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添え物の境界
体制に飲まれそうになった。
普段は、自分なりの定時をしかと守り、その時間には出社すると決めている。会社のために生きているのではないからだ。
飲み会や、付き合いはやる。それは、人間同士の付き合いなのだから、当然発生するものだし、普段人と話す機会があまりないものだから、会社の人であっても、いろんな人がいるなあと思えるから良い。
自分なりの定時を破ってしまったのだ。これは侵犯というか、決壊というか、一度曖昧にしてまうと、二度と確かなものにならないような気がするというか。
一度、関係を曖昧にしてしまうと、元には戻れない。友達と思っていた人も、恋人と思っていた人も、曖昧にしてきた過去がある。
そうして、多くのものを失った気がするのだ。
なんだかなあ、と思いながら、結局じぶんは刺身のツマでしかないのかなあなんて思う。ほかの人を輝かせるために、添えられるもの。大フレームの伊達メガネ。新大久保のチーズドッグ。
でもそれならそれで、全うしたいとはならなくて、ふかふかのツマベッドに寝転びたいと思う。喩えが、なってなさすぎて、濃い息がでる。生ビールを飲もう。