大きめの服を買う
夕べはばっすり(bad sleepの略。ぐっすりがgood sleepに似てるから)だった。8月が終わった。
9月も猛暑が続くなんて予報を見たからぐったりしていたが、いま予報を見てみるとひと雨きて暑さも和らぎそうである。
8月は京都へ行った。じっくりと観光したことがなかったから、新鮮な気持ちで寺社仏閣を巡った。
合間に一息入れようと、茶店に呼ばれてひと休み。東京では「っしゃせー(いらっしゃいませの粗読み)」と言うところを、京都では「しやす〜(おこしやすの粗読み)」だった。京都だけは常に丁重に挨拶申し上げてほしい。
その後は、あまりに暑かったので、ショッピングモールに入り浸った。
紳士服店(アパレルショップというにはこぢんまりとした)で父娘が並んで見回っている。娘は小学校低学年くらいだろうか。
父親がジャケットを手に取ると、娘が「すぐに大きくなるんだから大きめのにしたら?」と言う。店内が一瞬で和かな雰囲気に包まれた。
東京に帰る前、駅前でワンサイズ大きなTシャツを買った。もう私はこれ以上大きくなることはないんだ、と思うと急に淋しくなったから。
今日みたいなばっすりな日々が続くようでは大きくなれないぞ。そう自分に言い聞かせながら、ぶかぶかなTシャツの裾を握る。




