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七草粥
東京に戻って来た。
ずっと胃のあたりから不快感を催している。
考えられることは3つあって、
一つは、お正月に食べ過ぎたこと。一つは、東京での暮らしに対するストレス。一つは、七草粥を食べていないことだ。
七草粥とは、せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろ春の七草でお馴染みの、あれだ。
6日の時点で既に食べたい気持ちがあった。体内カレンダーが一日ずれている。去年はうるう年ではなかった。
毎年の慣例であるから、7日にはコンビニで出来合いのものが販売されるだろうと、6日は堪えた。
だが、7日になっても、中華粥はあれど七草粥は売られていなかった。せめて7のつくコンビニは置いておくべきだろう。
せり
なずな
ごぎょう
はこべ(ら)
ほとけのざ
すずな
すずしろ
呪文のように唱える。ぶつぶつと唱える。七草粥は、どこにも売られていない。仕方がなく中華粥を買って帰る。