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続・阿喜多騒動


1564年。


一条家で、阿喜多騒動と呼ばれる事件が起こった事を聞き付けた日本の天才軍師達、両兵衛は双方、唖然とした。そして、共に異なる結論を出したのであった。




播磨にて。


我が御父上である黒田職隆の娘と室津の浦上清宗殿との婚姻の日、敵対する赤松政秀からの襲撃を受け、清宗殿が殺された。


それを見事に予言した一条鎌房様と、桶狭間で今川義元を討ってから、凄まじい勢いで勢力を拡大している織田との間で、対立が起きている。


一応は水面下でだが、先日の阿喜多騒動にて愈々、表面上にも波紋が広がっているのだ。


四国から淡路を経由して畿内へ上陸した一条本隊は、摂津・河内・和泉を抑え、今は上洛を目指し、山城国へ快進撃で進軍している。


一方、鎌房殿率いる別働隊は、阿波国から直接、紀伊国へ上陸すると云う奇襲と、鎌房殿独自の軍隊と兵器を最大限に利用し、紀伊国を平定した。


その後、北畠具教殿と共に大和国へ攻め入っている……筈だった。鎌房殿の思い描いた通りに事が進んで居れば、既に、伊賀国の国人達は調略され、近頃、急接近した京極氏を使い近江国の浅井を攻め滅ぼしていただろう。


「何故狂った」


後の黒田官兵衛は、自他ともに認める、今張良こと、一条鎌房の謀略は、青臭い己如きでは計り知れる事等出来無いと、思考を放棄してしまった。





美濃にて。


以前から、わざわざ朝鮮や琉球から仕入れた清酒等の強い酒を下さり、製造法を必死に御教授される一条鎌房殿。


私がどれ程、兵法について尋ねても、直ぐに酒と城、十七の兵に結びつけられた。


あの頃は、何故、その様な事を説かれるのかと、不思議で仕方が無かったが、舅である安藤守就と共に稲葉山城を守っている今ならば分かる。本当に、今張良の名は化け物である。だからこそ、


「今回の阿喜多騒動も二十年近く前から仕組まれていた罠では無いのだろうか」


今孔明の名を欲しいままにして、早死を惜しまれる、竹中半兵衛は、阿喜多騒動に対して、鎌房本人ですら分からない程、超絶深く勘繰ったのだった。





両兵衛は共に、事件の中心である北畠とは物理的にも心理的にと距離は遠い。

故に、彼等はある種の傍観者的立場から事の顛末を予想する視聴者で居られた。





然し乍ら、この三人の男は違った。

北畠具教。浅井賢政。そして、織田信長だ。


俺は、北畠を刺激しない様に紀伊国に引き篭ると、考えてばかりいる。今回の阿喜多騒動についてだ。


まず、渦中の北畠家前当主である、具教は、家督を譲った直後に、この様な暴挙に出るとは思っても居らず、一条家に叛意は無い事を必死に説いている。


この構図、清洲同盟を疑われて息子を殺した徳川家康に似てるわ。アカンで。


あれは、人質時代の竹千代から松平元康を経て、徳川家康にまでなった彼と、織田と徳川、何方が滅ぶ時は共に滅ぶと云う関係性があり、更に、自ら主君に恨まれる台詞を吐き出す勇気と信頼関係を築き上げていた酒井忠次の存在が無ければ成立しない。


確かに、鳥屋尾殿ならば、その役が務められるだろう。更に、英主・晴具の息子である具教殿は聡い。故に、断腸の思いで具房殿を斬り、徳松丸か亀松丸を嫡男とするだろう。


ん?1560年に親成が産まれているから其方を立てるのか。具藤は、長野家の乗っ取りの為に、北畠姓を棄ててるから親成だろうな。具教殿に何人も息子が居て良かった。


だか、そんな事をして我等一条家に味方したいと思ってくれるのであろうか。


一応、保険として、内部対立の中心的人物になりそうな木造具政は、対浅井戦で既に殺している。


史実では、信長に内通している危険人物だからな。具教殿と対立する時に、具房殿の背後に着いてくれそうな人


……アレ?具政しか居なくね?具教殿ならば、実力行使されても、


「クハハ、甘いぞ、甘い!喰らえ、一の太刀!」


的な事を叫びながら50人位なら斬り伏せそうだもんな。なら、まだ家中が割れる事は無いか。


具房殿もあんな父ちゃん持ったら大変やね。


ん?ブーメラン?


