080 道具4(神々・眷属によるもの・11章3話から)
ここでは11章3話以降に登場した、神々や眷属が造った神具や魔道具について紹介します。
18章6話までお読みになってからご覧になることをお奨めします。
◎ 紹介する項目
1. 聖人ミステル・ラマールが残した秘宝
2. アムテリアから授けられた道具
3. アミィが開発した魔道具
4. その他の魔道具
◆ ◆ ◆ ◆
1. 聖人ミステル・ラマールが残した秘宝
メリエンヌ王国の聖人ミステル・ラマールが残した四つの秘宝。同国の第二代国王アルフォンス一世が使用したが、以降は使える者が存在せず、王家と三公爵家が密かに保管していた。
9章19話で得た光の大剣(アシャール公爵家が保管)は以下に記載している。
「048 道具2(シノブ達が追加で授かったもの)」
以下では、11章3話以降に得たものを記す。
・光の首飾り
11章19話で登場。
聖人ミステル・ラマールが作ったとされる。実際にはアムテリアが作ったらしい。
外見は沢山の宝玉がつけられた首飾り。戦闘時には、そこから光の弾が出て装着者を守ったり敵を攻撃したりする。多数の弾が出るが、その数は使用者の魔力に依存するらしい。
光弾は自動的に動くが、使用者が攻撃対象や動きを明示することも出来る。
オベール公爵家が保管していたが、ベーリンゲン帝国に潜む異神に対抗すべくシノブの手に渡される。
・光の盾
11章23話で登場。
聖人ミステル・ラマールが作ったとされる。実際にはアムテリアが作ったらしい。
外見は左腕につける籠手で、鏡のように表面が輝く。円形状の防護障壁(光鏡)を発する。基本的には反射するが、使用者の意思で吸収もできる。多数の光鏡が出るが、その数は使用者の魔力に依存するらしい。
光の首飾りの光弾と同じで自動的に動くが、これも同様に使用者が動きを明示することも出来る。
シュラール公爵家が保管していたが、ベーリンゲン帝国に潜む異神に対抗すべくシノブの手に渡される。
・光の額冠
16章24話で登場。
聖人ミステル・ラマールが作ったとされる。実際にはアムテリアが作ったらしい。
外見は幾本もの細い白銀を編んだ額冠で、神秘の光を放つ。空間を操作するもので、相手の転移を封じたり異空間を作り出したり出来る。
王家が保管していたが、アルマン王国に現れた異神に対抗すべくシノブの手に渡される。
◆ ◆ ◆ ◆
2. アムテリアから授けられた道具
シノブがアムテリアから授けられた魔道具。性能が一般のものとは比較にならないほど良い。神具として認識されているものも多い。
これまで授けられたものについては以下に記載している。
「015 道具」 → 最初期に授かったもの
「048 道具2(シノブ達が追加で授かったもの)」 → 11章2話までの追加や変化
以下では、11章3話以降に追加されたものや、変化のあったものを記す。
・水着
12章3話で登場。
リゾート用。海竜の島に行ったとき、シノブ達が着用した。一種の魔道具であり、魔法のインナーのように体温調節の効果を持っている。
・ゴーグル
12章4話で登場。
対閃光防御用。海竜の島に行ったとき、炎竜イジェの超高温のブレスから目を保護するために使った。
・魔法の学校
12章20話で登場。
名前に魔法と付くが、魔法を教えるための学校ではない。命名は魔道具として展開可能な校舎や付属施設から。
展開には一辺200mもの場所が必要。
魔法の家と同じように、魔道具の灯りや水道、エアコンなどがある。また、魔法の家と同様に常識では考えられないほど堅牢。鉄球をぶつけても窓ガラスすら割れない。
フライユ伯爵領の北の高地(アマテール地方)に設置される。アマテール村(後のアマテールの町)より北に20km程度。リソルピレン山脈の麓で岩竜ガンドの狩場の中でもある。ただし、ガンドが周囲に結界を作ったから魔獣は侵入しない。
設置後に通称がメリエンヌ学園となる。メリエンヌ学園は、後に正式名称として採用される。
