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【2万pv突破】東京アレルギー  作者: 晴後くもり
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糸の一日


休日。起きると、習慣的に、まず音楽をかける。一曲目に「糸」が流れて、私たちは何も知らないんだなあと、朝から己の無知を恥じる。


きょうは中華を食べよう。レタス炒飯が食べたいのだ。レタスと炒飯は、巡り合ってよかったと思う。


電車の電子広告に、「今年は暖冬」の文字が流れてきた。


名前、とか、名称、とか、定義・概念といったもの。冬のくせに暖かい。佐々木のくせに機嫌がいい。女のくせに。子どものくせに。


名をつけるから〜のくせになどということを言われるのだ。「それ」も含めて「そのモノ」なのに。


勝手に規定して、その外のことは認めようとしない。見えてる部分なんてほんの一部で、本当はなにも知らないはずなのに。勝手に期待するのはいつも他人なのに。


などと勝手に落ち込む。せっかくの休日にこのままではダメだと、急遽予定を変更し、カツ丼を食べることにする。


駅のあたりにはカツ丼屋がなかったから「なか卯」に入った。カウンターで食券を渡して、座る。目の前にはポスターが貼られている。


次の瞬間、今朝聴いた「糸」が頭の中で蘇る。


なぜ、めぐり逢うのかを

私たちは何も知らない


なか卯と水樹奈々。


どこで出会ったんだろう。私たちは何も知らない。


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