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魔王一条鎌房


1558年。


まず、逆賊陶晴賢討伐連合軍の総大将も無事役割を果たせたし、村上海賊の調略も成功したので一先ず背後は安心だ。


北畠具教殿を始めとする剣豪達に揉まれつつ、友好を築けたので東側からのヘイトは抜けたと思う。


京都の御公家衆や、嫁さん相手に和歌詠んだり、舞ったりしたから、京とのパイプも確保したし、今のところ、最善は尽くせている感がする。


とはいえ、俺は正面から馬鹿正直に攻めない。


先ず、準備だ。


今は亡き毛利元就が、策多ければ勝つって言ってから死ぬ筈だったもんな。この世界じゃ誰も聞かなかったから死語になっちゃったけど、俺が引き継いでやんよ。敵だがな!


親父に七民三公と、伊予〜土佐国の関所の全撤廃を提案し、前者は、トウモロコシやジャガイモの半端じゃ無い生産量を振り翳して、後者は、流下式塩田と枝条架式濃縮装置の組合せにより激増した塩と、力織機と紡績機の組み合わせにより激増した綿製品を振り翳して認可させた。


忍者達にも阿波国と讃岐国の農民の三男以下の者達を呼び込む様にと、命じていたのでその偽の口コミが広がり、役所前には移住者による長蛇の列が。

『今日からお前が長男だ』と、云うキャッチコピーで領内からもドンドン人を呼び込む。彼等は体力や筋力、器用さを見て、鉱山や紡績工場、一条家の荘園に送られ、発明だけしていて小規模でしか行われなかった産業が彼等の手によって行われる。


是非とも、一条家の国力上昇の為、精一杯働いてくれ。で、その金を遊郭で落としてくれよ。わざわざ孤児を集めて作らせたんだからな。


相手に気付かれ無い様に、搾取出来るギリギリまで奪い取る。金も兵糧も貯まる。

敵国の兵士と成りうる人材を減らせたし、常備軍として雇い入れる人材も確保出来、良い事づくめだな。


俺は人為的に囲い込みを行ったが、英国は偶然、都市部に労働力が集まったのだろうか?それとも……。いや、これは女王陛下のみぞ知るだな。



薬に関しては、阿片窟と阿片戦争が、如何に国力低下に繋がるかと云う事を教えてくれているので手を出さない。


林則徐と云う英雄と、光栄あるイギリスのプライドと良心の呵責が出て来ない限り、あれは闇だ。深淵だよ。覗かない方が良い。後ろから蹴り落とされ無い様に近付く事すら辞めた方が良いな。


日記には、麻酔になるけど怖いと、だけ記しておく。確か、日本人が世界で一番初めに麻酔を作ったんだよな?よし、後世に期待だ。



準備終えたから次は戦場での策。卑怯有るのみですよ。


かのナポレオン・ボナパルトの如く、城を含め、城下町を砲弾で穴だらけにし、籠城出来ないだろ?降参しろよと、降伏を促す。


迫撃砲、造って良かった。本当は沿岸部に対外国船用に設置する積もりだったんだけど、思ったより小型しか造れなくて、どうせなら車輪付けて馬に轢かせりゃ良いじゃんと、量産したんだ。


これは過去最高に先駆的。馬に機関銃を轢かせたのは、秋山好古が日露戦争の時に行ったものだ。これで俺も、日本騎兵の父と呼ばれるかな?


因みに、秋山好古は、バルチック艦隊を破った丁字戦法を実行した秋山真之の兄だ。兄弟揃って天才だな。俺はそれを真似るだけ。


まぁ、猿真似にも独創性と何かがあるって坂口安吾が言ってたからな。問題無かろう。最高司令官である俺は、静かで安全な場所で優秀な秘書官に囲まれる事無く、戦場に居る。


まだ、戦争に煌めきと魔術的な美が有る時代だからな。


この前は、俺に鉄砲の弾が飛んで来て滅茶苦茶危なかったぜ。【危険感知】【見切り】【抜刀術】スキルのお陰で、感覚的に抜刀したら弾を真っ二つにぶった斬ったから良かったんだけどな。


後日、弾斬り抜刀斎とか云う変な二つ名が付いていたので全力で揉み消した。北畠具教殿に聞かれたら、フルボッコにされるだろうが!


圧倒的な破壊力の前に、讃岐の豪族達は次々と降伏し、最後まで抵抗して来た十河一存を討ち取って、この戦争は集結した。

史実なら1561年に松永久秀に暗殺されるから、3年早く死んじゃったな。


思ったより、作戦が完璧過ぎて親父の終戦までに時間が余っているので、我が軍の永遠の副将、土井宗珊に捕虜や従属して来た者達の処罰や戦後処理を丸投げし、俺は淡路島に攻め入った。



安宅冬康は降伏したが、降伏条件を反故して彼等一族を斬首。


他の武断派の武将も次々と隠居させ、自宅謹慎とした。土井宗珊が居ない為、かなり無理矢理、力で押し込める扱い方だが、讃岐国では土井宗珊の扱い方と比較され、頗る従順になったらしい。


鎌房ならば問答無用で殺されるが、宗珊は話せば分かってくれると、評判らしい。


俺は魔王様だ、クハハと、思い込み、淡路島平定一ヶ月後には、摂津に乗り込んだ。


三好を向かい討つッッ!!





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