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欧州の祖母?日ノ本の祖母(姫ちゃん)


1566年。京都清水寺にて。


丸目長恵先生が、史実通り、弟子の丸目寿斎殿、丸目吉兵衛殿、木野九郎右衛門殿を伴い再び上洛し、「兵法天下一」の高札を掲げて、諸国の武芸者や通行人に真剣勝負を挑んだ。


俺は、嫁さんを連れて、見物且つ、スカウトに来た。前者はプライベートな旦那としての用事で、後者は一条家当主、一条鎌房としての顔だな。


史実ならば、誰も名乗りを上げないのだが、何故か全国各地から剣豪と云う剣豪がやって来た。


他にも、史実と異なり、剣聖・上泉信綱師匠は上野では無く、高弟・疋田景兼殿を初めとする御弟子さん達と、此処に居る。


愛洲宗通先生や、一条家の中で剣の腕が立つ者達は、俺の護衛任務として連れて来た。


北畠具教殿も、息子の具房殿に伊勢を任せて、剣聖・塚原卜伝殿を引き連れて遥々やって来てくれた。無論、高弟・雲林院松軒殿や、諸岡一羽殿も一緒だ。


柳生宗矩殿を筆頭とする柳生一族もワラワラと集まり、真壁氏幹や宝蔵院胤栄が居れば良かったが、前者は16歳で常陸と遠い所に居り、後者は残念ながら面識が無いので呼んでない。


若しかすると、一般枠で居るのかも知れないな。


丁度この機会だと、北畠具教殿を探し出し、千利休や今井宗久等が控えている茶室に誘った。


「御存知かと思いますが、代替わり致しまして、土佐一条家当主、一条鎌房で御座います。今後とも何卒宜しく御願い致します」


俺が頭を下げると、具教殿は、


「家督を譲りました身ですので」


と、苦笑していた。


実権を握っているのは知っているんですよ。まぁ、これはジャブだよ。俺が聞きたいのはコレじゃない。


「近頃、戦支度をされていると風の噂を聞きまして、織田ならば少し遠過ぎる故に、近江ならば京極殿に口添えする事が可能ですが如何されますか?」


直球ドスレート。


お前、なんか企んでるやろ?戦争するなら浅井を狙って、俺を狙うなよと、釘を刺す。


すると、驚きの答えが返ってきた。


「一向宗の坊主共の動きが怪しいのです」


嗚呼、成程。全く、俺っちは勘違いしちまったぜ。


「これは申し訳御座らん。長島でありますか」


「えぇ。その件についてでありますが、愚息を総大将にしようと考えております」


具教殿の外に対する隠居の表明ね。


さっき、俺が釘を刺したから、まだ足りないと思ったんだろう。


でも、具房殿、指揮の経験有るのだろうか?

まぁ、鳥屋尾さんが補佐するんだろうな。よし、問題無い。


「おお、それならば、私も義弟殿に微力ながら物資の支援をさせて頂きますね」


浄土真宗、教えの内容は素晴らしいんだが、一揆は困りますよ。


俺は、本願寺に問答無用で焼き討ちして、和睦を拒否して根絶やしにしてやったけど、長島はどうするんだろうか。


長島は織田が、加賀は浅井・朝倉が裏でなんかしてそうなんだよなぁ。


「嗚呼、そうそう。"万里の長城"は如何程に進んでおりますか?」


俺の質問に頷いた北畠具教殿は、ニヤニヤしながら、


「順調ですとも、御安心を」


と、答えてくれた。引き続き、人材と技術提供をしようと、心に誓った俺だった。


そんな話を、丸目長恵先生に名乗りを上げた者が居たと報告が来るまでしていた俺達であった。



「……ッッ!!!」


向き合った直後の抜刀で勝負が着いた。


返り血一つ浴びること無く、丸目先生の勝利でしたね。

でも、人斬っちゃったから活人剣じゃ無くなったね。



「宗通。斬られた若武者は、何が悪かったと心得る」


俺は隣で見ていた愛洲宗通先生に聞いてみる。すると、先生の鋭かった眼光が徐々に収まり、


「速さであります」


と、超絶曖昧な答えが返ってきた。


えっ!?それだけ?いやいや、何の速さよと、思ったけど、それを聞いた疋田景兼殿が、


「流石でありますな」


と、うんうん頷いていたので、俺はステータスのアジリティーの値が低かったんだなと、無理矢理納得した。


よく分からんよ。因みに、疋田殿の隣で立っていた上泉信綱殿は、若いのぅと、呟いていた。まぁ、斬られたの若武者だからね!


その後も、やって来た二人の挑戦者に無傷で勝ち続けた丸目長恵先生を労う為に、嫁さんの実家に招き入れた。

無論、他の剣豪達や御弟子さん達も一緒だ。多分、この晩の三条西家の屋敷のセキュリティーは御所より堅いんじゃないかな。んまぁ、


「宴会じゃッッ!!!」


俺の一言で、公家屋敷に相応しい位の羽目の外し様でどんちゃん騒ぎが行われた。



「某が聞くには、らいぶと、やらの盛り上がり具合は凄まじいもだったらしいですね」


「はい。旦那様御自身が、数刻の間、一人で歌い続けておりました。歌の合間に、面白い話をして下さいましたよ」


ふと、隣を見ると、丸目長恵先生と嫁さんが仲良く話していた。


嫉妬?しませんよ。


だって、この後、丸目長恵先生が相良氏に仕官するのを防ぎたいもん。俺の剣術指南と云う名目上の親衛隊に来てくれ!


まぁ、その質問を嫁さんにする感じ、選択は間違えて居ないな。


嫁さんは何故か、俺が主催する軍事関連以外の全てのイベントに参加してるしね。


夫婦仲が良いのは素晴らしい事よ。


この前なんか、無理矢理作らせた、セーラー服やメイド服、ブルマにナース服、更には水着までコスプレして貰えましたからね。

無論、しっかり頂きました。御馳走様でした。


この調子で行くと、跡継ぎ問題が怖いので、俺が死ぬ前にハッキリと指定しとかないといかんね。


粛清も有りかな?俺自身は、全くと言っても良い程、我が子に会って無いからね。あんまし、愛着が湧かない。


噂によると、超絶優秀らしい長男に関しては、義弟になった黒田官兵衛に傅役を任せてるし、それ以外は皆、養子行きかなぁ。


大和国を任せている筒井氏とか結構、反乱起こしそうで怖いんよね。一条家の畿内の支配領域は、全部、養子縁組させるか……


摂津・河内・和泉・紀伊・大和・伊賀・丹波・山城。8人か。男女の確率は半々だから、16人の子供を産んで貰わないといかんね。養子迎えるのも有りやけどね。


まぁ、最悪、嫁入りさせるのでも良いけど。この時代、血縁より地縁なんよね。あんまり、血を重視しないからなぁ。少し不安。


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