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081 道具5(人間が作った魔道具・11章9話から)

 ここでは主に11章9話以降に登場した、人間が作った魔道具(一部は通常の道具も含む)について紹介します。

 18章6話までお読みになってからご覧になることをお奨めします。



◎ 紹介する項目


 1. ミュレ達が開発した魔道具

 2. ドワーフ達が開発した魔道具

 3. ベーリンゲン帝国の魔道具

 4. その他の魔道具



 ◆ ◆ ◆ ◆



1. ミュレ達が開発した魔道具


 フライユ伯爵領に行った後、魔術師のマルタン・ミュレやルシール・フリオン、魔道具技師のピッカール・ハレールなどが開発した魔道具。

 これまで開発したものについては以下に記載している。


「049 道具3(フライユ伯爵領で開発した魔道具・帝国の魔道具)」 → 11章8話まで



・魔力無線

 別名、無線の魔道具、無線の魔道装置、通信の魔道装置などとも。

 魔力波動を電波の代わりに用いた通信の道具。『アマノ式伝達法』での通信を前提としており、信号の長短で文章を表現する。

 後に『放送の魔道装置』が作成されるが、こちらはマイクやスピーカーに相当する装置を含んだ音声伝達用の魔道具。


 魔力無線は、10章2話でシノブが概念を発案し、13章27話で原理的な完成が触れられる。

 14章4話で実用化するが、この頃はかなり大型のものでも送信距離は200km程度だった。16章7話で高出力化が触れられる。この頃だと大規模な装置なら500km先にも信号を送れるようになった。

 比較的小型なものなら馬車への搭載も可能だが、まだ随分と大きく更に高額であり、現状では移動式は軍などしか持っていない模様。



・魔力蓄積装置

 14章4話で登場。

 以前から存在する蓄積装置に比べて大容量かつ蓄積後の損失が少ない。

 通信の大出力を得るために開発。その他、魔力で熱を得る蒸気機関など各種の大型魔道装置に使われる。



・隠蔽の魔道鎧

 15章36話で登場。

 幻影の魔道具で竜人に変装したとき、装着者自身の魔力波動を竜人のものに見せかける。また、他の魔道具を持っていても、それらの波動も隠す。

 命名時に揉め、エルフのファリオスが『隠蔽ダー』、魔道具技師のハレール老人が『イ零壱式魔道鎧』、ガルゴン王国の王女エディオラが『隠蔽くん』を推すが、結局マルタン・ミュレが口にした名が採用される。



