番外編〜朝ごはん〜
朝ごはんは、いつの時代も争いの種である。
まず、パン派とご飯派が対立する。パン派が「朝はサクッとパンとコーヒーがいい」と言えば、ご飯派が「日本人なら和食だろう」とナショナリズムを盾に攻撃。政権奪取に成功する。
しかし、敵があって初めて求心力を増す民族主義は、統一してしまうとすぐさま内紛が勃発する。たまご去就問題だ。
たまごは大きく、ご飯との調和を促す保守的な生卵派と、おかずとしての確立を目指す調理派に分かれる。
生卵派が早々に政界から退くと、ニ大派閥の卵焼き派と目玉焼き派、マイノリティのゆで卵派に分かれる。生卵を支持していた人々は、形に重きを置く人がゆで卵、醤油との外交を続けたい目玉焼きに分かれていった。
長い期間、政権を交互に担うも、ねじれのために政策は進まなかった。しかし、卵焼き派が、甘い卵焼き派とだし巻き派による内部分裂で議席が割れ、ついに目玉焼き派の一強体制となった。
だが、目玉焼き派の一番の課題は外交問題にあった。グローバル化を図るべくソースと友好関係を結ぶべきだとする派閥と、伝統的に友好関係を続けてきた醤油を大切にすべきだという派閥、そして第三勢力として、塩、マヨネーズ、ケチャップ連立派閥も生まれた。
現在、ご飯調理たまご目玉焼き醤油派が行政を担っている。醤油派の当面の課題は、食後問題だ。和食一辺倒で、お茶しか選択肢がないことに国民の不満が募っている。
ケチャップ派やマヨネーズ派を介することで、紅茶やフレッシュジュースも取り入れていく方向を示しているが、明確なビジョンは見えない。
コーヒーや牛乳を欲する人々からは、パン派に回帰すべきだとする過激派も生まれており、政治不安は増すばかりだ。
争いは争いを生む。その最たるものが朝ごはんなのだなあ、と思いました。




