025 軍隊
ここではベルレアン伯爵領軍を中心にメリエンヌ王国の軍隊について紹介します。
◎ ベルレアン伯爵領軍 概要
総勢およそ6500名。ちなみに、メリエンヌ王国全体の人口が約300万人、ベルレアン伯爵領の人口が30万人。
おおよそ、下記に分かれる。
司令部
領都守護隊
都市守護隊
巡回守護隊
砦守護隊
町の駐留兵
関所警備隊
◎ 司令部
領都セリュジエールに置かれる。
最高司令官であるベルレアン伯爵の他、数名の司令官と彼らの副官、領軍参謀長ならびにその配下の参謀などで構成される。
現在(第7章の中~後半)、次席司令官は先代伯爵アンリ、第三席司令官が継嗣のシャルロット、第四席司令官がシノブである。次席、三席などは子爵家を含む伯爵家一族で占められることがほとんどである。
◎ 領都守護隊
領都セリュジエールの防衛が主任務。ただし、領都には最高司令官である伯爵の館もあり、領軍全体の司令部もある。そのため、上層部は領軍全体の指揮も一部兼務する。
総人員1000名。
領都守護隊は200人ずつ4つの門それぞれに配置された守護隊と、領主の館を中心に守る100人の本部隊に分かれる。門の守護隊は門内の該当区と城壁の守備も兼ねる。その他、伝令用に100人。
平時は都市を中央の領主家臣の住む中央区、その他一般区(北区・南区・東区・西区)を分割して治安維持をする。
それぞれの隊は3交代や非番もあるので、実働しているのは1/5程度。シフトは朝勤、昼勤、夜勤、非番1、非番2、といった感じ。基本的に10名1組で1小隊。
事件や非常事態の場合は非番も動員されるので、不定期な勤務になることもある。
◎ 都市守護隊
三大都市、アデラール、セヴラン、ルプティに置かれる。該当の都市の防衛が主任務。
人員は各都市ごとに500名ずつ。
基本的に、領都守護隊の縮小版。
都市守護隊も領都守護隊と同様に100人ごとの4つの門ごとに配置された守護隊と、代官の館を中心に守る50人の本部隊に分かれる。その他、伝令用に50人。
領都と同様に、本部隊が中央区、4つの守護隊が一般区(北区・南区・東区・西区)を担当する。
◎ 巡回守護隊
東西南北の4方面に分け、領内を回りながら守護している。領内の治安維持が主任務。魔獣退治や盗賊の討伐などを行う。一方面あたり400名ずつ。
計400人の連隊を2つの大隊に分け、それぞれに1週間ごとなどで交代勤務している。
日勤・夜勤ではなく、旅をしながら回るため、1つの旅で1大隊がまとまって動く。
休暇中の場合はそれぞれ拠点となる町にいる。
拠点は領都や三大都市、大きめの町などの郊外。それぞれに駐留地がある。
◎ 砦守護隊
国境を守るヴァルゲン砦(北側)は400名、国内の領境を担当するエルノ砦(東側)とワトー砦(西側)は150名が配置される。王領と接する南側には砦はない。伯爵家には王領に向けて砦を築くことは許されていない。
エルノ砦とワトー砦の守護隊は、厳密にはルプティ(東)とセヴラン(西)の都市守護隊の配下。
◎ 町の駐留兵
領内25の町に、50名ずつ配置。町の駐留兵は本部や町の門に数名ずつ置く程度。
門がない町もあるので、その場合は本部や主要な道に数名ずつ配置する。
手が足りないところは自警団に手伝わせる。たまに自警団の指導などもする。自警団の中核は退役兵なので、関係は良い。
村レベルだと自警団のみ。村の自警団は、たまに町の駐留兵の指導を受けに来たりする。
地域ごとに領都守護隊や都市守護隊の配下に入っているので、厳密にはそれぞれの守護隊ともいえる。
◎ 関所警備隊
領内10箇所に配置。一箇所あたり50名ずつ配置。砦以外の各関所を分担する。原則として1つの隊で1つの関所を受け持つ。国境である北方はヴァルゲン砦以外に越境できるルートがないため、東西南の三方にしか関所は存在しない。
地域ごとに都市守護隊の配下に入っているので、厳密にはそれぞれの守護隊ともいえる。
◎ その他、軍に関する情報
領内の軍は、9連隊に分けられる。領都守護隊×1、都市守護隊×3、北砦守護隊×1、巡回守護隊×4、で9連隊。
連隊長は司令官を名乗る。現在(第7章の中~後半)、これに伯爵、先代伯爵、シャルロット、シノブの4人を合わせた13人の司令官が存在する。
司令官の下には、大隊長クラスが約20人、中隊長クラスが約200人。小隊長クラスが約600名。
