アイスブレイクなんて
何気ない会話を始めるのが苦手だ。俗にいうアイスブレイクというやつである。
会話するにあたって、場の空気やそれぞれのエンジンにを温めるのに重要な役割を果たすアイスブレイク。互いの緊張を解くことでより建設的な会話に繋げるのだ。
ただ、この大して相手も興味を持っていないであろうことを話すのも、自分が大して興味もないことを聞くのも、生理的にブレーキがかかる。無為に過ごす時間への抵抗感なのか、興味があるフリをすることが苦痛なのか、とにかく嫌なのである。
「きどにたちかけし衣食住」なんてよく言うが、「季節、道楽、ニュース、旅、天気、家族、健康、仕事、衣料、食、住居」は広く関心を持たれやすく扱いやすいらしい。
でもこんな話をして何になるというのか。当たり障りのない会話ほど、退屈なものはない。そんなものはテンプレ化してチャットボット同士でやってほしい。
とはいえ、ならいきなり本題に入って緊張しないかと言われると、する。口だって上手く回らない。
だから難しい。
もっと言うと、同じ話を何度もするのが苦手で、自己紹介の類も気恥ずかしくなる質だ。自分が自分の話に飽きてしまっているのだ。
ならば、自分を退屈させない仕掛けをたくさん用意しておくべきなんだろうけど、それもなんか億劫でやりたくない。
結局は、自分で努力もせずに、自分のことをわかってほしいという甘えからきているんだろうな。でも、いまの気持ちを簡単にわかってほしいんだもん。誰か発明してよ、ワンタッチで伝わるやつ。