東京近景
近頃、主題である東京のことが疎かになっている気がしたので、久しぶりに書いてみることにする。定点観測、大事。
朝、私は郊外の方に住んでいるためか、あるいは全域そうなのかもしれないが、寒い。燃えるごみの日の朝は、路上にカラスが屯している。通りにゴミが散乱しているのは、もはや東京百景の一つに数えてもいいかもしれない。
通勤電車は、都心へ近づくにつれて混雑してくる。ただ朝の通勤時間は、頭をスリープモードにして、身体をオートで動かしているだけなので、ほとんど記憶がない。どうやってここまで身体を動かしてきたのかさえピンとこない。ただ会社の最寄り駅に降り立ったという事実だけがある。
駅の周りはいつも異臭が漂う。私は勝手にビッグイシューと呼んでいる。
日中は、ほとんど会社に籠りきりなので割愛。
夕刻は、オフィスビルの山間(ビルあい?)から、焼けた空がのぞく。帰りは疲れきった人々が、駅のプラットホームに長蛇の列を成す。列というか、塊というか。一応列の体をしてはいるのだが、人が溢れて、筆塗りが塗りつぶしになっているような様相だ。
自宅最寄り駅からの帰路。しんとした空気。駅前の大型ビジョンから無機質な宣伝文句が謳われる。
カラスはいない。時折、ハクビシンが前を横切る。