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僅か4年の差(+18歳でオネシャス)

さてさて、この話から滅茶苦茶面白くなる予定ですよ。


今までの序章に耐えて付き合って下さった皆様。


お待たせ致しました。この話からが、本当の始まりです。

一応、解説。

北畠具房目線です。



「真ですか!?」


北の方のお話に阿喜多様が目を見開いて驚かれる。

僕は何故、ここ迄驚かれているのかはよく分からないけれど、機嫌を損ねてはならないので一応驚いておいた。


内容は、義兄にあたる一条鎌房様が北の方に対して呟いた、鄒氏について、中々ハッキリしない言い訳をなされた件についてだ。

大体、天下に最も近いと言われている一条家の次の当主であられる鎌房様が、何故、側室を取らないのか、此方の方が不思議なのに。


「同じ男性として具房様はどう思われますか?」


えっ。いきなり振られても困りますよ。


「ええとですね……」


僕がハッキリ言わないものだから、阿喜多様がキッとした鋭い目線を浴びせてくる。


「貴方も妾を?」


「い、いや。その様な事は……」


僕が言い淀んでいる瞬間、背後から凄まじい殺気と、目の前に木刀が出現した。


「義弟殿には、久々に剣術の指導を付けねばならないみたいだなァ?」


僕が、ギギギ……と、云う音を心の中で立てながらゆっくりと首を回すと、不気味な笑顔で仁王立ちしている鎌房様の姿が視界に飛び込んで来た。


「そう言う兄様も本当の所、妾はどうなってるんですか?」


「おう、阿喜多。元気そうで何よりだ。え、俺か?天下に近づくにつれ、暗殺の危険が高まるし、もう怖過ぎてそんなの出来ない。義弟よ、貴殿も当主なのだから本当に気を付けた方が良いぞ(どの勢力の誰からの暗殺かは指定していない)」


だから、いきなり振られてもそんな急には応えられないです。


「あっ、はぁ……」


またしても、適当な返事をしてしまった。我ながら情けない。


「うちの姫ちゃんと、阿喜多が何か迷惑を掛けたりしてないか?」


そんな僕に対して、何も無かったの様に振舞って下さる鎌房様。優しいです。


「北の方様も阿喜多様も優しい御方です。此方の方が御迷惑をお掛けしていないかどうか……」


僕の返事を聞いた鎌房様は、少し驚いた目で僕を見た。何か変な事でも言ってしまっただろうか。


「え、あぁ……阿喜多様?様っ?!」


「何かおかしいでしょうか?」


と、僕。すると、鎌房様は、


「いや、おかしいでしょ。この時代、なんで自分の嫁さんに様付けるん?」


嗚呼と、納得した僕は、


「怖いですから」


とだけ言っておく。


「え!いや、本当に申し訳無い。うちの阿喜多が何か気分を害してしまう様な事をしてしまって、本当にお詫び申し上げます。今、紀伊を攻めるのは何卒、どうか御容赦を」


おい、阿喜多も謝れと、言いながら、立礼する鎌房様。な、何が起こったんだ?僕は慌てて誤解を解く。


「頭を上げてください。何か勘違いなされている様ですが、阿喜多様は僕なんかに勿体無い女性です。僕が言ったのは、鎌房様は織田信長殿と仲が宜しいと風の噂を聞いたので……」


もし、僕が何かしでかしてしまったのならば、東西挟み撃ちになって家を潰してしまうなと、思っての事ですと、僕が言うのを遮って、鎌房様は、



「嗚呼、うん。兄として、可愛い妹を殺したくないし、一条家としても織田とは戦いたくないね。」


と、仰った。余り噛み合って無い様な気がする回答に僕は戸惑ってしまう。


やはり、御父上に家督を継いで貰うのは早かったかもしれない。


この直後、鎌房様は紀伊の雑賀衆と熊野海賊衆が反乱を起こしたみたいで、爽やかな笑顔と共に紀伊へ向かって行かれた。

反乱と聞いても、恐れず驚かず怯えない。それどころか、笑えるなんて、やはり天下人は器が違うんだろうな。



この夜、御父上に、


「僅か4年でここまでの差が出るのでしょうか?」


と、聞いてみたが、笑って、


「嫉妬はいかんぞ。己を知れ」


と、諭されてしまった。鎌房様が織田と仲良くされている事について意見すれば、


「そこを啄いても何も益が無い。それより、我等、北畠家と仲良くする方が良いと、鎌房殿に訴えねばならん」


と、難しい顔をしながら言われた。


もしかして、お昼間の受け答えは悪かったのだろうか。




「はぁ……」


先程から、御父上の失望した顔が何度も蘇ってしまう。僕は自室で盛大に溜め息をつき、酒を呑む。


そして、ボリボリと、ぽてとちっぷすとやらを摘み食いする。もう、食べて飲まなきゃやってられない。


「殿!」


阿喜多様が諌めるが、もうほっといて欲しい。


「触らないで下さい」


「嫌です。こんなに沢山食べては駄目ですよ」


僕の手を掴み、ぽてとちっぷすを皿に置かせようとする阿喜多様。物凄く邪魔だ。


「もう、ほっといてくれ!どうせ君は鎌房の間者で、君だけは助かるんだろ!僕の事なんか全然分からない癖に!北畠家は滅ぼされるんだよ!」


感情に任せて怒鳴り散らしてやった。スッキリする。そして、思いっ切り、ぽてとちっぷすを食べるんだ。もうどうにだってなるさ。


本編の始まりですね。


一条鎌房が自由に翔ける戦国乱世を御堪能あれ

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