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オオカミと月 台本  作者: A10
2/7

第二話

インターホンが鳴る


01ハナ「はぁーい…(眠そうに)」

ドアを開ける

02ミコト「おはようございます。」

03ハナ「おはよーございまーす、って誰?」

04ミコト「昨日、ツキお嬢様がお世話になりましたので、改めてお礼をとお迎えに参りました。皆様を屋敷に招待するようにとツキお嬢様より仰せつかっております。」

05ハナ「ああ、昨日の女の子の…えーとそれで君は?」

06ミコト「私はツキお嬢様の使用人と言ったところです。」

07ハナ「ああミコトちゃんか、話は聞いてるよー?それ僕達4人とも呼ばれてるの?」

08ミコト「はい、今から私が車でお連れします。」

09ハナ「ふうん、わかった。3人にも伝えるね。中入って待ってなよ。」

10ミコト「いえ、私はここで。」

11ハナ「あ、そう?別に取って食ったりしないのになあ。まあいいか、じゃあすぐに準備するね。」


車の中

12マキ「へー、結構いい車乗ってんだな、これお前の?」

13ミコト「私の、という訳ではありませんがツキお嬢様のお迎えや外出用のものです。」

14タケ「ということは他にも何台かあるのか。とんでもない子を拾っちまったな、シロ」

15シロ「………」

16ミコト「失礼なことを言うようですが」

17タケ「はい?」

18ミコト「通常ならばツキお嬢様とあなた方は易々と会話ができるような関係ではありません。今回もツキお嬢様のお言葉があってこちらに参りましたが、一般の者が屋敷に入るなど許されるようなことではない。それは理解して頂きたい。」

19マキ「じゃあしっかり首輪なり鎖なりつけておくんだな。てめぇの監視が行き届いてねえせいで俺らみてぇな一般を招き入れることになってんだからよ。」

20ハナ「もーマキちゃんってば、そんな言い方しなくてもいいのにー」

21マキ「本当のことだろうが」

22タケ「心配はしなくとも俺たちから君たちに関わるような事はしない。俺たちも他人に構っていられるほどの余裕はないんだ。ただあの子の厚意を無下にすることは心苦しい。そんなわけで今日ばかりは目を瞑ってもらえないか。」

23ミコト「勿論です。」


屋敷 車が止まって全員外に出る

24ツキ「皆さんいらっしゃーい!!」(嬉しそうに駆け寄る)

25ミコト「ツキお嬢様、あれだけ屋敷の中でお待ちくださいと・・」

26ツキ「だって待ちきれなかったんだもーん!お客さんなんてほんとうに久しぶりだし・・。あ、家に入ったら温かい紅茶を入れますね!シロさんもはやくはやく!」

27シロ「あ、うん・・・」

28タケ「仲良くしていないと思っていたのはお前だけかもな、シロ」

29シロ「勘弁してよ、そんなつもりじゃなかったのに」

30マキ「おいお前、この屋敷煙草は」

31ミコト「全館禁煙です。」

32マキ「・・・茶ぁ飲んだらさっさと帰るぞ、いいな」

33ハナ「お茶は飲んであげるんだ、やっさしー」

34マキ「お前は今すぐ歩いて帰れ」

35ハナ「やだよー!どんな紅茶だろ?高級品かなー」

36マキ「ちっ(舌打ち)」


部屋の中

37ツキ「私はツキ、15歳です!昨日は本当にありがとうございました!」

38タケ「俺たちは大したことはしていないよ。それよりもこんな素敵なお屋敷に呼んでもらえてこちらこそ幸栄だよ、ありがとうツキちゃん」

39ツキ「えへへ、私もこの家は大好きなんです!今日はゆっくりしていってくださいね!私たちがおもてなしします!」

40ハナ「それは嬉しいなあ、じゃあお言葉に甘えちゃおうっかな。」

41ツキ「是非!ねえミコト!お父様が前に買ってきて下さったあの紅茶、どこにしまってあるかな?」

42ミコト「私が入れてきます。」

ミコト退席


43ツキ「・・・ミコトって凄くむすっとしてるでしょう?でもほんとうに優しいんですよ、だから怒ってるとかじゃなくて・・嫌な気持ちにさせていたらごめんなさい。」

44タケ「分かってるよ、大丈夫」

45ツキ「私のお父様とお母様はお仕事で海外にいて、なかなか帰ってこられないんです。だからミコトがずっと私のそばにいてくれてて・・・私にお姉ちゃんがいたらこんな感じなのかなって思ったりもするんです。」