・放送の魔道装置

 17章22話で登場。別名、放送の魔道具などとも。

 アマノ王国の建国式典で、各都市に式典の様子を中継した。

 マイクに相当する集音の魔道具(集音の魔道装置)、スピーカーに相当する拡声の魔道具(拡声の魔道装置)などを含む。

 受信側は受信の魔道具(受信の魔道装置)と呼ぶことがある。


 通信自体は魔力無線と共通する部分が多いが変調などの機構があり、その分だけ装置が大型化している模様。今のところ馬車などへの搭載は難しい。



・ヘリウム創造の魔道具

 17章31話で開発に着手したことが触れられる。

 飛行船に用いる。創水の魔道具と原理は同じらしい。



・木人くん

 18章6話で登場。

 ヤマト王国で発見した木人をガルゴン王国の王女エディオラとエルフのメリーナが解析し、小型化に成功したもの。

 何種類かあり、大きなものでも人間の乳児くらい、小さなものは頭から足までで20cmくらい。

 憑依の適性を持っている者でなければ操縦できないが、小さくしたため操作可能時間は大幅に伸びた。普通の魔術師の魔力量でも、一番小さいものなら一日中動かせるらしい。



 ◆ ◆ ◆ ◆



2. ドワーフ達が開発した魔道具


 フライユ伯爵領に行った後、北の高地(後のアマテール地方)でドワーフ達が造り上げたもの。

 一部は魔術師のマルタン・ミュレが率いるメリエンヌ学園の研究所との共同開発。



・磐船

 11章24話で登場。当初は鉄甲船と呼んでいたが、11章30話で磐船の名を得る。

 竜が運ぶための巨大な乗り物。内部が木製、外は鉄板を貼っている。大型弩砲(バリスタ)なども装備している。

 全長40m、幅9m程度。前方には衝角もあるが本編で体当たりした描写は無い。左右には、多数の大型弩砲(バリスタ)が設置されている。

 平底で地面にも降ろすことが可能。海上での運用も出来る。櫂や舵は存在するが、基本的に竜が牽いて動かす。

 内部は何層かに分かれ、甲板の上に司令室を兼ねた上等な船室があるのが標準的なもの。

 また、外装に鉄板が無く、武器も存在しない純粋な輸送用もある。こちらは船室などはかなり違うと思われる。

 磐船の名は天磐船(あめのいわふね)から。個々の磐船は所有者である竜の名を付ける。岩竜ガンドなら「ガンド号」となる。



・アマノ号

 16章33話で登場。

 双胴船型の巨大な磐船。左右の船体は、通常の磐船とほぼ同じ。二頭の竜で運ぶ。

 全長40m、幅29m程度。左右の船体の間に魔法の家を上部に展開できる構造物がある。

 舷側の大型弩砲(バリスタ)に加え、左右の船体の甲板の上に旋回可能な三連装の大型弩砲(バリスタ)が六基ずつ、合わせて十二基設置されている。



・磐船(輸送艦)

 16章33話で登場。

 空輸専用の磐船。舷側の大型弩砲(バリスタ)は数個のみ、甲板も武装なし。

 上陸用に後部が大きく開く。後部にハッチを造ったため馬などもそのまま運び込むことが可能だが、その代わり海に浮かべることは出来ない。



・シノブ号

 17章30話で登場。研究所との共同開発。

 親達が磐船を運ぶ姿に憧れたオルムル達、子供の竜や光翔虎のおねだりで完成。

 ヘリウムの風船が生み出す浮力で重量を軽減し、子供達でも大人同様の速度で運搬できるようにした。

 全長は通常の磐船の半分で20mほど、その上に巨大なヘリウム入りの風船を備える。数頭の子供の竜や光翔虎で船体を吊り上げ運ぶ。



・蒸気機関

 10章7話で原理が伝えられ、11章24話で実用化が触れられる。

 湯沸かしの魔道具で水蒸気を作り、その力を動力に変換する。最初は鉄板の加工や機織りに用いた。

 その後、蒸気船や蒸気自動車など多種多様な応用がされていく。

 ただし、高出力を得るには魔力が多い地に設置するか、研究所が開発した魔力蓄積装置と組み合わせる必要がある。



・蒸気船

 15章19話で登場。研究所との共同開発。

 アルマン王国との海戦に用いられる。研究所が開発した魔力蓄積装置を用いた蒸気機関を搭載。

 稼動には多くの魔力が必要。海戦では戦闘機動ということもあり、一隻あたり数十名のエルフが乗り込んだ。竜や光翔虎、あるいはシノブやアミィ達であれば単独でも動かせる。

 基本構造は磐船と同じ。そのため全長40m、幅9m程度。ただし上陸はしないため平底ではない。

 舷側の大型弩砲(バリスタ)に加え、甲板の上に旋回可能な三連装の大型弩砲(バリスタ)が六基設置されている。



・蒸気自動車

 17章23話で登場。研究所との共同開発。

 アマノ王国の建国式典で披露された。試作型の一人乗りから、パレードに用いた小型バス程度の大きさまで、様々なものが存在する。

 パレードに用いたものは、大人の男なら十五人は乗れる。ただし、速度は人の歩行の倍くらい。この大きさだとかなりの魔力が必要で、パレードの際はシノブやアミィ達が補充を担当した。

 17章32話でベルレアン伯爵家に贈ったものは四人乗り程度。軽自動車に相当するくらいの大きさ。速度は同様だが、魔力の多いベルレアン伯爵家の者なら一度の補充で数kmは動かせる。



・ミシン

 11章24話でシノブが触れ、その後ドワーフ達が開発する。合わせて紡績機も作った模様。

 13章27話では、魔力を使わない足踏み式のミシンや水力を用いて動かす紡績機の存在が示された。



 ◆ ◆ ◆ ◆



3. ベーリンゲン帝国の魔道具


 ベーリンゲン帝国が使用している魔道具。帝国の背後にいた異神が知識を授けていた。

 これまで登場したものについては以下に記載している。


「049 道具3(フライユ伯爵領で開発した魔道具・帝国の魔道具)」 → 11章8話まで



・隷属の首飾り

 存在が示されたのは14章26話、実際にシノブ達が目にしたのは14章27話。

 名称が明らかになったのは14章30話。

 従来の『隷属の首輪』に比べ、ある程度は装着された者の意思が残るから自然な行動になる。

 帝国の残党からアルマン王国の軍務卿ジェリール・マクドロンの手に渡る。ガルゴン王国のビトリティス公爵サラベリノや彼の派閥、アルマン王国の中枢にいた者を多数支配した。

