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はっ?!俺だけステータス表が違うやん!

初めまして。姫小路暁斗です。拙い駄作ですが宜しくお願い致します

 

 ソレは世界史の授業中に突如として起こった。


 俺は不真面目な生徒の為、授業等関係無く、机の下でスマートフォンを隠しつつ、いつものくだらないゲームをしていたのだが、突然、女子生徒の叫び声が聞こえた為、ふと、顔を上げた。直後、黒板に何やら幾何学な模様が突然浮かび上がって行くのが目に入る。


 なんだあれ?……嗚呼、知ってる。



「魔法陣?魔術刻印?そう云う奴だろっ!」


 俺は中二の頃から、社会的には残念極まり無い病に掛かっていた。


 しかも、重症なのだ。


 具体的にどれ程なのかと言えば、自分が厨二病である事を自覚しており、時々、衝動的に叫び出す狂人扱いされている事に慣れてしまっているくらいだ。



 教師も事態の異常さに気づいて黒板に浮かび上がる幾何学模様を消そうと黒板消しを滑らせる。


 馬鹿め。


 "物理で殴れ"は野蛮人のなす事だ。




「こ、これはなんだ!?」


「誰のいたずらなんだ?」


「なんなのよ!?」


「あっ、俺もウォーリアの時、神将に大剣担いで突っ込んでるか。自虐だったな」


 一人で漫才をしつつ、クラスメイト達を眺める。彼等の狼狽えようは見物だった。


 特に教師は夢見心地の案山子の様だ。


 彼等から見れば謎の幾何学模様、俺から見れば宝物……は消える事無く、鮮明に浮かび上がり、閃光を放った。


 おお、成功したか!


「女神様ッッ!!!チートを下さいっ!金持ちになりた……」


 俺だけ完璧なタイミングで完璧な言葉を叫んだとは、この時は思いもよらなかった。




「うわ!」


「ま、まぶし!」


「み、みんな落ちついて!」


「さよなら、世界っ!こんにちは、異せか……」


 俺ががそう言い終わる前に、視界が極彩色に包まれる。嗚呼、そうだった。この時、女神様のギフトタイム来るんだよな。俺は今か今かと待ち続けた。




【世界の狭間に漂う者たちよ】




 脳内に声とおぼしきものが響いた。俺のアドレナリンが凄まじい勢いで分泌されていると思う。


「イエッサー!女神様!アナウンスさん!」


 一人だけ馬鹿が居る?気のせいだ。


 だが、何故だろう。


 女神様に声を掛けた途端、視界が戻った。


 そして、クラスメイト達、教師の奇声や叫び、ざわつきさえが聞こえない。


 あっれれぇぇぇおっかしいゾぅ。


【残念ながら貴方達は召喚されてしまいました】


「残念じゃないです」


 と、答えながら、隣の奴の顔を見る。


 くっそ真面目な優等生の女子が、不思議と意味を理解出来て、納得している顔をしていた。


 は?何が起こっているんだ?




【貴方達の世界とは異なる世界のとある才あふれる未熟な者が、勇者召喚の術を暴走させてしまいました】


 ふざけるなっ、私達を元に帰せっと、教師がどなり声をあげる。


 ちょ、お前さん、何を言っている。だが、残念な事に教師の訴えをかわきりに生徒たちも次々と声をあげ始めた。


 さっきまで納得してたんじゃねぇのかよ。


「ちょっと、お前等黙れよ。女神様がお困りだろ」


 スクールカースト最底辺の存在且つ、小心者の俺は、そっと小声で呟くしかなかった。


【――地球はすでに私の管理外の為、召喚を防ぐ事が出来ませんでした。そして、貴方達を召喚した世界は私の管理が及んでいるところではありません】


 あれ?女神様、管理外の世界に飛ばされるの?ヤバくないか?


【今は、召喚中の為、全ての概念が曖昧になっています。その為、こうして私が貴方達に干渉出来ているのです】


 さらに教師が声を上げようとしたが、女神様がそれを遮った。


【これから貴方達のいく世界は、地球の様に人間が支配している地ではありません。魔物や魔族を初め、神々ですら、手に負えない危険がすぐそばにあります】


 その厳しい声に誰もが喉を詰まらせる。


 おい、今、サラッと神々ですら手に負えないってカミングアウトしたよな。


【言葉はわからない、力もない、魔法も使えない貴方たちでは、あまりにも無力な世界です】


 魔法あるんだ。


 いや、勇者召喚の術が既に魔法か。


 ってか、魔族居るんだな。


 女神様の声がふっと穏やかになった。


【そんな場所に貴方達を放り込むのは忍びありません。ですから貴方たちには最低限の力を授け……いえ、選びなさい。そして、貴方達の選択の結果を祈りなさい。私からの贈りギフトの形で授けましょう】


 その女神様の台詞の直後、俺達の目の前に、ステータスやスキルといった項目が書かれている光る板が浮かび出した。


 剣技、剣術、見切り、魔力感知、魔物知識等など、オーソドックスなスキル名が目に飛び込んでくる。


 だが、俺は絶句した。



「ステータス……嘘だろ。なんでINTとかLUCじゃ無いんだ」



 普通は、火属性魔法とかスキル欄にあるなら、INT極振りにしてBブッパだろ?


