第五話
クラブ
01ハナ「♪……(鼻歌)」
02男1「ね、ハナちゃん今日暇?遊ぼうよ、3は出すから」
03ハナ「んー、倍出してくれたらのってあげてもいいよ?」
04男1「うっわマジで?いつもは先約あって遊べないからなー!全然余裕で出す出す!ついでにハナちゃんにも出しちゃうからねー!なーんつって!!ぎゃはは!!」
05ハナ「あははは!なにそれー!ほんと……(低音小声で)最低」
家 玄関開ける
06ハナ「っち、マジでありえねーあのタコ!!自分だけ好きなようにやりやがって…これだから初心者は……あれ」
07マキ「おかえり」
08ハナ「マキちゃんじゃん、仕事はー?平日だよね今日って」
09マキ「前シフト代わったんだよ。だから今日休みにしてもらった」
10ハナ「へー、ラッキーじゃん!」
11マキ「別にラッキーじゃねーよ、前休日だった日に代わりで入ってんだから」
12ハナ「まあまあー!ね、お昼食べた??なんか作ってよー!お願いー!!」
13マキ「はあ?なんで俺が」
14ハナ「いいじゃーん!お願い!ねー??」
15マキ「っち、チャーハンで我慢しろよ」
16ハナ「やったねー!ありがとうマキちゃん♡愛してるー!」
17マキ「気持ち悪ぃ」
18ハナ「ねーマキちゃん。」
19マキ「なんだよ、味に文句でもあんのか」
20ハナ「んーん味はばっちり!超おいしいよ!」
21マキ「じゃあなんだよ」
22ハナ「最近煙草の量減ったんじゃない?どういう心境の変化なの?」
23マキ「別になんも変わっちゃいねぇよ。懐が寒ぃだけだって」
24ハナ「またまたあ、そんなこと言っちゃってー。自分が大切にでもなったの?」
25マキ「・・・ふ、どうだかな」
26ハナ「げ、マジ?マキちゃんは俺と一緒だと思ってたのになー」
27マキ「俺とお前を一緒にすんな」
28ハナ「はいはーいわかってますよー。シャワーでも浴びてまた出かけよっかな」
29マキ「出かけるって、・・・・あんま無茶すんなよ、お前。好きでやってるわけじゃねえんだろ」
30ハナ「あれ、心配してくれるなんて珍しーね!マキちゃんの言葉借りるとすれば・・・(低い声)ほっとけ」
ハナ退室
31マキ「・・・・(溜息)」
外
32ハナ「さてと、今日はいくら稼げるかなー。できればちゃんとルール分かってるやつが有難いんだけど・・・まあなかなかいないか。お金持ってたらそれで我慢するしかないかなあ」
33男2「ねえ君」
34ハナ「(小声)引っかかった・・・・。なーに、お兄さん?」
35男2「君ってもしかしてそういう子だったりするの?」
36ハナ「んー、そうだって言ったら?」
37男2「じゃあ俺の相手、してくれないかな?」
38ハナ「俺、上等品だから安くないけど?」
39男2「はは参ったな。安心して、対価はきちんと払うよ」
40ハナ「ふうん?・・・・(小声で)確かに金は持ってそうだな・・・。いいよ、お兄さんと遊んであげる」
41男2「嬉しいな、ありがとう。それじゃ・・・(少し怪しく)行こうか」
雨
42ハナ「・・・・あ‶-・・・・マジついてねえな・・・。・・・まさかあんなクソ野郎だったとは・・・」
車が止まる音
43ツキ「やっぱりそうだ・・!ハナちゃんさん!!」
44ハナ「あちゃあここで出会っちゃうかあ・・・まっずいな・・・」
45ツキ「ハナちゃんさん!・・・え、どうしたんですか?!なんなんですかそのアザ・・・?!顔に・・待って腕にも・・・もしかして体中に?!」
46ハナ「あーいいからほんと、俺に触っちゃだめだよツキちゃんは」
47ツキ「どうしてですか!!こんなひどいこと・・・一体誰が・・・!早く手当しないと・・!」
48ミコト「ツキお嬢様一体どうされましたか。こんな雨の中急に車を止めてほしいだなんて・・・・・あなたは大上家の。」
49ハナ「こりゃまたどーも。おふたりさんこそなんでこんなとこに?この辺りは夜うろつくと良いことないよー?って俺が言うのも変だけど」
50ミコト「車で帰っていた途中ですよ。ご丁寧に注意を頂かなくとも存じ上げています。あなたこそこんなところで、しかもそんな姿で何をなさってるんです。・・・まるで」
51ハナ「言わなくて良いって!えーとなんていうのかな、まあ気にしないで!君たちは早く帰りなよ?俺もちょっと休憩してただけで丁度今から帰ろうかと・・・・(小声で)っち・・身体が上手く動かねえ・・」
52ツキ「ミコト」
53ミコト「・・・(溜息)、仕方ありませんね」
ミコトがハナを抱える
54ハナ「っちょ、マジで良いってやめっ」
55ミコト「(小声、低く)少しは黙ってろ、(少し棒読みっぽく)わあ女の私に抱えられるなんて軽すぎますよ、ちゃんとご飯食べてるんですか?」
56ツキ「ミコトは力持ちだから余計に持ち上げられたのね!さ、早く戻りましょ!」
57ハナ「・・・・俺、流石に女の子では持ち上げられないけど」
58ミコト「(声低く)だろうな、俺でも少し重い」