校舎(本館)は両翼合わせておよそ200m、五階建ての建物は『メリエンヌ古典様式』に則って左右対称に広がっている。
外装は宮殿のような壮麗さはないが、白い壁面には品の良い浮き彫りが存在する。
本館の教室は一階ごとに二十室、一室で四十人が学べる。
校舎の他は宿泊棟、教員棟などを想定した別館。別館の一つは恒久的な設置後に研究所として使われる。
宿泊棟には風呂、食堂もある。厨房は魔法の家と同様に魔力コンロや魔力冷蔵庫が設置されている。
研究棟も五階建て。こちらは階ごとに各分野が使っている。上から魔道具班、魔術班、医療班、農業班で、一階はその他の分野と事務室。
全体の詳細は13章1話で描写。また研究所に関しては、16章16話で描写。
・治癒の杖
13章18話で授かったことが判明。初登場は13章21話で、カンビーニ王国のセントロ大森林で光翔虎のバージ、パーフ、フェイニーから竜の血の影響を取り去ったとき。
治癒の魔道具。竜人化のような状態異常も治すことが可能。通常の治癒の道具としても使える。
大量の魔力を必要とする。シノブかアミィ達眷属くらいしか使えない。
16章29話で、更に強化される。
・小竜の腕輪
13章18話で、岩竜の子オルムルと同じものを炎竜の子シュメイに授かったことが判明。
以降、飛翔可能な他の竜や光翔虎の子にも授かる。更に14章22話で成体の竜や光翔虎のものも授かる。
・神弓
13章18話で、ミレーユの神弓と同じようなものを幾つか追加で授かったことが判明。
・神界の魔法結晶
14章30話で登場。
ガルゴン王国訪問中にヴォーリ連合国のセランネ村に一旦寄ったときに授かる。
従来より遥かに効率の良い魔道具を作るためのもので、単独で使用されたことはない。
・炎の細剣 (聖人用)
14章33話で登場。
ガルゴン王国の聖人ブルハーノ・ゾロが使っていた秘宝。作中で明示はされていないがアムテリアの手になる品。炎での攻撃や防御ができる。
神々の御紋と同じ意匠が刻まれ、同じように異神の影響を解除することが出来る。
16章29話で、更に強化される。
・魔風の小剣
16章29話で登場。
魔法の小剣の強化版。16章29話で強化される。
風の術を付与した。神々の御紋と同じ紋章が刻まれ、外観自体も変化している。
・魔封の杖
16章29話で登場。
魔法の杖の強化版。16章29話で強化される。
防護の術を付与した。神々の御紋と同じ紋章が刻まれ、外観自体も変化している。
・神々の御紋
外見は厚めの白いスマートフォンのような感じ。
10章18話にて授かったが、後に新たな機能が判明する。
11章10話で異神の影響を解除することが出来ると判明。
11章18話で御紋からの光に乗せた魔術が強化されると判明。
15章38話でアムテリア達神々と話すことが出来ると判明。
・魔力眼鏡
17章8話で登場。
光翔虎のシャンジーとフェイジーが決闘するときに授かる。
外見は、緑色の半透明なガラスのようなものと片方だけの耳当てらしきものが繋がった形状。
魔力を感じ取り、数値として大小を表す神具。また、姿を消しても魔力により大まかな映像として投影される。
現在までに判明している測定値は、フェイジー(光翔虎・約三百歳)が五十三万、シャンジー(同・約百歳)が三十七万、バージ(同・六百数十歳)は六十五万。シノブは計測不能。
・魔法の馬車
18章5話で登場。
アマノ王国の建国後に授かる。シノブがバーレンベルク伯爵領の鉱山サドホルンをお忍びで視察するときに使う。
走行中でも振動が感じられない車体を持つ。魔法の家と同様にカードにして収納も出来る。
車体は幻影で偽装できる(本来の外装は内部と同じく王家の馬車に相応しい豪奢なもの)。
空間を拡張した隠し部屋がある。後方の壁は車内と車外の仕切りだが、実際には隠し扉を開けると更に馬車数台くらいの空間が存在する。そこには簡単なキッチンと居室、更に二つの寝室がある。
居室の一角に掛かっているアムテリアと六柱の従属神を描いた絵画から、転移が可能。
◆ ◆ ◆ ◆
3. アミィが開発した魔道具