 外見は装飾品の首飾りとして通用するが、魔道具の機構を含む分だけ太く、女性向けとしては少々難があるらしい。



・竜人化の秘薬

 12章15話で存在が明らかになる。ベーリンゲン帝国の皇帝ヴラディズフ二十五世が作った。

 竜人に変化する薬で、後に治癒の杖(13章21話で登場)を授かるまで変化した者を元に戻すことは出来なかった。

 帝国の崩壊後、帝国の残党がアルマン王国でも使い、更にガルゴン王国のビトリティス公爵サラベリノにも渡した。



・魔力隠蔽の魔道具(隠蔽の魔道具)

 存在が暗示されたのは14章16話。その後、人間用から建物全体など大規模なものまであることが判明。

 帝国の崩壊後、帝国の残党がアルマン王国で用いる。そのため、竜人や拉致されたドワーフの捜索などが困難を極めた。



・転移の魔道装置

 15章10話で旧帝都にあったものを発見。その後15章31話でアルマン王国側を発見。

 帝国の残党が本格的にアルマン王国に渡ったのは、先行部隊が設置した転移装置を通してだったらしい。



 ◆ ◆ ◆ ◆



4. その他の魔道具



・燭台の魔道具

 10章1話で登場。

 フライユ伯爵家にあった精緻な金細工が施された燭台。真上に一本、そして横に六本ある枝の先は、炎を象った見事な水晶が付いている。

 細工は見事で高級品だが、道具としては一般的なもの。故障していたため外部の魔力に反応して点灯した。そこからシノブが魔力無線を思いつく。



・炉の魔道具

 14章29話で登場。

 ドワーフ達が鍛治に使うもの。魔力で熱を出す。シノブがドワーフの清めの儀式で見たものは、長い板状のものだったが、用途に合わせて色々あると思われる。



・発火の魔道具(火矢の魔道具)

 8章2話で触れられる。過去にベーリンゲン帝国で誕生したものだが、長い戦争の間にメリエンヌ王国にも流出。この時点では、両国のみが使う戦闘用の魔道具だった。

 14章6話でアルマン王国への流出が明らかになる。そのため、対アルマン王国の戦いに加わった諸国にも情報を開示する。

 矢が対象に当たった衝撃で魔道具が起動し発火する。発火自体に必要な魔力は少なく、自然に吸収できる魔力だけで充分に動作する。着弾したときに作動するため、飛翔中に火が消える心配は不要。そのため確実性が極めて高い。



・調温調湿の魔道具

 17章25話で登場。

 エルフがアマノ王国の建国祝いとしてシノブ達に送った家具に組み込まれているもの。ワインセラーのように内部の温度と湿度を最適な状態に保てる。

 程度の差はあると思われるが、他種族や他国家でも作成されていると思われる。



・大蛇を操る鈴

 16章20話で登場。

 ヤマト王国の筑紫(つくし)の島の反逆者の一人、宜使(よろし)が使ったもの。ヨロシは特殊な鈴を振って魔苦異大蛇(まくいおろち)、あるいは無魔(むま)大蛇(おおへび)と呼ばれる、体長が数十mにもなる大蛇を操った。

 魔苦異大蛇(まくいおろち)の育成方法や操る術は、ヤマト王国の西の大陸から得たらしい。



・符術の紙人形

 17章17話で登場。

 ヤマト王国の都での陰謀の黒幕、中部(なかべ)多知麻呂(たちまろ)が使ったもの。手の平くらいの紙人形を乗り移った魂で動かす。

 術自体は、彼の家に代々伝わるもので、本来は自身の魂を乗り移らせて偵察などを行う。しかし、このときは動物霊を使役して国王である大和(やまと)威利彦(いりひこ)などを狙った。

 また、17章18話で登場した三面六臂の石像豪利(ごうり)は、同じように動物霊を基にした式神で動かすもの。



・木人

 17章33話で登場。

 ヤマト王国の都での陰謀の黒幕、中部(なかべ)多知麻呂(たちまろ)が造ったもの。

 自身の魂を乗り移らせて操る形式の木像。

 タチマロが廃鉱に隠していたのは人間の三倍くらいの大きさで『木人二十八号』と命名されていた。


 以下も同時に掲載しました。

 「079 大幅な改稿の履歴」

 「080 道具4(神々・眷属によるもの・11章3話から)」


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