59ハナ「あっそ・・・・」
ツキの家
60ハナ「いっでえ!!!」
61ミコト「うるさいですよ、少しは静かにしてください」
62ハナ「無茶なこと言うなよ!!てか静かにしてほしいならもっと優しく塗れっての!」
63ミコト「手当して貰っておいて優しくしろだなんて我儘じゃありませんか?」
64ハナ「はあ?!」
65ツキ「こらミコト!また喧嘩するつもり?!次こそは本当に怒るからね!」
66ミコト「・・・すみません」
67ハナ「ぷっ、怒られてやんの!・・・いででで!!!」
68ミコト「・・・・・・(苛立って消毒液を押し付ける)」
69ツキ「それでハナちゃんさん。なんでそんなアザとか傷とかいっぱいつけてるんですか?」
70ハナ「・・と、猫だよ猫。野良猫に引っかかれたの!にゃーおって!」
71ツキ「じゃあそのアザは」
72ハナ「え?あーえっと・・・・あ、こけたのよ盛大に!そりゃあもうすってーんつって!いやあドジっちゃったなー!!あはははは・・・はは・・・は」
73ツキ「むうううううう!」
74ミコト「こうなったお嬢様は頑固なので、正直に話された方が早く家に帰れると思いますよ。」
75ハナ「尋問か脅迫かよ・・・。(溜息)、あのさ。ミコトちゃんはわかると思うけど、知らない方が良いってこともあるってマキちゃんも言ってたでしょ。これを君たちに言ってなんになるわけ。こっちにもそっちにもメリットないっしょ?手当してくれたのは有難いし、お礼もまた今度持ってくるよ。マキちゃんに渡してくれたお菓子も美味しかったし・・・ああ、あれに合う紅茶とかどう?凄く美味しいとこ知って・・・」
76ツキ「ハナちゃんさん!誤魔化さないでください・・・私はもう・・大人です。」
77ハナ「・・・・・・・。・・・ああそうかよ。じゃあ言ってやるから後悔すんじゃねえぞ?俺は身体売ってんだ、それで生きてる。この意味わかるか、なあ。大人だもんなぁ、わかるよなあ?」
78ツキ「・・・・・っ(泣きそうなのを我慢している)」
79ハナ「あーほらそうやってすぐ泣くんだよな子供は。それで済んじまうんだからずりぃよなあ。マジで羨ましいわ。俺も子供に戻りてえもんな」
80ミコト「(声低く)お前、それぐらいに・・」
81ツキ「ミコト・・!(涙声で)」
82ミコト「しかし・・・」
83ハナ「へえ、強がってるとこ可愛いじゃん。でもざあんねんでした!俺はねえ、君みたいなガキンチョには興味ないの!だから君も俺には近づかないでくれる?・・・目障りなんだよ」
立ち去ろうとするハナ
84ツキ「待ってください!」
ハナに抱きつくツキ
85ハナ「なっ、離れろ!!!!」
86ツキ「嫌です!!!」
87ハナ「離れろって・・・・っ!!!!」
88ツキ「絶対に離しません・・・・!!!」
89ハナ「離れろ・・・っ離れろよ・・・!!!!」
90ツキ「うううういや・・だ・・っ」
91ハナ「離れ・・・・離れてくれよ・・頼むから・・・・っ」
92ツキ「・・・・・・っ(ぎゅうっとしがみつく)」
93ハナ「・・・・お前が・・・お前みたいなやつが・・・触ったらダメなんだよ・・・・俺みたいな・・・・汚い・・・・・っ」
94ツキ「ハナ・・・さん・・・?」
95ハナ「・・・・俺の、親父は・・・俺の母さんに娘を生むようにと言ってたらしい。・・・それは・・・自分の処理用だと・・・っ・・・。でも生まれたのは俺だった・・・それで・・・」
96ミコト「・・・吐き気のする話だな」
97ハナ「そうだよな、・・・俺もそう思うよ・・・。でも俺の生き方はそこで決まっちまった・・・。・綺麗な生き方は出来ない、もう死んだも同然なんだよ・・・・だからこの道を進んだんだ。・・・お前みたいな純粋でまっしろなやつが触ったらダメだ・・・ダメなんだよ・・・・だから」
98ツキ「・・・離れません」
99ハナ「・・・なんで!!!」
100ツキ「ハナさんは・・・・汚くなんてない。」
101ハナ「・・・は」
102ツキ「それに死んでもいない。・・・私が今聞いてる心臓の音はハナさんのものだし、この温かいのもハナさんの体温でしょう?」
103ハナ「や・・・」
104ツキ「私は・・・確かにわかりません。まだまだ子供だったのかも・・。でも、・・でも!ハナさんが大切にされてこなかったのなら私が大切にします・・!もちろん私だけじゃなくて、タケさんもマキさんもシロさんだって!きっとハナさんを大切に思ってるはずです!ハナさんが自分のことが嫌いなら、みんなでハナさんを愛します!!沢山ぎゅうってします!!!!」
105ハナ「(涙声)なん・・・だよ、それ・・・」
106ツキ「だから・・・だから離れません・・・!!絶対に・・絶対に私はハナさんから離れませんから・・!!」
107ハナ「(涙声)なんなんだよ・・・・それ・・・・・・・ふざけ・・(泣く)・っ・・う・・・・」
108ミコト「・・・・・落ち着いたら、一緒に家に送りましょう。」
109ツキ「・・・うん」




