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戻ること
時間の流れは一方向にのみ進んでいて、戻ることを許さない。過去に戻れるとしたら、私は何をするだろうか。
なんだかんだ、それぞれの岐路で、当時の最善と思える選択をしてきたせいか、戻りたいタイミングはない。消したい黒歴史も、なかったらなかったで、懐かしがることも、思い出して赤面することも、笑い話にすることもできないのはちょっと淋しい。
そんなことを考えながら、今日も仕事でキーボードを叩き文字を打ち込む。私はブラインドタッチができない。キーボードの基本ポジションをまともに覚えずにきたから、ちょくちょくタイプミスをする。
間違えたとおもって、バックスペースで文字を消そうとすると、一つ隣の「¥」を押してしまう。連打するものだから、¥¥¥¥と連なる。
ピースサインみたいな記号に煽られている気分になる。




