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【2万pv突破】東京アレルギー  作者: 晴後くもり
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キュートな身体

 体調が思わしくない。

 これが一過性のものであれば対処療法でやり過ごすのであるが、慢性的である故、体質から改善せねば状況は変わらない。


 愚痴っぽくなってしまうのは、夕方から降り始めた雨のせいだ。この雨は、あす以降の冷え込みを連れてくるらしい。連れて来んなよ。地元のツレか知らんけど、せっかく咲いた桜がかわいそうやないか。


 桜は、花一つ一つがチキンレースをしている。いかに雨に被らず、長い時間花を咲かせていられるか。


 「今や!いけ!」と、それぞれのタイミングで花を開く。一度開いたら元の硬い(シェルター)には戻れない。だから、咲くタイミングが重要になる。


 靖国神社の標本木を基準に行われる気象庁の発表による開花宣言があるが、あれはアテにならない。標本木は、もうすっかりおじいちゃんだからだ。時にはそのタイミングで雨を凌いだ、年の功が見えた年もあったが、それはラッキーパンチ。ご愛嬌。


 桜前線の北上とともにソワソワし出す桜たち。


 あらかじめ開花日を決めておく者。

 気温や湿度で咲くタイミングを決める者。

 周りが咲き始めたらなんとなく花開く者。

 気がついたらもう周りが緑になっている者。


 なんか応援したくなるね。


 そう考えると、私の身体も一つの木だと捉えれば、あちこちの不調もかわいらしく思えてくるではないか。


 じわじわとみぞおちあたりを悩ませるかまってちゃんな胃。

 下腹部の張りとともに、痛みや不快感を催す寂しがり屋な腸。

 雨が降るたびに鈍く重い衝撃が走るパンクロックな頭。


 うーん、かわいい!うーん、エイプリルフール!

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