110 登場人物32(第26章)
ここでは26章で登場した人々を紹介します。
26章32話までお読みになってからご覧になることをお奨めします。
◎ 紹介する項目
1. アマノ王国
2. ナンカン帝国
3. ホクカン帝国
4. セイカン帝国
5. 海竜
6. 嵐竜
7. 玄王亀
8. 朱潜鳳
9. 歴史上の人物
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1. アマノ王国
◎ ハジャル・リュグ・ギャロファル
猫の獣人の男性。メジェネ族の族長の長男。19歳。
メジェネ族はアスレア地方の大砂漠のオアシスに住む部族だが、アマノ王国に自治領として加わる道を選択した。この加盟式のとき、同じく自治領となったジャル族の間で諍いが起きる。
シノブの仲裁でハジャルはジャル族の族長の長男ヒュザと決闘するが、引き分ける。そして双方ともシノブの親衛隊で修行することになる。
◎ リュグ・ジャフド・ギャロファル
猫の獣人の男性。メジェネ族の族長。40代半ば。
メジェネ族は全体で四万人弱の少数部族。大砂漠のオアシスで農耕と牧畜をしている。ラクダを飼っており、砂漠を行き来できる。
多くの者は、強い日差しで焼けた肌と細く締まった頑強な肉体を持つ。先祖は砂漠に適応できた者達で、結果的に似たような外見の者が多くなった。
◎ ヒュザ・ラギョル・ラビャール
豹の獣人の男性。ジャル族の族長の長男。19歳。
ジャル族はオスター大山脈の東側高地に住む部族だが、アマノ王国に自治領として加わる道を選択した。オスター大山脈はエウレア地方とアスレア地方の境で、西側がアマノ王国。
この加盟式のとき同じく自治領となったメジェネ族の間で諍いが起き、ヒュザはメジェネ族の族長の長男ハジャルと決闘するが引き分ける。そして双方ともシノブの親衛隊で修行することになる。
◎ ラギョル・ダリュム・ラビャール
豹の獣人の男性。ジャル族の族長。40代半ば。
ジャル族は全体で三万人程度の少数部族。オスター大山脈の東側高地で遊牧生活をしている。
多くの者は、強い日差しで焼けた肌と細く締まった頑強な肉体を持つ。ジャル族の先祖はメジェネ族から分かれて更に西に進んだ者達(オスター山脈の東側は大砂漠)で外見は似ているが、高地の薄い空気に適応しているところが違う。
※メジェネ族とジャル族の名前について
名前は、[ファーストネーム]・[父親のファーストネーム]・[所属集団の名]となる。
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2. ナンカン帝国
◎ 孫文大
「108 登場人物31(第25章)」でも紹介。
虎の獣人の男性。現在のナンカン皇帝。諱は拳。39歳。
種族に相応しく大柄。武術や拳法の達人。
シノブをカンに伝わる新世紀救世主と認めて歓迎、裏切った家臣に罰としつつ適職を与えるなど、形式に拘らず最適な道を選ぶ老練さがある。そのため家臣からも慕われている。
魔術は苦手。ナンカン皇帝家が初代から伝える家宝、嵐月という大薙刀で戦う。
◎ 孫玲玉
虎の獣人の女性。ナンカン皇帝ウェンダーの長女。16歳。
拳法の使い手。背丈は女性にしては少し高い程度。力より技で押すタイプ。
『拳姫』という異名を持つ。八佳掌や南都神殿拳の虎襲拳を使う。
シャルロットの武術の腕を知り、弟子入りを望む。試しの結果、充分な力量と認められてシャルロット付きの護衛騎士になる。
◎ 孫忠望
人族の少年。ナンカン皇帝ウェンダーの次男。13歳。
魔術が得意。自称『炎の魔皇子』。華麗な衣装を好み、自身の魔術にも魔皇流と独特の名を付ける。
派手というか中二病っぽい感じだが、兄の皇太子との争いを避けるために偽装した結果でもある。ナンカン皇帝家では最も大きな魔力を持ち、早くから魔術師の道を選んだ。
シノブの魔術の腕を知り、弟子入りを望む。試しの結果、充分な力量と認められてシノブの従者になる。
◎ 孫宝虎
名前のみ登場。
虎の獣人の少年。ナンカン皇帝ウェンダーの長男で皇太子。14歳。
弟とは違い、武人としての才覚を示している。父親に似たと思われる。
◎ 葛師明
虎の獣人の男性。グオ将軍の弟。20代後半。
ナンカンの武将。兄や父と共に、ウーロウ攻防戦では猛虎騎馬団を率いて戦う。
猛虎騎馬団は通常の騎馬隊にグオ家の使役獣である虎達を加えた軍団。虎達が敵陣を割って騎馬隊を突入させる。