 いや、別にね、俺のステータス欄にも智力って云う項目あるんだけど、それ以外が、統率力、武力、政治力なんだわ。


 これ、完全にアレじゃん。


 魔王とか勇者とかそういうMMORPGファンタジーな世界観向けの基本6ステ(STR・VIT・INT・MND・AGI・DEX)に、CHAとLUC合わせて8ステのとは違って、三国志とか戦国に行くやつじゃん?


 俺は戸惑った。


 そして、チラッと、隣のくっそ真面目な名もなき優等生(知らないだけ)のステータス欄を覗く。


 STR・VIT・INT・MND・AGI・DEX・CHA・LUC。


 均等に振られてる。多分、優等生過ぎて全くゲームをやったこと無く意味が分からないのであろう。


 馬鹿め……って、そうじゃない!


 可笑しいぞ。


 思わず笑えてくる。


 もう片方の隣の奴のステータス欄も覗く。


 あれ?諦めず、チラッと振り返り後ろの席の奴のも見た。


 少し腰を浮わつかせ、前方の斜め左右と正面の席の奴らのも見た時に確信に至った。



 ……俺、どうやら違う世界に飛ばされるみたいだわ笑。


 め、女神様ッッ!?!?


 そうとなればと、俺は腹を括り、慌てず、とあるスキルを取った。


【呪術】。


 そして、全力で自称女神様アナウンス詐欺師を呪った。(実は、誰も女神とは名乗っておらず、勝手な厨二の思い込みによる逆恨みである。)


 盛大に呪い尽くした俺は満足し、早速与えられたスキルポイントを確認した。元々1000Pあったが、【呪術】を取得した為、950Pに減っている。


 ステータス的に考えて、明らか三国志か戦国時代なので乱世に役立つスキルを厳選する。


 魔族や魔王、勇者やドラゴンは居ないと思うが、戦争は有るだろう。


【鑑定】の下位互換である【スキル鑑定】と、【速読】、【記憶術】を取得し、スキル欄を眺めた。


 ありとあらゆる森羅万象を見極める【鑑定】を取るとなれば25000Pも必要となり、最大でも1000Pしか無い現状、無理であったが、今、俺が最低限望むものはスキルの効果や内容、取得条件や裏話を知りたいだけ。


 下位互換で充分であった。


【速読】で自分でも有り得ないスピードでスキル欄を読破し、【記憶術】で全て完全に覚え切った。


 これ、スキル選択系転生・転移パターンの王道必勝法だよね。


 昔、ラノベで読んだのが生かされたな。


 あのラノベはクソ鬼畜仕様だったけど。


 で、最大の悩み事である、【剣技】と【剣術】が有るけど、両者の違いは何?と、云う謎現象についての疑問が解決された。

簡単に言えば、【剣術】は、【剣技】の上位互換らしいり

 

 やはり、俺の思った通り、攻撃系スキルには、スキル進化がある。本当に謎なのだが、このスキル欄を読む限り、攻撃系スキルだけなんだよな。


【馬術】は有るけど【馬技】が無い。


 その癖、【槍技】の隣に、【槍術】だけじゃなく、【投槍術】や【炎槍術】や【氷槍術】なんて云う指定された魔法を取得している事を条件で生きスキルとなる特化進化したスキルもある。


 まぁ、俺が転生・転移する世界は、魔素や魔力、MPやマナといった概念は存在せず、魔法なんて無いと信じているので無駄な派生スキルは不要だ。


 魔法があったとしても魔法縛りプレイって云う名目で楽しむから良いよ。


 で、結局取ったスキルは、


【呪術】50P


【速読】30P


【記憶術】50P


【剣技】50P


【剣術】100P


【抜刀術】100P


【短剣術】100P


【馬術】50P


【陰陽術】100P


【危険察知】100P


【氣】50P


【魅了】30P


【礼儀作法】100P


【薬草知識】15P


【笙歌知識】15P(笙は和楽器の一つ)


