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怠け者め
新年。帰省している。
大晦日の夜、上空から街の灯りを眺め、日を跨がぬうちに実家へ帰った。
年が明け、朝。元旦。
初詣に行こうかと近所の神社まで。参拝者が長蛇の列をつくり、参れず。仕方なく、少し歩いてお寺へ行く。
道中、家々の玄関先には、門松が飾られている。門松。メインビジュアルは、竹なんじゃないだろうか。「門竹」と呟いてみる。少し険のある感じがする。門松は、おおらかで温かみがあるなあと思う。
右手に畑の広がる道を歩く。途中、空き地があり、子どもたちがカイトを揚げている。和凧とは違い、真上に高々と揚がる。このままどこまでも高く昇り、太陽に近づくと、翼を焼かれて、落つる。ーータコロスの翼。揚々と寺に詣でる。
お寺から程近い場所に位置する、バッティングセンターに向かう。年中無休と書いてある、殊勝なバッセンだ。店の前まで来ると、閑散としていて、通りには人の往来もない。新年早々、バッティングをしに来る人はいないか、と息巻いて入り口に向かう。だが、扉は閉まっていて、年中無休(年始を除く)書かれた紙が貼られている。怠け者め、と毒づく。