語呂のいい並び
3日連続で牛丼を食べている。
1日目は、居酒屋で生牡蠣と日本酒を嗜み、ラストオーダーで締めを頼み損ねたあと。
日本酒でよい心地に仕上がっている口に、ジャンクな米をかきこみたくなったのだ。表面に紅生姜をたんと乗せ、無心でかきこんだ。
2日目は、お昼に、前日の牛丼がどうしても忘れられずに、同じ牛丼屋へ行った。空腹に満ちたが、昨日ほどの満足感はない。
3日目。半分事故のようなものだった。前日の牛丼がなぜ満足感がなかったのかを考えていると(慣れという結論に行きついたのだが)、どんぶりという単語が不思議だなあと思考が脱線した。
どんの面構えもさることながら、ぶりっと活きのいい曲線を思わせる語感は、あの鉢にぴたりとハマる。まつぼっくりのぼっくり感といい勝負をするキレの良さだ。
不思議と前日よりも美味しく感じた3日目の牛丼を食べ終え、ふらりと近くの神社まで歩く。改修されて、明るい朱色の楼門が、陽に照らされて煌々としている。
駐車場には高級車が並び、神社の景気の良さを思わせる。並びの車種を声に出してみる。レクサス、ベンツ、日野の2トン。思いの外語呂が良くて悦ぶ。