004 地名2(メリエンヌ王国)
ここではメリエンヌ王国について紹介します。
作中では名前だけしか触れられていない地名や領名も多いですが、3章から4章頭の間にシノブが学んだ知識にはこれらを含んでいるので、あわせて紹介します。
◎ 王国全体(地名1での説明とほぼ同じ)
シノブが転移した森を含む王国。人族が7割、獣人族が3割弱、ドワーフがごく僅か住んでいる。昔はエルフもいたらしいが現在はいない。
獣人は狼の獣人が多く、熊の獣人や狐の獣人もいる。
種族間の差別や対立はほとんど無いが上級貴族はほぼ人族。
建国した王とその主要な部下であった伯爵全員が人族であり、その後も互いに婚姻関係を結んだため、伯爵以上やその分家である子爵クラスには人族が多い。
男爵以下は、人口比と同じぐらいに獣人族がいる。
フランス程度の面積。農業が盛ん。中央は比較的開けていて、町も多いが地方は未開拓な場所も多い。
人口は300万人程度。
◎ ベルレアン伯爵領
メリエンヌ王国北部、ベルレアン地方とほぼ同一。シノブが転移した森(ピエの森)を含む。
王領の約2/3くらいの面積。王領は12万平方kmなので、8万平方kmくらい。海はない。
領都セリュジエールがほぼ中央(実際は少し北)。
伯爵領の中では1番大きい。伯爵領の平均は約5万平方km。
伯爵領の平均人口は約24万人。ベルレアン伯爵領は30万人弱。国境の山や大森林があるため、面積に比べると少なめ。
◎ 領都セリュジエール
領地のほぼ中央(実際は少し北)に位置する都市。ベルレアン伯爵およびその家族が住む。
人口5万人。
東西南北に大きな城門が存在する。城壁の高さは10m。厚さは6mほど。
中央の領主家臣の住む中央区(それほど広くない)、その他一般区(北区・南区・東区・西区)として区分けされている。
領都守護隊は各一般区とそこの城門に配置された守護隊と、領主の館を中心に中央区を守る本部隊に分かれる。門の守護隊は城壁外の近郊の守備も兼ねる。治安維持もするので警察も兼ねている。
セリュジエールの大通りは30mほどの幅で、東西南北の城門から中央に向かって伸びている。
中央で大通りは交差している。中央は直径60mくらいの大きな広場。大広場の中央には石造りの立派な時計塔がある。
大広場の北西側が領主の館、北東側に大神殿。南西には官庁や大家臣の住むいくつかの大きな家。南東には軍の駐屯所。
◎ 都市セヴラン
ビューレル子爵が代官を務める都市。領都セリュジエールの西側130kmくらい。
人口2万人。
◎ 都市ルプティ
ブロイーヌ子爵が代官を務める都市。領都セリュジエールの東側130kmくらい。
人口2万人。
◎ 都市アデラール
王領との境に近い都市。領都セリュジエールの南側。正確に言えば南南西100kmくらい。
王領などとの交易が盛んで栄えている。代官は一族ではなく家臣の出。子爵はいない。
人口3万人。
アデラールの近くには大きな橋がある。
◎ ヴァルゲン砦
領地の北方で国境に接する砦。隣国ヴォーリ連合国とは関係良好で危険度は少ない。
隣国への防御より、国境の緩衝地帯となっている山脈に住む魔獣退治が主な任務。
標高1000m近いところにある。
国境の峠はそこから上って標高2000m近くにもなる。
峠は11月中旬から4月中旬まで閉鎖される。無理しても11月末から4月頭は厳しい。
領都セリュジエールまで100kmくらい。
この世界の軍馬は身体強化能力があり、長距離40km/hくらいは余裕。
領都からだと、休憩や集落通過で速度を落としても、4時間もあれば替え馬なしで到達可能。
