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眠れない夜
なにをどうやっても眠れない夜がある。
いつもの睡眠パターンに入っているにも関わらずだ。
睡眠パターンに入った! と自覚することがいけないようである。大抵睡眠イップスになって眠り損ねる。
眠れないときに限って、お腹が空く。おしっこを催す。何か食べたらまた頭が覚醒してしまうし、お手洗いに行くと電気の光で目を焼かれる。また不眠ループ一直線である。
眠れない日には、しょうもないことを思いつく。思いついてしまったそいつはなぜか忘れられまいと脳内をぐるぐるする。いつもならノートやスマホにメモしてしまえば、脳内を空にきてすっきり眠ることができる。だが、眠れない時には、ノートに書くまでの動きや、スマホの光によってまた睡眠が遠ざかるのが嫌で、それができない。宇宙空間に漂う廃棄物のように、頭の中をぐるぐる回り続ける。眠れない。
観念してスマホを開いた。
思いついたそいつは、以下の通りである。
萌え出づる春
豚茹でる鍋
語感似てるなあ。
はい、脳内空っぽ。よし、寝る。




