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オオカミと月 台本  作者: A10
6/7

第六話

01シロ「ハナ兄さんが泣いて帰ってきたのには驚いたね」

02マキ「そうだな。俺らと会ってから1度もそういうの見せたことなかったし」

03ハナ「やめてよもう…恥ずかしいんだからさ…。そんなこと言ったらマキちゃんだってそうでしょ!ちゃっかり煙草も控えめになっちゃって!」

04マキ「だからそれは金がねーからだって」

05ハナ「ケーサツのお方が在宅勤務とほぼニートよりお金持ってない訳ないもんねー!」

06シロ「ハナ兄さん、それ自分で言って悲しくないの」

07ハナ「もーシロちゃんはお黙り!」

08タケ「(少し笑う→独り言)……仲良くなったもんだな…。俺が連絡取るまでは顔も知らなかった母親の違う兄弟が…。……母親…」


09父「尊、お前の母さんはな、とても強い人だったんだぞ」

10タケ「(独り言)なんだ、今の…誰の声だっけ…」

11シロ「そういやマキ兄さんがピースを吸ってる理由、あの人よりも強い煙草を吸うことで優越感に浸ってたって」

12マキ「ああ?!おま…それ恭にしか言ってねぇのになんで…」

13シロ「ツキから聞いた」

14ハナ「さっすがシロ!ツキちゃんの連絡聞いてちゃっかりマキちゃんの弱み握ってるう!」

15マキ「ふざけんなよ!つかなんで恭もツキにその話してんだよ!ぜってーぶっ飛ばす…!」

16シロ「そういうマキ兄さんもミコトさんの本名、いつの間に聞いて名前で呼ぶような仲になってるの?」

17マキ「ぐっ…別に親しみを込めて呼んでんじゃねえよ。呼び方がわかんねーから仕方なくそう呼んでるだけだ!なんつーか、…母親の名前をアカリっつって呼び捨てで呼ぶようなもんだろ!」

18タケ「え?」

19シロ「え?」

20ハナ「え?」

21マキ「……は?」

22タケ「なぁ、マキの母親の名前、アカリっていうのか?濱木アカリ…?」

23マキ「え?ああ…そうだけど…。なんだよ急に」

24タケ「……あ、いや…俺の母親もそうだったから」

25マキ「へえ、アカリってそんなに多くない名前なのに変な偶然もあるもんだな」

26シロ「いや…多分だけど偶然じゃないと思うよ…」

27ハナ「そうだね…正直考えたくもないけど…」

28マキ「…まさかとは思うが…お前らの母親もアカリっつー名前とか言わねえよな」

29シロ「そのまさかだよ。こっちは土岐アカリだし」

30ハナ「こっちは花田アカリだった」

31タケ「………(息を呑む)」

32マキ「はあ?なんだそれ」

33ハナ「わざわざアカリって名前の人探して再婚してたってこと?……気持ちわる…」

34シロ「なにか理由でもあるのかな…」

35マキ「そんなもんねえだろ。あいつの考える事だぞ?」

36ハナ「そーだよ、元から狂ってんだから不思議なことでもないんじゃない?」

37タケ「………同じ…アカリ…」


38父「お前のタケルっていう字はな、尊いって書く。お前は俺たちにとって価値のある存在なんだ。だからその命を大切にしないといけない。大丈夫だ、お前にはいつも導いてくれる母さんっていう光があるんだから。」


39タケ「とう…さん…?」


40父「え?俺か?…そうだなあ。まあそのままかもしれないが、お前とお前の母さんを守る勇者、ってのはどうだ?…はは、流石にそれはないか。ははは…」


41父「アカリ…!!!アカリ、アカリなんで…!!どうしてですか先生…!!あんなに…あんなに元気だっただろ…!!なんで急に…!!!先生!!!なんとか言えよおい…!!アカリ…!!目を覚ましてくれアカリ…!!!アカリ…!!!」


42タケ「そ…うだ…、父さんは……あの日から………」

43シロ「タケ兄さん……?」

44タケ「わからなかったんだ………ずっと……。俺は……あの人を恨んでいるのに………それとは別に、何かを探してた……。その何かをその時は分からなかったが……でも諦められずに、……ずっと…」

45ハナ「タケ兄さん何言って…?」

46タケ「………大上オオカミイサオ…、俺たちの父親は…最初から狂ってたわけじゃない……、俺の母親…大上アカリが死んでから…おかしくなったんだよ……」

47シロ「……え?」

48ハナ「なにそれどういうこと…?」

49タケ「もとは…自分の奥さんのことが大好きで…その人の血が半分入った俺のことも当然大切に育ててくれた…優しい人だった……。それが…最愛の人が突然この世を去ったことで…あの人は…ああなってしまったんだよ。」