なってませんよ。俺の息子はまだ若いってか、2歳だからな。そもそも、まず自我すら芽生えて居ない為、俺に反乱なんて起こせねぇよ。


家臣団も纏まってるからね。俺自身も21歳とまだ若造だがな。親父が近畿を平定するまで逆らいませんよ。



次に、浅井賢政。


美濃攻めでフルボッコにされた仕返しに、朝倉と連合して北畠の治める伊勢を攻めようとしている模様。


一条家としても、将来的に織田の防壁となる北畠が崩壊すると滅茶苦茶困るので、京極に圧力をかけて対抗しているけど、実力行使されたら、もう手に負えない。


タダでさえ、親父が快進撃を続けるもんだから、摂津・河内・和泉の統治に兵を割かないといけないのに、山城国行っちゃうし。


俺自身も、北畠との関係が微妙になって紀伊国に軍勢を置いておく事しか出来ない。もうこれ以上、戦線を拡大されちゃ、近江に派遣に割ける兵士が居ないのよ。だから、彼には史実より早く退場願いたいですけどね。


嗚呼、勿論、浅井四姉妹くすちゃんは産んでね。賢政の似顔絵見たけど、陶晴賢並にイケメンだったし、あの遺伝子と戦国一の美女、お市っちゃんとの完璧配合でしょ?そりゃ、嘸かし御美しいでしょうねぇ。囲いたいわ。俺の息子の側室として…………


なんか、俺のわがままのせいで、俺の息子が後世で散々に言われそうだな。この破廉恥め! 某無双ゲーで、破廉恥ですって叫んでいたのは、弓持った稲姫だったなぁ。あれは、真田の奥さんだったよね。手を出せねぇな。


あっ、甲斐姫!あの子も欲しい。けど、俺が生きている間に関東まで勢力を拡大出来ているのか?


そもそも、北条は秀吉ですら手を焼いて、中国の毛利、九州の島津、東北の伊達を抑えた、日本統一の本当の最後の最後に敵対した勢力。

そう簡単に攻めれなさそうなんだよなぁ。ゲームでは北条って不遇だけど、この世界では普通に強いし。


ってか、信玄死亡と長篠の戦いで武田が滅び、謙信が死んで内部分裂して上杉が弱体化してるのに、北条って堅固に守り抜いてるもんなぁ。


早雲から始まり氏康からの氏政で武田や上杉、佐竹等に囲まれながらも順調に勢力を拡大しているしな。風魔小太郎も居るし、北条強いわ。



最後に信長。


1561年と1563年に美濃攻めをしているが、竹中半兵衛の戦術が凄過ぎて、斎藤勢に敗れている。


1564年、竹中半兵衛が稲葉山城の乗っ取りを行う事により、稲葉山城の防御が減少。今は負けているが、そろそろ奪えそうな時頃だ。


史実ならば、竹中半兵衛は7月中は耐えるが、8月に龍興に奪われるんだよね。その後、秀吉に会う前に竹中半兵衛を手に入れたい。


信長が稲葉山城を取った後、上洛を目指して美濃から伊勢に攻め入るのかはまだ分からない。


攻められたら阻止するが、平和的に通してくれと御願いするならば、一条家の下の者として扱い、上洛を許してもいいかなとは思う。そこをどうするかは、信長次第と云う事だ。


尾張国も伊勢国に陸続きではあるが、今、北畠を攻めるのだろうか?竹中半兵衛がそれを許すか?


………………竹中半兵衛か


…………彼奴なら、信長を………………



「……あっ!ヤバい!」


織田信長は過去に同じ様な事をしている!


三間槍と云い、鉄砲と云い、城下町と云い。斎藤道三の真似ばっかしてるじゃん!これはヤバいぞ。


「宗通師匠ッッ!!!」


「お探しですかな?」


俺が自室を出て、城内を駆け回ると、剣豪・愛洲宗通が見つかった。


「今すぐ北畠具教殿の所へ行かねばならない!護衛として来てくれ」


俺は、一条家に仕える僅かばかりの、しかし、選りすぐりの剣豪達6名と共に伊勢に向かった。同時に、西園寺公高に毛呂智舟を率いらせた。


浅井長政の娘で、茶々、初、江の姉妹と

言われているけど、謎の多い女性。

秀吉の侍女を務めた後、両親を弔うため

若狭の龍潭寺を再興したそうだが、

むっちゃ若くて死んじゃったよね。

物凄く悲しい。


こういう娘の事とかを考えたりすると、

秀吉死ねって思うわ。

彼奴の無駄な寿命を若くて死んじゃう姫様達に渡してあげたい。

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