天下統一への道順考察
コンクリートは圧縮力に強い反面、引張力には弱く、一度破壊されると強度を失う。
鉄はその逆で、引張強度が高い反面、圧縮によって座屈しやすいが、容易には破断しない粘り強さを持つ。
この両者を組み合わせることで、互いの弱点を補い合い、圧縮力・引張力ともに高く、多少の破壊でも崩壊しない強度が得られる。
1557年、夏。
実家の土佐では、京を真似て大文字焼きが行われているであろう頃だな。
嗚呼、勿論、俺だ。今年で14歳になった、陶晴賢の討伐を出来るだけ長引かせる様に努力していたが、親父が長宗我部氏を滅ぼし、香宗我部氏、山田氏、安芸氏も従属させて、土佐統一を果たしたと云う報告を受け取ったので、本腰を入れて陶晴賢の討伐に専念している俺だ。
とっくの前に陶晴賢の自刃の報は受け取っているが、朝廷に手を回して認めさせていない。
史実では、兄、大友宗麟から見捨てられて、1557年に自刃する、大内家最後の当主、大友晴英もまだ生きている。大友晴英が生きているから、自動的に、陶晴賢の子、陶鶴寿丸も生きている。
確か、今、7歳の筈。内基と同い年だろ?本心としては見逃してあげたいけど、今は戦国乱世だからなぁ……。可哀想だけど、死んでもらうか。
親父も分かっているだろうが、今、最盛期の三好氏には触れるのは悪手なので、河野氏の攻略の準備をしている。
俺の逆賊陶晴賢討伐連合軍の解散を合図に、俺は海側から、親父は陸側から攻め入るのだ。
後は、残党と国人の討伐のみ。伊予国の統一が果たせ、住友財閥の礎、別子銅山の探索に全力を注げる。
上手くいったら来年には三好に仕掛け、三好長慶の上洛を阻止出来るかが勝負かなぁと、思っている。北畠家と手を組んで三好を滅ぼしたいな。
姉小路家とも勿論仲良くするつもりだ。これは、対織田の抑止力だな。最悪、妹を送り込むのもありだが、信長によって滅ぼされると云う嫌な未来がなぁ……
桶狭間の戦いに俺、行こうかな。雨の日だから鉄砲使えないし困ったな。取り敢えず、山側に兵を伏せて、信長が奇襲してやるぜと意気込んでそこに兵を設置する間に、奇襲して殺すのも有りだけど……
なんか、伏兵奇襲って、今は未だ開発されていない島津の釣り野伏せとか、真田さんが伊達ちゃんの馬鉄見抜いた時みたいだな。
兎も角、歴史が証明している通り、しっかり準備すれば伏兵は成功するし、成功したら凄まじい打撃を与えられる。戦況が動くからここぞと云う時に使いたいな。
嗚呼、そうそう。冒頭からいきなり鉄筋コンクリートの説明をしていたが、それは、木造建築物では火事の時ヤバいと、毛利元就の軍勢を火炙りにして殲滅した時に思ったからだ。
土佐の建物も徐々にコンクリート製に変わっていくだろう。
話は変わるが、毛呂智舟二号(親父のネーミングセンスの無さ)は、1552年に着工し、昨年、完成したので中国に行っている。
現地のポルトガル人やオランダ人と交渉して、土佐までサツマイモ・ジャガイモ・トウモロコシを持ってくる様に御願いしろと、命じているので、来年位から土佐で栽培するつもりだ。
兵糧の増加と餓死者0を目指して領地改革をしていこう。
この前、京からお持ち帰りしたまだまだ若い千利休さんは、土佐で妹達に茶の湯を教えている。
頼むから、教養豊かな良い女になってくれ。俺も嫁に出す家は確りと悩んで決めるから。
最有力候補は一条本家だな。結束を固めよう。
信長は本能寺の変で死ぬし、自重を知らない猿と、脱糞狸には、こんなにも可愛くて綺麗で高貴な血筋の妹達は釣り合う筈が無いからな。
ちゃんと歴史知っているからお兄ちゃんに任せておきなさい。少なくとも、自由恋愛は許しません。この時代じゃ、外交のカードだからな。
最近は俺が天下目指すのも有りだなと思って来た。本能寺の変がタイミングかな?
中国大返しをさせず、家康の人生最大の危機も、先に此方が忍者達と内通しておいて生きて帰さない。
そうしたら、文官石田三成と脳筋柴田は力づくで滅ぼして、天下統一っしょ。
天下統一したら直ぐに大政奉還だ。幕府なんて無駄なもん作らずに、京の都でのんびりと過ごしたい。俺、どっちかっつうと貴族に成りたいからな。
まぁ、清らなりとかいうヤツ?
因みに、清らなりは、高貴な方を表す言葉で、清潔とかそういう意味じゃないからね?




