表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2万pv突破】東京アレルギー  作者: 晴後くもり
259/264

あなたは変な思い切りのよさがある

ペーパードライバー講習に行ってきた。


ペーパードライバー講習とは、自動車教習所において長く運転から遠ざかっている人向けに設置されているコースだ。久しぶりの運転の前に感覚を取り戻したいという需要に見事に応えている。


かく言う私も大学卒業後に上京して以来8年もの間 運転していなかったので、まさにこの対象であるペーパードライバー(ペーパーの中でもさらに弱い、水に溶けるトイレットペーパーくらいかもしれない)だったのだ。


講習では存外早く感覚を取り戻すことができ、路上でも大きな問題なく運転することができた。駐車の練習も重点的に行えたので、とても自信につながった。


教習所といえば、免許を取った8年前の当時、教官から言われた言葉がずっと頭に残っている。


「あなたは神経質で慎重に運転する割に、咄嗟の時に変な思い切りの良さがあるから気をつけなさい」


思い当たる節は多々ある。それは運転中もそうだが、人生においても。結構勢いに任せてアクセルを踏んでしまう時がある。


咄嗟の時って、自分でも思ってもみないような行動をしてしまうから怖い。そしてそれは客観的に見ると可笑しいと気がつけるのに、動いている時には気がつけないのが厄介なのだ。


今朝は、他人のそういうところをみた一幕があった。


小太りの青年が通勤ラッシュの階段で、口の開いたカバンからコンビニおにぎりを3つボロボロっと落とした。2つは掴めたもののもう一つが中々掴めない。後ろから人波が迫っている。


その時何を思ったのか、咄嗟に足元のおにぎりを大きく前に蹴り出した。後ろにスペースを作ってから、余裕を持って拾い上げたのである。


おにぎりを蹴り出せる思い切りの良さ、切羽詰まった時にしか出ないアイデアだったように思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