◎ 娯仲祥
ウーロウ太守。50歳前後。
押し出しが立派な男。豊かな髭。
十年ほど前からホクカンの調略を受けており、ナンカン皇帝ウェンダーや配下を危機に陥れる。しかしシノブ達により裏切りを見抜かれ、捕らえられる。
かなりの大魔力を持っているが攻撃魔術や治癒魔術への適性が低く、活かす場がなかった。加えて武術の才能もなく、長く劣等感と共に生きる。
しかし符術への適性があり、それを見抜いたホクカンの狂屍術士が調略の対象に選んだ。
本来なら裏切りは極刑だが、長期かつ用意周到な調略で避けがたいとウェンダーは考え、ジョンシャンを鋼仕術士にして贖罪させることにした。
鋼仕術士とはカンに昔いた、禁術を使わない良い符術士。しかし多くが禁忌の技に惹かれ、狂屍術士と呼ばれるようになった。
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3. ホクカン帝国
◎ 曹紫煌
人族の男性。ホクカン皇帝。40歳。諱は劈
幼いときから聡明で、長じては武術と魔術に高い才能を示した。かなりの巨漢。
即位したときは二十代半ば。元々は三男で第二夫人の子で、本来は跡継ぎとされていなかった。
シファンの兄達は双方とも成人前後で亡くなった。これらはホクカンに潜む狂屍術士、偽の神角大仙の陰謀の結果。
偽のシェンジャオ大仙はカン皇帝家の聖剣を使える者を探していた。そして彼は早くからシファンが聖剣の使用者になれると察し、皇帝にすべく暗躍した。
偽のシェンジャオ大仙はシファンに多くの魂を融合させ、聖剣の使用者に相応しい魔力を与えた。そのためシファンは自我を失い、傀儡とされる。
しかしシノブとの戦いでシファンは解放され、正気を取り戻す。その後シファンはナンカンやセイカンと和睦し、カン三国に平和が訪れる。
◎ 曹垣重
人族の男性。ホクカン皇帝シファンの長男で皇太子。15歳。
偽のシェンジャオ大仙はシファンを傀儡としたのが露見しないよう、子供達を引き離していた。それにユェンヂョンは二ヶ月少々前に成人したばかりで、政治や軍事に関わっていない。
シャルロット達がホクカン宮城に突入した際、保護される。
◎ 曹雪蘭
人族の少女。ホクカン皇帝シファンの長女。10歳。
兄や妹と同じく、シャルロット達がホクカン宮城に突入した際、保護される。
◎ 曹小蘭
人族の少女。ホクカン皇帝シファンの次女。5歳。
兄や姉と同じく、シャルロット達がホクカン宮城に突入した際、保護される。しかし偽のシェンジャオ大仙は自身の分霊をシャオランに憑依させており、その分霊がシャルロットに取り付こうとする。
◎ 越文仟
人族の男性。ホクカン軍の高位武人。50歳前後。
ホクカンを支える名家の一つの当主。ホクカンの五烈将と呼ばれている。
ナンカンの都市ウーロウを攻めたときの司令官。
シノブに掴まり、ナンカンの捕虜となる。
◎ 曹紫修
人族の男性。ホクカン皇帝家の分家筋。20歳前後。
武術の流派はホクカン皇流。
シノブと戦うが負け、ナンカンの捕虜となる。
◎ 傀角
人族の男性。狂屍術士。40歳前後。
傀儡使いとしての技能が高い。巨大像は作れないが、人間程度の大きさの式神なら一度に三百以上も操れる。ウーロウ近郊の牧草地にモグラほどもあるオケラの式神で穴を掘ったのも彼。
ウーロウ太守ジョンシャンを唆して狂屍術士に仕立てた。
シノブ達に倒され、ナンカンの捕虜となる。後に極刑になったと思われる。
◎ 土角
人族の男性。狂屍術士。老人。
土や岩を使った巨大式神を操るのが得意。
偽のシェンジャオ大仙の直弟子。ただし、まだ肉体乗り換えをするほどではない。クイジャオの師。
巨大式神でシノブに挑むが負け、ナンカンの捕虜となる。後に極刑になったと思われる。
◎ 任陽明
人族の少女。ホクカンの高位武人の娘。13歳。
ホクカンの都ローヤンに住む。符術士系の才能があり、狂屍術士が父の魂を捕まえたところを目撃した。
証拠隠滅しようとする狂屍術士達に追われるが、アルバーノ達に助けられた。
◎ 任武行
名前のみ登場。
人族の男性。ホクカンの高位武人。30代後半。
妻や両親は既に没している。子供もヤンミンのみ。
ナンカンとの最初の戦いのとき重傷を負った(陽光仮面に扮したアルバーノとの戦いで)。他の負傷者達と同じく都に戻ったが、治療しきれず死ぬ。
アルバーノは覆面をしており本名も告げなかったがウーハンは名乗り、それをアルバーノは覚えていた。