46マキ「・・・・・」

47シロ「・・・・・」

48ツキ「今度は皆さんのことを教えてもらえませんか!実は私、あまり人とお話しする機会がなくて・・だから皆さんと仲良くなりたいなって思ってるんです・・。・・・ダメですか?」

49タケ「それは・・・」

50マキ「別にダメじゃねえけどよ」

51ハナ「マキ」(少し注意をするように)

52マキ「・・俺のことを話すのは構わねえ。でも知らねえほうが良いってこともある。俺に関与してこねえってんなら"お話"にも付き合ってやるが、仲良しこよしは好きじゃねえ。他がどうかは知らねえがな。」

53ツキ「・・・・(頷く)」

54シロ「マキ兄さん」

55マキ「簡単な自己紹介だ、わかったな。俺は濱木ハマキ優太ユウタ、歳は27。警官をしていて好きなものは煙草。以上」

56ハナ「じゃあ次は俺いっちゃおうかなー!花田ハナダ啓介ケイスケでーす!ハナちゃんって呼んでね?歳は永遠の17歳って言いたいとこだけど22歳だよー。お仕事はナイショ♡ 好きなものは可愛いものでーす!よろしくねー!」

57ツキ「マキさんとハナちゃんさんですね!よろしくお願いします!」

58タケ「大上オオカミタケル、30歳で商社に勤めてるよ。この中では一番年上かな。」

59ツキ「商社・・・・」

60タケ「簡単に言えばいろんなところとモノを取引してる人だよ。好きなものは・・・なんだろう。探しておくよ。」

61ツキ「はい!待ってます!シロさんは土岐志郎さんでしたよね」

62シロ「よく覚えてるね。」

63ツキ「勿論です!一番お世話になったので」

64シロ「そう・・・」

65マキ「シロ、自己紹介」

66シロ「自己・・・紹介・・・」

67ツキ「シロさん・・?」

68タケ「シロの歳は確か18だった気がするな。仕事はプログラマーだったか?家でやってんだよな」

69シロ「うん。」

70ツキ「ぷろぐらまーってパソコンをカタカターターンってするやつですよね!すごい・・!」

71シロ「別にすごくないけど・・」

72タケ「シロは頭がいいからなあ。多分俺たちの中で一番じゃないか?」

73シロ「タケ兄さん!そんなことないから」

74ツキ「皆さん仲がいいんですね・・!」

75ハナ「それはどうかなあ?俺はマキちゃんに嫌われてるからなあー?俺はだあいすきなのにー!」

76マキ「うるせえ。さあお話は終わりだ。帰るぞ」

77ハナ「ええー紅茶まだなのにー?せめて紅茶飲んでからにしようよ!」

78マキ「煙草吸いてぇんだよ、禁煙とか死んだ方がマシだ」

79ミコト「煙草吸う方って口が寂しいからだそうじゃないですか。案外可愛いんですねマキさん。」

80マキ「お前・・・・・(イラついて)」

81ミコト「やだなぁ冗談ですよ冗談。お待たせ致しました、洋菓子もご用意しましたのでどうぞご自由に召し上がって下さい。」

82マキ「気に食わねえな?こっちは煙草も我慢して相当イラついてんだ、あんまり笑えねぇ冗談言うんじゃねえぞ」

83タケ「おいマキやめろ、子供の前だぞ」

84ミコト「頭ばかり沸騰させていては紅茶が覚めますよ?甘いものでも食べて落ち着いたらいかがですか?」

85マキ「ああ?お前も人のこと言えねえだろうが、こっちが気を回してやってるってのによ?何なら"お話"してやってもいいんだぜ?」

86ミコト「・・・・・なんだと?」

87ハナ「ちょっとマキ!いい加減に」

88ツキ「もうやめて!」

89ミコト「ツキお嬢様・・・」

90ツキ「ミコト、この方たちは私のお客様ですよ。」

91ミコト「・・・、申し訳ございません。」

92ツキ「皆さんごめんなさい。無礼を・・・」

93マキ「帰るぞ」

94タケ「お、おい!マキ!!」

マキとタケが部屋をでる

95ハナ「もお、ほんっとごめんね!アイツすごく短気だからさあ。紅茶ありがとね!いくよシロ!」

96シロ「うん。・・・それじゃ」

97ツキ「あ・・・・・」


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