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オオカミと月 台本  作者: A10
1/7

第一話

雨、木魚、お経の音


01女1「大上さんのとこの息子さん、やっぱり悲しい顔一つしないわね」

02女2「そりゃそうよ、あんな横暴な人、死んで喜ばないわけないもの」

03女1「でも仮にでも自分の父親でしょう?息子さんが生まれて少ししてから奥さんのアカリさん、亡くなったって聞くし…」

04女2「そこが問題なのよ、そのあとあの旦那さん、いろんな女の人と浮気して隠し子が居るんじゃないかって噂よ?」

05女1「ええ?本当に災難ね…まあでももう息子さんも成人なさってるし安心よね。」

06女2「そうねえ…。あ、そうだわ昨日の続きなんだけどね?あそこのお店すごく美味しくて…」フェードアウト

電話の音

07マキ「…はい」

08タケ「死んだよ、やっと」

09マキ「…そうか、準備する。二人にも連絡するんだろ?」

10タケ「そうだな、もう部屋はあるから住所伝えるよ。いいか?」

11マキ「待てよ、書くもの用意する。」

12シロ「2の1の1…だね、うんわかった、すぐそっちに行く」

13ハナ「ありがとー、待っててね、お兄ちゃん♡」


14ミコト「オオカミと月」


15マキ「(煙草をつける音)ふー…」

扉が開く

16ハナ「あー腰痛ぇ、あの親父次会ったらマジで殺す」

17タケ「ハナ、遅かったな。」

18ハナ「まーねえ、ちょっと野暮用で?」

19マキ「興味ねえな」

20ハナ「やーだマキちゃん冷たいんだからあ。そんなこと言ってちょっと心配してくれてたんじゃないのー?」

21マキ「お前なんかを心配するかよ」

22ハナ「まあそうか。マキちゃんが興味あるのは煙草だけだもんね?」

23タケ「確か医者からストップかかってるんじゃなかったか?」

24マキ「俺が死んだところでお前になんもねえだろ」

25タケ「そんなことはない、一応兄弟なんだぞ」

26マキ「一応、な。あのクソ野郎の血だけで繋がってるってのが癪だわ」

27ハナ「ほっときなってタケ、マキは好きで続けてんだからさ。ところでシロはどこ行ったの?トイレ?」

28シロ「ずっとここにいるけど」

29ハナ「うわ、びっくりした!急に出てくんなよーなんでそんなとこ隠れてんの!」

30シロ「別に隠れてたつもりはないんだけど。タケ兄さん、この書類ここにまとめといていい?」

31タケ「ああ、ありがとう。これでなんとか全部おわるよ」

32マキ「(煙吐き出す)アイツは死んでも迷惑なヤローだな。」

33ハナ「もーマキちゃん怒りっぽいなあ。ニコチン足んないんじゃあなあい?」

34マキ「うるせえな、ほっとけ」

35シロ「兄さん、僕、甘いものたべたいな。」

36タケ「じゃあ買いに行くか皆で。久しぶりに4人揃ってるしな」

37マキ「パス」

38ハナ「んー俺も。さっきお風呂入り損ねちゃって、身体気持ち悪いしさー」

39シロ「そっか」

40タケ「いいよシロ、俺たちで行こう。ふたりとも、欲しいものがあれば買ってくるが」

41マキ「缶買ってきて」

42シロ「ピースだっけマキ兄さんが吸ってるの」

43マキ「そ、金は後から返すわ」

44ハナ「俺はいっかなー、確か切れてたけど好みとか自分で選びたいし」

45タケ「そうか。じゃあ行こうかシロ」

46シロ「うんわかった」


47タケ「寒くなってきたな、大丈夫か?まさか缶ピースが売ってる煙草屋が駅前にしかないとは思わなかったよ」

48シロ「大丈夫、煙草屋さん開いててよかったね。プリンも買えたし早く帰ろう。」

49タケ「そうだな。」

少し間があく


50タケ「なあシロ」

51シロ「なにタケ兄さん。」

52タケ「お前、・・・あの人のことどう思ってる」

53シロ「どうしてそれを僕に聞くの?きっと僕は兄さんの望んでる答えを言えないよ。」

54タケ「だからこそ聞きたいんだよ。・・俺もあの二人も、染まりすぎてるからな。・・・・・いや、悪い忘れてくれ、なんでもない。」

55シロ「そう。ならいいんだけど。タケ兄さんは考えることをやめるタイミングも必要だと思う。不眠症、治らないよ?」

56タケ「ああ…そうだな…」

57シロ「不眠症の治し方は僕にもよく分からないからね……あれ、あの子どうしたんだろ。ほらあそこ、改札口の前に女の子が座ってる。」

58タケ「・・本当だな。」

59シロ「どうする?兄さん」

60タケ「・・・・・はぁ(溜息)」


近づく

61タケ「おい君」

62ツキ「え?」

63タケ「あまりこういうことは言いたくないが、君みたいな若い女の子がこんな夜遅くに外にいたら危ないぞ。はやくうちに帰りなさい」

64ツキ「あ・・・えっと・・・」

65シロ「迷子になっちゃったとか?家出とかではなさそうだよね、荷物も持ってないし」

66ツキ「あの!私、一緒に住んでる女の人とはぐれちゃって・・・、携帯も充電が切れちゃったから電話も掛けられなくて・・・足も・・・」

67シロ「ひどい靴擦れ、これじゃもう歩けなさそうだね」

68ツキ「初めてお会いした方にこんなことを言うのは本当に申し訳ないんですけど・・、充電器とか持ってませんか?貸して頂きたいんです・・・」