家臣600人のうち、半数の約300人が軍務に就く。大隊長・中隊長はほぼ全員家臣。一部、外部から預かった貴族の子弟がいる。
小隊長は100名くらい家臣。約600名の小隊長の大半は平民。
平隊員はほぼ100%平民。6000人弱で、およそ20年で除隊する。平均すると15歳で入隊、35歳で除隊。
除隊すると、勤続年数に応じて一時金と一定期間の免税特権が与えられる。
農家の場合、家単位の租税はほとんどこの対象となる。町民は住民税に相当するものだけ。ただし、商業の加入料の免除など開業時のメリットが大きい。
多くの兵隊は、この優遇措置獲得を夢見て勤務している。
平隊員を20年勤めあげて除隊すると、庶民の収入5年ほどに相当する一時金と、5年の免税特権を得る。
免税特権は対象者が家長であれば家単位で有効なので、農家が婿入り相手として欲しがる。
除隊して実家を継いだり婿入りしたりすると、名目上家長とされる。村全体としても戦闘経験者がいるのは心強いし、守護隊などとの対応もしやすいので、喜んで迎える。
多くの除隊者は、こうして農業などをしながら、地元の自警団の若者を指導していく。
小隊長、中隊長となると、一時金や特権も多いが、仕官や大商人に雇われるなどの道があるので、単純に特権だけを目標にする人は少ない。中隊長クラス以上は望めば、ほぼ間違いなく仕官できる。
◎ 勲章制度
1.王国名誉騎士団章
通称『名誉騎士団章』。輝く日輪を表したかのような円盤に、白い百合が入っている。
メリエンヌ王国で最も権威のある栄典。
・王国名誉騎士団総帥章 (大元帥章)
通称『総帥章』、国王のみが持つ。直径7cmくらい。
頸飾(首飾り風のもの)で下げる。
・王国名誉騎士団大将軍章
通称『大将軍章』。王国の軍団を動かす権威があるとされる。直径6cmくらい。
金色。白い百合は小さなダイヤのような宝石の集合で作られている。
白い百合の中央に大きな赤いルビーのような宝石がある。
白い百合を囲むルビーのような赤い宝石がある。
金の飾り緒、赤と金の飾り布(襷のようなもの)が合わせてもらえる。
公爵筆頭であるアシャール公爵は、爵位継承と同時に『大将軍章』を授かった。
・王国名誉騎士団将軍章
通称『将軍章』。各軍の司令官級に相当する権威があるとされる。直径5cmくらい。
金色。白い百合は小さなダイヤのような宝石の集合で作られている。
白い百合を囲むルビーのような赤い宝石がある。
銀の飾り緒、赤と銀の飾り布(襷のようなもの・少し細い)が合わせてもらえる。
普通の侯爵や伯爵は在位二十年ほどで『将軍章』を授かる。
・王国名誉騎士団大騎士章
通称『大騎士章』。各軍の大隊長級に相当する権威があるとされる。直径4cmくらい。
金色。白い百合を囲むルビーのような赤い宝石がある。
赤の飾り緒が合わせてもらえる。
・王国名誉騎士団騎士章 (中騎士章)
通称『騎士章』。各軍の中隊長級に相当する権威があるとされる。直径3cmくらい。
金色。宝石などは無い。
赤の飾り緒が合わせてもらえる。
・王国名誉騎士団準騎士章 (小騎士章)
通称『準騎士章』。各軍の小隊長級に相当する権威があるとされる。直径3cmくらい。
銀色。宝石などは無い。
赤の飾り緒が合わせてもらえる。
2.王国戦功章
通称『戦功章』。輝く月を表したかのような円盤に、白い百合が入っている。
王国名誉騎士団章を既に持っている場合などに与えられる。
・王国大戦功章
大将軍章に相当する格。
・王国中戦功章
将軍章に相当する格。
・王国小戦功章
大騎士章に相当する格。
・王国双戦功章
騎士章に相当する格。
・王国単戦功章
準騎士章に相当する格。
3.授与の例(ガルック平原の戦いでの王国名誉騎士団章)
・大将軍章
シノブ
・将軍章
コルネーユ、シャルロット、アミィ
・大騎士章
前線:
ダニエル・マレシャル、ロベール・エドガール、イヴァール、アルノー・ラヴラン、ジェレミー・ラシュレー、エミール・ド・スーリエ、エルヴェ・ド・ベルニエ
王太子護衛:
アリエル、ミレーユ、ジェルヴェ、シメオン
ドワーフ義勇軍:
タネリ、イルッカ、マルッカ、カレヴァ
・騎士章
ランベール・デロール、オーブリー・アジェ、ジュスタン・ジオノ、アロイス・セルファティ、ガスチアン・ゴロン、ゴベール・カンドリエ、ジュスターヴ・ラウルト
・準騎士章
エランジェ・カスタニエ、イヴォン・ゲール、アデージュ・デュフォー、マルタン・ミュレ
※ドワーフ義勇軍は客軍なので査定に上乗せあり。




