114/267
こんぺいとう
仕事をする前に一粒、こんぺいとうを口に放り込む。優しい甘さが舌の上に乗り、奥歯でガリッと噛むと幸せが広がる。
こんぺいとうは小瓶に詰めて、デスクの傍に置いている。白、黄色、緑、ピンク……。素朴な彩りと愛らしい形は透明なガラス越しに眺めるだけでも愉しい。
嫌なことがあった時には、二粒。
一粒目は、深呼吸しながら舌の上で転がす。少しずつ溶けた砂糖の甘さと一緒に空気を目一杯鼻から吸い込む。目尻がじんわりとしてくる。
二粒目は、景気良くガリッとやる。利き歯(そんなものがあるのかは知らないが)である右の奥歯で、かち割ってから、粉々にして糖を摂取する。
こんぺいとう、おすすめです。