50マキ「死が…影響を……」

51タケ「俺はずっと…これを忘れてたんだ…。憎い…憎くてたまらないあの人の姿だけを見ていたから…俺は眠れなくなってしまったんだと思ってたけど……でも、本当は、俺の記憶の奥底にちゃんとした親父の姿があって……それがずっと…俺を不安にさせてたんだ…。憎みきれない不安に…駆られていたんだよ…」

52シロ「それが…タケ兄さんの不眠症の原因…?」

53タケ「すまない…お前達の前であの人の話をするつもりはなかったんだ……けど、」

54マキ「いーんじゃねーの?」

55タケ「マキ…」

56マキ「俺たちの記憶では確かにアイツは最悪の人間だけどよ、兄さんにはそうじゃないアイツも残ってんだろ。それならそれでいいんじゃね。」

57ハナ「まあ、そうだね。」

58タケ「ハナ…」

59ハナ「むしろアイツも人間だったんだなーって感じ?よかったじゃん、アイツも兄さんが思い出してくれて嬉しがってんじゃないの?知らないけどー」

60シロ「………」

61タケ「シロ……」

62シロ「(微笑む)…羨ましいよ。僕は恐ろしい顔しか見たことがないんだから。でも、僕の目はもしかしたら、あの人に似てたりするのかも。……今は、悪い気はしないよ。」

63タケ「そうか……そうか………、(涙声)ありがとう…っ……!!」

64ハナ「感謝とかいらないよ、だって、ね?」

65マキ「…そうだな。」

66シロ「うん……僕たちの父親でも…あるんだから。」

67タケ「(涙声)…ありがとう……っ!!」


68ハナ「なんかこうやってちゃんと4人で話したの初めてじゃない?」

69タケ「…ああ、お前達3人が話してるのをみて仲良くなったなと思ったよ」

70マキ「別に仲良くなんかねーだろ」

71ハナ「そうそう、仲良しじゃなくて、超仲良しになったんだよねーマキちゃん???」

72マキ「お前なぁ……」

73シロ「マキ兄さんもあんまり怒ったりしなくなったしね。それにハナ兄さんも仕事、探してるんでしょ?」

74ハナ「っなんでシロちゃんそれ知って…!」

75タケ「そうなのかハナ。…そっか、そうか…」

76ハナ「あーもうやめてよ!そんな嬉しそうな顔すんなっての!!まだ見つかってないし…!暫くはあんたらのスネガリガリ齧ってやるんだから!」

77マキ「はっ、好きにしろ。」

78ハナ「んもうううう、シロも言うようになったよね!ちょっとずつ笑ったりもしてるし、……やっぱりあの子の影響?」

79シロ「ん…そうだね。兄さん達もそうなんでしょ?」

80マキ「……変なガキだよな、ほんと」

81ハナ「……ね。調子狂っちゃう」

82タケ「でも…俺は今のお前達の方が好きだよ。…だから俺もこうやって不安を取り除けた。あの子のおかげだな。」

83シロ「あんな純粋な子、初めて見たかも。悩み事とかなさそう」

84マキ「……あー、それでいくとあいつ自身に悩みはないけどな、」

85タケ「何か知ってるのかマキ」

86マキ「畠恭、…ミコトに聞いた話だ。アイツの親はもう両方とも他界してんだと。」

87ハナ「え、そうなの?海外で仕事とか言ってなかった?」

88マキ「恭が父親との約束を守って嘘を付き続けているらしい。自分が男だってこともな」

89シロ「今はまだ知らないんだね…。いつ伝えるんだろう…」

90タケ「それは俺たちが関与していいところじゃない。……ただあの歳で大切な人を失くす悲しみは俺にもわかるからな…正直避けたいという恭くんの気持ちにも頷ける。」


インターホン

91タケ「はーい」

92ハナ「でもずっと黙っておくのも酷じゃない…どうすんだろうね…?」

93マキ「さあな」

ドアが開く

94タケ「えー…、当人がお越しになったぞ」

95ミコト「失礼致します…」

96ハナ「噂をすればだね…毎度凄いタイミング」

97シロ「どうしたんですか…?なんだか疲れてますね…?」

98ミコト「……皆さんに頼みがあって来た。……ツキを、ツキを助けてやってくれ…」


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