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耳と音
「耳」は、音を拾ってくる器官だ。きょうも電車の到着音や、パーテーション越しのシャワーの音、包み紙を開ける音が聴こえる。
AI補聴器なるものがあるらしい。売り文句は、「成長する補聴器」。
躾けていくと、自分にいいことしか聴こえない都合のいい耳になってしまいそう。でも、デフォルトでそういう耳の人もいる。
喧嘩したら、自分の悪口ばっかり拾ってくる。いろんな人の声を切り貼りして誹謗中傷を仕立て上げてくる。前後の文脈を隠したマスコミ的手法。
マスコミがつける見出し、過激なものが多いのは、それを読む人が多いからだ。読まれなければジャーナリズムも何もない。私もついついつられて不倫だの贈収賄だのを読んでしまう。
温泉に行ったときのこと。露天風呂に、炭酸泡の説明が書いてあった。正確ではないが概ね次のとおり。
炭酸泡は、音波を発します。音波は、皮膚を通って骨にぶつかります。骨は振動して熱をもち、身体を内側から温めてくれます(反射熱)。
音波。表面だけじゃなく、身体を内側から温めてくれるような言葉を発したいし、受容できる柔軟な身体でありたい。




