だと自由な気分になるだろ。あと俺は単純に人が嫌がる事が面白くてしかたないんだ。」


そのエヴァンスの言葉に皆絶句し、そして酔いも冷めて部屋へ戻り寝る事にした。エヴァンスも一人でごそごそと服を着ると部屋へと戻り眠りに着いた。



◻️◼️◻️◼️




 朝になりいつもの如くエヴァンスは二日酔いで這いながら一階の食堂へ水を飲みに降りると、そこではジョージが既に待機していた。そしてヨレヨレのエヴァンスを見るや


「お前はそんなんで大丈夫なのかよ。」


「心配するな。いつもの事だ。」


そう這いながら厨房へと水を貰いに行った。そして水を飲みながら立ち上りジョージを見ると


「まだ皆寝ているから部屋へと戻って寝直しなさい。」


そう言って部屋へと戻り本当に二度寝を決め込んでいるエヴァンスを見てジョージは不安になった。



 二度寝から一時間経過するとエヴァンスはモソモソと起き出して背伸びをした。そして


「よーし、行くかー。」


と気も入らぬ感じで言うと一階へ降りて行った。ジョージはエヴァンスに付いていき一階へ降りるとエヴァンステーブル席にダラッと座り、そこで欠伸をしながら皆が降りて来るのを待っている。すると厨房からダンドが朝食に硬いパンとスープを持ってくると


「あんたらが金払い良いお陰で今日はスープの具材を買えたよ。パンは硬いのしか無いからスープに浸して食べな。」


そう言いながら厨房へと戻って行った。エヴァンスは硬いパンをスープに入れて匙でガジガジと突っついていると上からハイボールが降りて来て、その後ろからワルキュリアとポポロも降りて来た。ジョージは付け髭のせいで飲み難くそうにスープを飲みながら


「エヴァンス。お前そんなキツそうにしていて本当に大丈夫なんだろうな? 禁酒も守れねえし。」


「あ、あ、大丈夫だよ...... 。」


エヴァンスそれにやる気無く答えながら柔らかくなったパンをスープと共に口に入れている。そして


「皆、今日は昨日言った通りの日程で過ごしてくれ。」


そう言って朝食を気だるく食べ続け、皆それにやる気無く頷いているのでジョージは更に不安になってきていた。そして朝食を食べ終るとエヴァンスは立ち上り


「それじゃあ行くよ。」


と言ってノロノロとドアを開けてバスキリアの町へと出て行った。




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