013 貨幣制度(メリエンヌ王国)
ここでは主にメリエンヌ王国の貨幣制度について紹介します。
◎ 貨幣(メリエンヌ王国)
単位: メリー
銅貨1枚……1メリー
白銅貨1枚…10メリー
黄銅貨1枚…100メリー
銀貨1枚……1000メリー
金貨1枚……10,000メリー
大金貨1枚…100,000メリー
※貨幣の形状は全て円形。
・銅貨
材質: 銅13gくらい
大きさ: 直径2.5cm、厚さ3mm
・白銅貨
材質: 銅9g、銀が0.9gくらい
大きさ: 直径2.2cm、厚さ3mm
・黄銅貨
材質: 銅15.3g、金が0.245gくらい
大きさ: 直径2.7cm、厚さ3mm
・銀貨
材質: 銀30gくらい
大きさ: 直径3.0cm、厚さ4mm
・金貨
材質: 金8gくらい
大きさ: 直径1.3cm、厚さ3mm
・大金貨
材質: 金80gくらい
大きさ: 直径3.5cm、厚さ4mm
金貨や銀貨は、重さに比べて3倍くらいの価値を国家が認めている。
黄銅貨や白銅貨に微量の金や銀が入っているのは、価値相当の貴金属を混ぜるため。
黄銅貨は銅とあまり色が変わらないので周囲にギザギザがある。他はツルッとしている。
偽造は死刑。
◎ 他国の通貨単位
・ヴォーリ連合国
単位: ヴォー (1メリー=1ヴォー)
・ガルゴン王国
単位: ガル (1メリー=1ガル)
・カンビーニ王国
単位: カンビ (1メリー=1カンビ)
・アルマン王国
単位: アルマ (1メリー=1アルマ)
上記の国家は、メリエンヌ王国の通貨でも普通に取引できる。
※通貨の統一について
メリエンヌ、ヴォーリ、ガルゴン、カンビーニ、アルマンは過去に通貨の形、大きさ、価値を合わせた。
刻印されてる図案が違う。
多くの国では造幣局にドワーフを抱えているが、大きさなどの違いを彼らが面倒に思ったため。
・ベーリンゲン帝国
単位: ベール (1メリー=約3ベール)
貨幣の質が悪い。大きさ、形が全く違う。
険悪な状態なので行き来がほとんど無い。そのため、両替はほぼできない。
・デルフィナ共和国
単位: デルフィ (1メリー=2デルフィ)
大きさ、形・材質が全く違う。大金貨・金貨・銀貨・黄銅貨の代わりに紙幣を使っている。
銅貨・白銅貨に相当するものは、比較的希少な貝殻で作っている。
取引する場合は両替が必要。
◎ 米の値段
メリエンヌ王国北部では輸入物なので、高い。
品種により異なるが、平均的な品種で10kgが銀貨1枚、1000メリー。
◎ 麦の値段
メリエンヌ王国北部では、小麦粉10kgで黄銅貨3~5枚、300~500メリー。
品種や製粉の質で値段は異なる。小麦は国内で大量に生産されている。
◎ その他の値段
・魔狼(皮)
状態が非常に良いものであれば、一頭あたり3万5千メリー。金貨3枚と銀貨5枚。
◎ 収入
・庶民
月収が金貨でいえば1~2枚、1~2万メリー。
ただし、使い勝手も考え、ほぼ銀貨やそれ以下でもらう。
金貨2枚、2万メリーもらえるのは、熟練職など一部。
・騎士階級
平均年間200万メリー。大金貨20枚。
最低100万メリー~最高800万メリーくらい。
ただし、ここから家族全員の生活費に、武具などもお金を出す。
武具は軍の支給品であれば、自費ではない。ただし、騎士は特注品をもつことが多い。
貧しい騎士は支給品で我慢する。
・従士階級
平均年間60万メリー。大金貨6枚。
最低50万メリー~最高120万メリーくらい。
ただし、ここから家族全員の生活費に、余裕があれば武具などもお金を出す。
従士はほとんど支給品で我慢する。
・武官
平隊員: 年間30万メリー
小隊長: 年間60万メリー
中隊長: 年間120万メリー
大隊長: 年間200万メリー
連隊長: 年間400万メリー
平隊員でも、庶民の最低クラスからすれば4倍近い年俸。
年間15万メリーくらい貯金し、20年勤めれば300万メリーの貯金ができる。除隊時に庶民の年収5年分の一時金が出る。およそ80万メリーから。