アミィが眷属としての知識を活かして作成した魔道具。彼女の幻影魔術に由来するものが多く、通常の魔道具技師には作成不可能と思われる。
これまで開発したものについては以下に記載している。
「049 道具3(フライユ伯爵領で開発した魔道具・帝国の魔道具)」 → 11章8話まで
・解放の腕輪
14章32話で登場。
新たな隷属の魔道具『隷属の首飾り』などに対抗できるように改良。『隷属の首飾り』の存在はガルゴン王国で知った。
・透明化の魔道具(足環)
14章17話で、試作版としてホリィのみに渡される。形状は通信筒の三倍以上の大きさの筒。
14章32話で、魔力の隠蔽能力が更に向上したものを開発。こちらは足環サイズまで小型化され、マリィやミリィの分も追加された。
・幻影の魔道具
以前作成した狼の獣人に姿を変えるものや、人族に姿を変えるものの応用。
15章36話で竜人に見せかけるもの、馬の外見を変えるものが登場。
18章2話で猫の獣人に見せかけるものが登場。
18章5話で虎の獣人に見せかけるものが登場。
◆ ◆ ◆ ◆
4. その他の魔道具
・大地の戦斧
16章34話で登場。
ヴォーリ連合国のドワーフが受け継ぐ秘宝。使用者が命じると伸びる巨大な漆黒の戦斧。アルマン王国での決戦でイヴァールが用いた。
一定の加護や魔力などの条件を満たせば使用できる。ただし、メリエンヌ王家が継いできた光の神具のような圧倒的な威力はない。
・カンビーニ王家に伝わる変装の魔道具
13章11話で登場したカンビーニ王国の王太子シルヴェリオ達が使用。このときは人族に姿を変えていたが、他の種族に変装できるかは不明。
カンビーニ王国の聖人ストレガーノ・ボルペが、およそ550年前の建国時に同国の初代国王レオン一世に与えた模様。
・風の銀槍
16章34話で登場。
カンビーニ王家が受け継ぐ秘宝。穂先から生じた烈風で攻撃できる白銀の大槍。アルマン王国での決戦で王太子シルヴェリオが用いた。
カンビーニ王国の聖人ストレガーノ・ボルペが、およそ550年前の建国時に同国の初代国王レオン一世に与えた模様。
一定の加護や魔力などの条件を満たせば使用できる。ただし、メリエンヌ王家が継いできた光の神具のような圧倒的な威力はない。
・炎の細剣 (ガルゴン王国の国王・王太子・二公爵家)
14章27話で登場。
ガルゴン王国の聖人ブルハーノ・ゾロが、およそ550年前の建国時に初代国王、王太子、二公爵に与えた秘宝。王家のものは王家の紋章、公爵家のものはそれぞれの家の紋章が刻まれている。
炎での攻撃や防御ができる細剣。アルマン王国での決戦で王太子用を王太子カルロスが用いた。
後にアミィの手に渡った聖人専用の炎の細剣は、聖人もしくは同等の存在しか手に出来ない。それに対し、こちらは一定の加護や魔力などの条件を満たせば使用できる。ただし、メリエンヌ王家が継いできた光の神具のような圧倒的な威力はない。
・覇海の杖
16章26話で登場。
アルマン王家が受け継ぐ秘宝。水を自在に操ることが出来る。蛇のようにしたり、水弾を飛ばしたり、巨人のようにしたりと多彩な応用が出来る。
メリエンヌ王家が継いできた光の神具ほどではないが、かなりの加護や魔力が必要。そのため、建国王の後は使える者もなく封印されていた。
アルマン王国の軍務卿ジェリール・マクドロンの手に渡り、彼がアルマン王国での決戦で用いる。
・覇海の宝冠
16章26話で登場。
アルマン王家が受け継ぐ秘宝。装着者を信ずる者達から微量な魔力を得る。装着者は集めた魔力を自分のものとして使うことが出来る。何千人、何万人もの信奉者がいれば、聖人に匹敵する魔術を使うことも可能となる。
メリエンヌ王家が継いできた光の神具ほどではないが、かなりの加護や魔力が必要。そのため、建国王の後は使える者もなく封印されていた。
アルマン王国の軍務卿ジェリール・マクドロンの手に渡り、彼がアルマン王国での決戦で用いる。
以下も同時に掲載しました。
「079 大幅な改稿の履歴」




