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メガミサマ

すみません。

テンプレ如きに一話を割いてしまいました。



「ちょっとおぉ、勝手に成仏されちゃぁ困るんですけどおぉ」


耳障りな間の抜けた口調。それが聞こえた時、視界は下水道の中では無く、壁や天井の四方八方が真っ白の空間だった。


「クソが……あの状況で生き残るだと?俺の悪運はどれ程強いのか」


再度、記憶を呼び起こせども、やはり俺は下水道の時で停止している。故に、俺は一瞬で状況を理解した。


捕虜としての尋問だ。拷問は受け慣れている。その程度では屈し無いが、万が一の可能性が存在する為、即座に舌を噛み切ろうとした。


が、


「何だ、この状況は!」


意識のみが存在し、身体が存在しない。確かに、感覚は存在するのにも関わらずだ。


不味い、薬か。隙を見て自害する事を防ぐ為、意識のみの存在とさせる麻薬を作り出したのだな。記憶を遡ってもその様な情報は無かったが、秘密警察と言えども知る事が許されている情報が限られているし、そもそも、最近完成した薬なのかも知れない。兎に角、帝国軍に情報を渡さず、この薬の存在を伝える事が急務だな。


すると、再び、あの間の抜けた声が聞こえた。何処から話し掛けているのかは分からないが、恐らく、右側の壁は偽物で鏡となっているのであろう。逃亡ルートは恐らく此処のみだ。


「いやあぁ、さっきからさぁ?むっちゃ変な思考してはりますけどぉ、アンタ、一回死んでるからねぇ?」


…………死者を復活させて尋問するだと?そんな技術等…………


「到底、帝国軍と言えども不可能は筈だ!…………でしょぉ?不可能だねぇ、そっちの世界じゃぁ」


そっちの世界?安直な思考で有るが故に読まれる事に関して些か不思議では無いが、この声の主が言っている事が理解出来ない。


「いやぁ、アルバニスタの中佐って云うから知っていると思ったけどぉ、案外、アホなんやねぇ?」


アルバニスタ共和国だと、強く訂正しながら、声の主の煽りを無視した。確かに、アルバニスタ共和国の中佐となれば、他国の、それこそ帝国軍の少将並のエリート教育は受けている。


が…………


「これじゃあぁ、あっちの世界のぉ、極東の島国のぉ、それこそぉ10代の若者の方がぁ、こっちとしても対応が楽だわぁ。そういやぁ、あのムカつく妹の召喚に食い込んだ彼って、かなりポイント稼いでくれて居るわよねぇ……うふふ。良い子よぉ」


あっちの世界だと?先程から何を言っているのだ。


「良ーいぃ?聞いてえぇ。アンタは死んだの。で、今からぁ、異世界に召喚されるのぉ。だ・か・ら、ステータス決めてねえぇ。また来るからあぁ〜」


そう聞こえた刹那、俺の目の前に何やら文字が描かれているガラス板が突如として現れた。そして、付随する形で、取り扱い説明書と云う題名の分厚い本が置かれた。

ふと、気が付くと身体が、肉体が存在している。と、同時に、次々と死に際の痛みが俺を襲った。




長い間、気絶していた様だ。


ふと、周囲の気配を拾おうとする。尋問が来ない隙に逃げ…………



俺の肉体は、胴から上しか存在しなかった。



仕方が無い。ひとまず、暇潰しがてら、声の主から渡された本を読むとするか。






統率力、武力、智力、政治力…………か。


システムの大凡の理解は出来た。これを振れと云うのだが、俺の場合、選択肢は1つしか無いであろう。


統率力と智力だ。


統率力100

武力1

智力98

政治力1


たった一人が強力な武力を有していても、たかが知れてる。それに、俺には政治は無理だ。武力行使による革命は起こせても、その後の統治には不向きだ。その事を分かっているが故に、臨時政府にも革命会議にも参加しなかった。


そして、スキルか。神同様に、魔法と云うものは信じない。だが、気合いや根性と言った気概に関するものは好みであった。それと、危険察知等の察知・感知系能力は魅力的であった。


【危険察知】100P

【気配察知】100P

【熱源感知】50P

【士気上昇】350P

【氣】50P

【根性】80P

【弩根性】120P

【気概】50P

【疲労回復】150P


【士気上昇】とは、無理矢理にでも、革命万歳と叫びながら突撃する部隊を生み出せる力だな。革命軍の頃から分かっているが、戦闘は指揮と士気で決まると言って過言では無い。倒せども倒せども突撃してくる部隊は敵に恐怖を与えるものだ。


「ぷっ、ひゃひゃひゃひゃひゃ。アンタ、最高のスキル構成やなぁ。いやぁ、まぁ、ええんやで、アンタが選んだやからぁ。やけどなぁ、それ。ぷっ、笑けるわぁ」


間の抜けた声が、全てを見計らったかの様なタイミングでいきなり登場した。そして、俺を晒し者に笑うが、何が可笑しい。大体、こんなスキル等と云った摩訶不思議の能力に頼らずとも生きていけるのだから。


「えらい自信やないでっかぁ?んまぁ、ええんやけどねぇ。にしても、最近は極振りが流行ってるんかねぇ。極振りって結構死にやすいんやけどねぇ」


何を言う。出来ない事を伸ばしてどうするんだ。それより、俺の身体はどうしちまったんだ。


「じゃあぁ〜ねぇ〜」


俺の意識が少しずつ薄れていく。これらは薬の影響なのだろうか?一体どの様な作用があるのかが謎だ。そう思った刹那、俺の意識は完全に飛んだ。









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