家臣が軍に入った場合、半額が手当てとして支給される。軍人は死亡や怪我の危険もあるし、士官クラスは特注の武器などを自前で用意するので手当ては多い。
・文官
ほぼ家臣のみで回す。若干の職能手当はつく。軍人の家臣のように半額ではない。およそ1/10程度。
武器もいらないし、戦死する危険もないから。
平文官で年間6万メリー程度。月あたり金貨半分。
・伯爵家使用人
家臣のみで回す。若干の職能手当はつく。軍人の家臣のように半額ではない。およそ1/10程度。
◎ ベルレアン伯爵領の家臣の格付け
以下では、武官の各階級に相当する文官、使用人の例を記す。
基本的に他領の家臣も同様だが、領地ごとに若干の扱いの違いはある。
・連隊長(領都守護隊や都市守護隊、砦守護隊などの司令官)
使用人: 家令
文官: 長官(内務長官などの各長官)
・大隊長(領都守護隊の各城門の隊長など、司令補佐、領軍参謀長)
使用人: 上級侍従
文官: 次官(内務次官などの各次官)
特例: 魔術指南役(5章でのシノブの地位)
・中隊長(各城門守護隊の1シフトの隊長など)
使用人: 侍従
文官: 上級官(主に騎士階級)
・小隊長(10人の兵士の長)
使用人: 従者
文官: 下級官(主に従士階級)
※家臣と階級
家臣は、騎士階級と従士階級のどちらも、原則的に小隊長クラスからスタートする。
ただし、行儀見習いや見習いなどは除く。
※上級侍従と侍従
上級侍従と侍従の差は、明確に示されない。階級としては両方とも侍従。
※上級官と下級官
上級官と下級官の騎士階級と従士階級の違いは、あくまで基本。
若い騎士階級で下級官になったばかり、逆に従士階級で出世して上級官になり騎士階級も間近など、色々ある。
◎ 侍女アンナの家の収入(年収)
従士階級のラブラシュリ家の収入。
アンナの母は家庭に入っている。老齢のアンナの祖父を世話するためで、それまでは侍女をしていた。
家禄(従士階級)=80万メリー
父の手当=12万メリー(中隊長クラス・厳密には軍人ではなく館の使用人扱い)
アンナの手当=6万メリー(従者クラス)
合計=98万メリー
家禄は、従士階級としては平均より多いほう。
侍女のアンナ(1年目)で平文官同様に年間6万メリー程度の手当て。月あたり金貨半分。
成人までは通常見習いなので報酬は出ない。
◎ ジェルヴェの家の収入(年収)
騎士階級のアングベール家の収入。
家禄(騎士階級)=500万メリー
ジェルヴェの手当=40万メリー(家令)
フェルナンの手当=20万メリー(上級侍従クラス)
ロジーヌの手当=20万メリー(上級侍従クラス)
サビーヌの手当=12万メリー(侍従クラス)
合計=592万メリー
家禄は、騎士階級としては非常に多いほう。代々の重臣であるため、ベルレアン伯爵家の家中ではトップクラス。
ロジーヌ(未出)は侍女頭。ジェルヴェの妻。
アングベール家は騎士階級だから、ここから軍馬や剣・鎧などを用意している。実際にジェルヴェは先代に同行して戦争にも出ている。現在は、息子のフェルナンも合わせて二人分用意していると思われる。
騎士階級くらいだと家の中に使用人もいるから、その俸給なども必要。
なお、従軍時は、軍人の家臣と同様の金額になるよう、特別手当が出る。
◎ マクシムの収入(年収)
家からの仕送り=400万メリー (大隊長クラスの騎士階級の家禄が400万メリーくらい)
大隊長の手当=100万メリー (手当ての半額)
合計=500万メリー
貴族の子弟が勤める場合、実家から等級に相当する家臣の家禄程度を仕送りする。
ただし、貧乏な家はその限りではない。
◎ シノブの収入(年収・5章で魔術指南役になったとき)
大隊長級の手当=200万メリー (手当ての満額)
合計=200万メリー
貴族や家臣のような家禄がない場合、つまり、平民が勤務するときは満額を貰う。シノブは騎士階級という建前だが、現在のところ家禄がないため満額が支給される。
シノブも結婚後は手当ては半額になる予定。その分、家禄相当のお金が伯爵家から支給されるか、子爵家を継承して子爵家の家禄が収入に加わる。




