かっこつけ
好きになる人に対して、潔癖になる。
好きな人には、よく思われたいし、かっこ悪いところみせたくない。要するに嫌われたくないという怯えだ。
でも、人に好かれるために肝要なのはその逆で、いかにかっこ悪いところを見せられるかというところにある。自分が完璧でいる限り、相手にも完璧を強いることになるからだ。
一方、"都合のいい人"は、潔癖であればあるほどいい。深く交わらない限り、きれいであるに越したことはないし、人は存外できる限りかっこつけていたいものだからだ。お互いが完璧で居られる時間は、限られた時間であれば幸福なのだ。
男女とも"いい人"で終わる人は、誰に対してもかっこつけていたい、極度の恥ずかしがり屋。八方美人なんて言葉どおり、確方面に対して傷つくことに怯えている弱虫だ。
弱虫は、寄生癖がある。都合のいいように扱われたら、自分のかっこ悪いところを見られたことに原因を置き、よりさらけ出さぬよう殻にこもる。そして優しくしてくれる人(かっこつけさせてくれる、つまりは相手もかっこつけたい時)の元にいき、また都合のいいように扱われるのだ。
だが、これは過ぎた被害者意識で、相手側からしたら、都合よく扱おうとしてきたのは他でもない自分なのだ。だって、かっこつけたいだけなのだから。
そうして、人間不信になり、自暴自棄になり、確かなものを求め、揺るがぬもの(と信じている)お金や地位を欲する。文字通りゲンキンなやつになっていくのだ。
ああこわい東京。パパ活などが横行する東京。かっこつけの街東京。寂しがり屋の街東京。