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パーキング
「満車」と赤く灯ったランプを見て、がっかりする人がいるだろう。自分を受け入れてくれないからだ。都内は、満車のパーキングで溢れている。
きのうはガトーショコラが食べたかったけどきょうはモンブランだなあとか、50枚入りのマスクが無くなりそうだとか考えながら歩いていると、道路の舗装工事に出会す。
アスファルトが切り拓かれ、一区画だけ、赤茶色の土がむき出しになっていて、その深くで作業員がさらに掘り進めている。
ふと、アスファルトの下にはちゃんと地があるということに気づかされる。昔はこの道にも地面があって、すこし凸凹の面を母指球と土踏まずをもって捉えていたのだ。なんで忘れてたんやろう。
道脇の、アスファルトの境に、小さな草が茂っている。自分のあさましさにぽかんとする。わざとスニーカーの踵を擦って歩く。少しして、落ち込む。
虚ろな心で夕方まで過ごし、モンブランも食べず(パイの実は食べた)、帰路につく。近所のコインパーキングには、満の字が煌々としている。赤い光が優しい。