【漢詩知識】15P


【和歌知識】15P


【舞踊知識】15P


【茶器知識】15P


 で、計1000Pジャスト。


【スキル鑑定】はもう不要なので、【スキル還元】スキルを取得し、両方とものスキルをスキルポイントに戻した。


 ステータスも振った。


 ステータスに振れるポイントは、スキルポイントとは別に存在し、なんと200もあった。


 上限値は100だったので物凄く有難い。


 まぁ、極振りですね。


 統率力1


 武力100


 智力98


 政治力1


 武力に振るのは自分の身を守る為。


【剣技】と、それの派生スキルは武力依存なので当たり前だな。


 後、【馬術】も武力依存だ。


 智力に振る第一の理由として、奇襲を受けにくくなる事が挙げられる。


 後、知識系スキルと、【記憶術】の威力というかスキルに蓄積されている情報量が、智力によって変化するからだ。


【呪術】・【氣】・【陰陽道】の威力も智力依存だ。


 因みに、【氣】スキルは、魔素や魔力、MPやマナ等とは異なる体内に宿る力を扱い、体内で循環させたりして氣が尽きるまで、一時的に身体能力を上昇させたりするものだ。


【呪術】スキルは、魔力や氣も使わない。威力は智力依存で、原動力は恨み・怨み・妬み・嫉みだ。学問の神様、菅原道真の怨霊が凄まじかったのも納得である。


【陰陽術】スキルは、【氣】と【呪術】スキルの取得が条件で生きスキルとなるものだ。未来予測や高度な呪殺以外にも、解呪や式神召喚が出来る。


 うん。【弁舌】や【交渉】スキルが欲しかった。


 でも、いいや。光る板の右下に設置されている"祈る"の所を押して終了だ。


 刹那、俺の身体が光に包まれる。


「嗚呼、儂ゃぁ、昇天するゾぃ」


 謎の爺さんキャラを演じた直後、もう教室に俺だけしか残っていない事に気付いた。


 これからの人生を決める大切な時間のに、なんでポンポンステ振り、スキル決定出来る訳?


 クラスメイトの死亡確定案件。


まぁ、所詮、ほぼ無関係な赤の他人だしどうでも良いけど。


 「よし!ではでは、信長かなぁ〜」


 と叫ぶと意識が飛んだ。


Realは高3なので忙しいです。更新不定期になります。ご了承下さい。


笙について



足利義満の笙習得の過程や奏楽の場に着目しながら、将軍家と笙の関係の重要性を指摘したのが坂本麻実子()である。義満が兄弟子の後円融天皇に先んじて伝授を完了(皆伝)したこと、後小松天皇への御伝授時に義満が後見として着座したことなどを挙げ、笙の相承において自らを天皇家の上位に位置づけようとした義満の意図を指摘する。天皇家の権威に介入する手段として、笙と楽を用いた義満像が明らかにされるのである。また、そのような介入を可能にした背景には、北朝天皇家の流れが持明院統嫡流の崇光天皇から庶流の後光厳天皇へと転じた、南北朝初期の時代性が挙げられる。これに伴って、王権を象徴する楽器も持明院統が代々継承してきた「琵琶」から「笙」へと移り、結果、後光厳流天皇家と足利将軍家が共に笙を相承することになったのである()。これは、足利将軍家によって擁立された後光厳天皇の立場を象徴する事象ともいえるだろう。義満は積極的に公家の奏楽の場で笙を奏し、また、奏楽の機会を公家や寺社に設けたのである。笙を通じて文化的支配を目指した義満の意図が示されている。義満が笙に注目するように至った背景に、祖父尊氏による笙の重用がある点を指摘するのも坂本である。尊氏の「笙始」が時代の転機となった建武元年(一三三四)と伝わることに注目し、(しょう)は勝に通じる楽器として武家に相応しい点、やはり武家に相応しい笙の秘曲「陵王荒序」(以下、「荒序」)の存在を挙げる。そもそも「陵王」の曲自体が戦に勝利をよび、天下泰平をもたらすという由緒を持った一曲である。特に「荒序」の部分は舞・笛・笙において秘曲とされ、モンゴル襲来時の石清水八幡宮の祈祷でも「荒序」が奉納された。このような点から坂本は、尊氏は武人としての威を高めるために笙を演奏したとする。尊氏が笙を学んだ理由について、「源氏嫡流工作」の側面もあったと指摘するのは豊永聡美()である。笙の相承系譜には清和源氏の祖先源義家・義光兄弟が載り、そうした祖先の例に倣って笙を学ぶことで、尊氏は源氏嫡流の継承者であることを示そうとしたというものである。先学の指摘から、将軍家と笙について以下のように捉えることが出来る。尊氏は、清和源氏の祖先である源義家・義光の先例をふまえ、武家に相応しい器物と認識される笙を奏した。尊氏の例に倣った三代将軍足利義満は奏楽の場を政治的にとらえ、やはり天皇家が笙を器物としていた点を利用して自らの権威付けに用いた。つまり、足利将軍家を興した尊氏が武運向上・武家の精神的支えとして用いた笙を、権力の安定・拡大期に入った将軍義満が将軍家の器物として確立させ、以降の歴代将軍はそれを継承したというわけである


(将軍が笙を学ぶということ ―南北朝・室町時代の足利将軍家と笙の権威化―

(東京大学史料編纂所研究紀要 第20号)

抜粋)



これ以外にも、笙は、人を殺す事を生業とした武家にとって大切なんですよね。


その理由として、笙を奏ることによって、怨霊を打ち消す効果があるらしいんですよね。(歴史秘話ヒストリアより)


以上により、私は笙を選びました〜


http://sugitaluwareki.blog.jp/lite/archives/13920371/comments/23580/


http://rekimato.blog.jp/archives/27645978.html

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