69タケ「悪いが俺は持っていない。」

70シロ「僕も。」

71ツキ「そう・・ですよね・・」

少し間があく


72シロ「ねえ兄さん、家のコンセント貸してあげよう」

73ツキ「えっ?!」

74タケ「しかしなあ・・うちは男四人だぞ?女の子一人をいれるのはどうかと思うが」

75シロ「充電出来たらその人呼べるんでしょ?」

76ツキ「はっ、はい!」

77シロ「充電だけなら問題ないよ、それに僕が見てる。だから平気だよ」

78タケ「・・・・・・はぁ(溜息)声をかけておいて、そのままここに放っておくことも出来ないしな・・わかったよ、お前がそこまで言うなら。」

79ツキ「・・・・!(驚きながらも笑顔になる)」

80シロ「ありがとう兄さん。そんなわけだから君も帰ろう。家はすぐそこだから・・って歩けないんだったね。はい、」

81ツキ「え・・」

82シロ「僕がおぶってあげる。膝が汚れちゃうから早く乗って?」


83ハナ「まさかプリンと煙草を買いに出て女の子拾っちゃうとはねー」

袋から缶を出して開けるマキ

84マキ「最悪だな。(煙草を咥えながら)さっさと捨てて来いよ、(火をつけて煙を吐く)ふー・・俺は野良が大っ嫌ぇなんだ。」

85ハナ「野良みたいな死んだ目して何言ってんのさマキちゃーん」

86マキ「殺すぞ」

87タケ「まあそういうなよ、シロの部屋で充電が終わればすぐに出ていくって言ってるんだ。それにこれはシロが言い出したんだぞ。」

88ハナ「ふうん、あのシロがねえ。」


シロの部屋

89ツキ「あの、ありがとうございます・・・えっと」

90シロ「土岐志郎トキシロウだよ。皆からはシロって呼ばれてるからそれでいいけど」

91ツキ「シロさん、・・・あれ、でも表式は・・」

92シロ「うん、大上オオカミって書いてあったでしょ。あれはタケ兄さんの苗字なんだ。タケ兄さんと、僕たちの父親の苗字。僕たち皆、母親が違うんだよ」

93ツキ「じゃあタケさん以外の方は皆さん苗字が違うんですね」

94シロ「うん、だけどあんまりそこは気にしてないかな。タケ兄さんもマキ兄さんもハナ兄さんも、皆僕の兄さんってことには変わりないし」

95ツキ「・・・・・・・」

96シロ「どうかした?」

97ツキ「あ、いえ・・シロさんって不思議な人だなあって」

98シロ「え?なんで?」

99ツキ「んんー・・なんででしょう。初対面のはずなのに何故か話しやすくて、でもそれがなんだか不思議なんです。」

100シロ「そっか。じっと見てくるから僕の顔に何かついてるのかと思ったよ」

101ツキ「ちっ違いますよ!・・確かに綺麗な顔立ちだからちょっと見ちゃうけど・・」

102シロ「僕が?・・・ふうん?・・・・君も結構変わってるんだね。」

103ツキ「そうなんですかね・・・?あ、充電できたみたいです・・!電話してもいいですか?」

104シロ「うんいいよ」

電話する音

105ツキ「あ、ミコト・・!」(ちょっと声を明るく)

106ミコト「ツキお嬢さま!!!!一体あなたはどこにいるんですか!!!!」(大声)

107ツキ「ご、ごめんなさい!!携帯の充電が切れちゃって優しい人達に助けてもらったんだ、それで家に・・」

108ミコト「は?!今誰かの家にいるんですか?!?!あなたって人は・・!そうやってすぐに人を信じ込んでもし乱暴でもされたらどうするんです?!世の中にいる人が皆いい人とは限らないんですよ?!誘拐とかだったらって・・・ちょっと聞いてます?ツキお嬢さま?!」

109シロ「結構色々言われてるね、僕が君を誘拐、か。」

110ツキ「(小声で)違います、シロさんはそんな人じゃ・・・!(ミコトに呼ばれて)えええっと・・!あ、(シロに携帯をとられる)」

111シロ「もしもし電話代わりました、大上と申します。今から住所言うんですぐ来てもらえますか?僕も早く寝たいんで」

112ミコト「・・・わかりました。」

電話を切る

113ツキ「ごめんなさいシロさん・・」

114シロ「別に普通のことだと思うから問題ないよ。誰でも家族がいなくなったら・・・、・・・・・」

115ツキ「あ、そうじゃなくって・・・眠たいのに付き合ってもらって・・」

116シロ「ああ、それも別に本心じゃないし。誘拐犯はあんな風には言わないでしょ、だから。」

117ツキ「・・シロさんって優しいんですね」

118シロ「そんなことないよ。一階に降りよう。ミコトさんがくるまでは一緒に待っててあげる」


119ミコト「本当にありがとうございました。このお礼はいつか。」

120タケ「別にいいですよ、コンセント貸しただけですし。こんなむさ苦しい男の家で逆に申し訳なかったくらいで」

121ツキ「そんなことないですよ!本当にありがとうございました!」

122シロ「さよなら」

123ツキ「シロさんありがとうございました!・・・また!」

124ミコト「それでは失礼します。」

去っていく


125タケ「随分と仲良くなったんだな?シロ」

126シロ「別に、仲良くなんてならないよ。知ってるでしょ。」

127タケ「そうか、そうだったな。」

128シロ「僕寝るね、お休み、タケ兄さん」

129タケ「ああ、おやすみ」



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