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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
六章 ゲンシュタット帝国
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【96】サキュバス居酒屋オープン





 どうやら今回エヴァンスが魔王軍に持ち掛けたのはサキュバスに応援を頼む事らしく、その為にドルトリア王国と戦争になった場合の最前線であるワルシュク領で何やら始める様であった。


 しかし流石は魔王軍のサキュバスであり、エヴァンスに対して何やら良からぬ事を企んでいた。


「はじめましてー。あたし魔王軍悪魔軍のサキュバス『ペペロー』って言います。よろしくね。」


とエヴァンスはもちろん、ハートゥやダイヤンにも愛想をよく挨拶をしてながらも心の中では


(このエヴァンスとか言う男をあたしの虜にしてしまえば、最強の武力ワルキュリアが手に入る。そうなればあたしが魔王になれる。いやこの世界すら手に入れ東西南北の統一魔王とでも名乗ろうかしら。)


とエヴァンスをどうにかして自分の手下にしようと企んでいた。ペペローはエヴァンスに近付いて腕にしがみつき、胸を押し当てながら上目遣いで


「エヴァンスさんって凄く綺麗なお顔をしてるのねー。その上お金持ちなんてすごーい。」


しかしエヴァンスはそんな言葉に耳も貸さずに


「それじゃ、俺達はここで激安居酒屋を始める。金の無い奴にも断らずに受け入れようと思う。ダイヤンは料理が上手かったから調理担当。ハートゥは愛想が良いし清潔感があるので給仕。ペペローは俺のよく理解できないセクシーを生かして接客を頼む。」


そう言うと看板を立てて、リハーサルもせずにエヴァンスは居酒屋『よってっ亭』をオープンした。エヴァンスはペペローを表に立てて看板を持たせるとエヴァンスは威勢良く


「はーい。ワルシュクの皆さんあの激安で有名な居酒屋『よってっ亭』がオープンしたよ。お腹空いた人、お酒が飲みたい人は皆寄ってってー。セクシーもあるよー。」


手を叩いて客を呼んだ。布の少ない水着の様な格好のペペローを男達は目線をチラチラと向けるが凝視できずにいた。エヴァンスは


「よーし。オッケー中に入るぞ。」


そう言って店の中へ入ると


「よし! 俺も手伝うから適当に料理作ろうぜ。ペペローはある程度酔った客達をカーテンの向こうの席へ連れて行き淫夢を見せてくれ。」


エヴァンスは竈で火を炊き初めて、フライパンに油を引いた。そしてニンニクを刻んでバターで炒め始めると店内に香ばしく食欲をそそる匂いで満たされた。そして色んな肉を焼き始めて塩や魚醤で味付けをして皿へ乗せていった。それを見たダイヤンは野菜を炒め始めて、エヴァンスの焼いた肉の横へ添えていると徐々に店の中へと客が入り始めた。


 急に増えた客へハートゥは慌てて接客を始めた。そしてメニューは無く銅貨3枚で飲み食い放題である事を説明して席へと案内した。


 そしてエヴァンスの居酒屋商いが始まり、次々と料理と酒をテーブルへと運んだ。その間もペペローはエヴァンスを狙い色仕掛けを繰り返した。顔を近付けたり、ボディータッチを行ったり、胸を押し付けたりしたが全くエヴァンス何にも反応せずに笑いながら調理をしたり配膳をしたりと働いていた。それに女のプライドが傷付いたペペローは腹いせにそこらの男をどんどん淫夢にかけて骨抜きにした。


 ゲンシュタット帝国は主に重税で軍備を整えるために貧しい者が多く、そして貧しいが故に兵士に成りたがる者が多い。そして貧しいが故に激安店にもめっぽう弱い。エヴァンスはそれを狙い貧しい人々へ快楽を与える事にした。そしてエヴァンスは赤字を覚悟でこの作戦を実行したが、日頃食事にありつけない彼等は胃が小さくなってしまい思いの他食事も食べずに酒にもすぐに酔ってしまい、意外に儲かってしまった。


 そこで夜中になり店を閉めるとエヴァンス達はクタクタになって、二階の居住スペースへ行って休む事にした。エヴァンスは自分の部屋へと入り寝酒を飲んでベッドへと入った。それをチャンスとサキュバスのペペローは狙っていた。


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