荷馬車なら2日はかかる。並足6km/hで8時間、一日約50km。
◎ リソルピレン山脈
ヴォーリ連合国との境界となる山脈。
リソルピレン山脈には鉄その他の有用な鉱物を大量に含んだ岩石・土が多い。
鉄その他の鉱石が取れるが、強い魔獣も多い。
ドワーフ達が魔獣討伐をしながら採掘をしている。
メリエンヌ王国側でも採掘はドワーフが大勢加わっている。
◎ ピエの森
リソルピレン山脈から南に広がる大きな森。シノブが転移した森。
ヴァルゲン砦と領都セリュジエールを結ぶ街道の西側に広がる。
山脈の麓から領都セリュジエールの中間くらいまで南に延びている。
シノブが転移したのは、比較的南側で、東に20分くらい行くと湖がある。
南側から森の西側を迂回するように北に街道が延びている。
◎ ミリュー地方
メリエンヌ王国南西部および中央近く。ベルレアン伯爵領の南隣。大部分が王領。
◎ 王領
メリエンヌ王国南西部および中央近く。ベルレアン伯爵領の南隣。王都メリエが存在する。
南西部でガルゴン王国と接しており、山脈を越えて陸路で交易している。北西部と南東部に港があり、海上交易も盛ん。
王都には15万人、王領全体で75万人が住む。
◎ 王都メリエ
王都。綺麗な城と尖塔から、水晶宮と呼ばれる。
アデラールから南西270kmくらい。
◎ フライユ伯爵領
メリエンヌ王国北東部、ベルレアン伯爵領の東隣。内陸の領地。
東側がベーリンゲン帝国との国境となるので国境地帯は警備が厳重。
伯爵領で2番目に面積が大きい。帝国との戦いが大変。
山がちで耕地が少ない。
◎ ポワズール伯爵領
メリエンヌ王国北西部、ベルレアン伯爵領の西隣。
海があるので漁業が盛ん。西方海上のアルマン王国との交易もある。
軍艦は王家が独占しており、港のいくつかは軍港として王家の直轄地となっている。
現国王の側妃はポワズール伯の妹。そのため王家とのパイプもそこそこ太い。
◎ マリアン伯爵領
メリエンヌ王国南部、王領の東南の隣。
伯爵領で3番目に面積が大きい。海がある。南隣のカンビーニ王国と陸路・海路双方の交易で儲けている。
現国王の正妃はマリアン伯の妹。次期国王である王子はマリアン伯の甥になる。そのため王家とのパイプも太い。
◎ エリュアール伯爵領
メリエンヌ王国東南部、マリアン伯爵領の東隣。海がある。
伯爵領で4番目に面積が大きい。東隣のデルフィナ共和国とはほとんど交流がないので実入りが少ない。
農業・漁業を頑張っている。
まだ20代後半の若い伯爵が治める。ポワズール伯にはエリュアール伯の姉が嫁いでいる。母は先代ポワズール伯の妹。
領地はほぼ反対方向だが、そのためポワズール伯とは仲が良い。
先代国王の側妃は先代伯爵の姉。そしてカトリーヌの母。つまりカトリーヌと従兄弟である。
◎ ボーモン伯爵領
王領の東隣。ベルレアン伯爵領と南側で接している。内陸の領地。
伯爵領で面積が小さいほう。他国とは接していない。
ボーモン伯の第一夫人オレリアはベルレアン伯の妹。
ボーモン伯の第二夫人はラコスト伯の妹。ラコスト伯の妻はボーモン伯の妹。
近隣の伯爵家と血縁で関係強化しているのかもしれない。
◎ ラコスト伯爵領
ボーモン伯爵領の東隣。内陸の領地。
伯爵領で一番面積が小さい。他国とは接していない。
先代伯爵の姉は先代国王の妻で、現国王の母。つまり国王とは従兄弟に当たる。
・貴族家の婚姻について
伯爵以外に公爵・侯爵も存在し、そちらとの婚姻もあるが現時点で家名が出ていないため説明から除外する。