◎ 神角大仙 (偽者)
狂屍術士。元の名は英角。420歳ほど(創世暦580年頃の生まれ)。
外見は二十代半ばの細身の男。ただし何回か体を乗り換えており、生来の肉体ではない。
元々は本当のシェンジャオ大仙の弟子で、彼を殺して成り代わった。
殺害と成り代わりは荒禁の乱より前(創世暦650年ごろ)。そして狂屍術士を打ち立てて乱を起こす。
カン皇帝の聖剣を手にするため長く暗躍する。カン帝国を崩壊させた後、聖剣の使用者の家系としてホクカン皇帝家を選び出して影から操った。
アミィ達に倒されるが、分霊がシャルロットに取り付こうした。そこでシノブは幻夢の術を用い、本体の魂と分霊を永劫の闘争へと叩き込んだ。
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4. セイカン帝国
◎ 劉月喬
人族の男性。セイカン皇帝。35歳。
魔術師系。理知的な性格だが、それが災いして強権を振るうことが出来ず旧弊というべき老臣達を抑えきれなかった。
シノブの介入で老臣達を排除でき、その後は若い世代と新たな国造りを目指す。ホクカンとの戦いにも本人のみだが赴き、カン三国の和平を誓う。
父は早めに没した。息子と娘が一人ずついるが、双方とも未成年。
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5. 海竜
◎ ラーム
雌の海竜。北太平洋に相当する地域に棲む、マートとティアの子。創世暦1002年3月5日に誕生。
誕生時点で全長60cmくらい。ただし首長竜に似た体で、半分は頭と首。
シノブのところでオルムル達と共に暮らすことになる。
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6. 嵐竜
◎ ルーシャ
雌の嵐竜。南太平洋に相当する地域に棲む、ヴァキとサーラの子。創世暦1002年3月5日に誕生。
誕生時点で全長40cmくらい。ただし地球の龍に似た体で細長く、体積は他の子と大差ない。
シノブのところでオルムル達と共に暮らすことになる。
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7. 玄王亀
◎ タラーク
雄の玄王亀。アスレア地方のプロトス山に棲む、アノームとターサの子。創世暦1002年3月4日に誕生。
誕生時点で甲羅の大きさは全長30cmくらい。甲羅は漆黒、かなり黒い皮膚。
シノブのところでオルムル達と共に暮らすことになる。
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8. 朱潜鳳
◎ ガストル
朱潜鳳の雄。成体。五百歳くらい。
真紅の体。全長20mくらい。大きな翼のあるモアという感じ。
カン地方の西部、地球のゴビ砂漠に相当する辺りに棲んでいる。
ホクカンとの戦いの直前に同族のフォルスが訪ね、彼と共にアマノ号の輸送を受け持った。
◎ ルニス
名前のみ登場。
朱潜鳳の雌。成体。ガストルの番。四百五十歳くらい。
ガストルと同じで真紅の体、全長20mくらい。
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9. 歴史上の人物
◎ 劉大濟
初代カン皇帝。即位は創世暦452年。創世暦415年の生まれ。
ダージーを支えたのは、曹聚嵩と孫武京。二人と『大神の誓い』もした。
セイカン皇帝家は最後のカン皇帝の子孫達。したがってセイカン皇帝家の遠祖でもある。
闇の神ニュテスによると、ダージーはカン地方への転生を繰り返している。これは若き日の暴走が聖人小无の死を招いたことを悔いたから。
ただし誰に転生したかは示されなかった。
◎ 曹聚嵩
初代カン皇帝ダージーの親友にして側近。創世暦400年代の生まれ(ダージーとは同世代)。
ホクカン皇帝家の祖でもあるが、ホクカン帝国の誕生は創世暦800年ごろだから遠祖というべき存在。
ツァオ家はカン帝国時代、別格の名家として扱われた。カン皇帝家からの降嫁などで縁戚となっている。
◎ 孫武京
初代カン皇帝ダージーの親友にして側近。創世暦400年代の生まれ(ダージーとは同世代)。
ナンカン皇帝家の祖でもあるが、ナンカン帝国の誕生は創世暦800年ごろだから遠祖というべき存在。
スン家はカン帝国時代、別格の名家として扱われた。カン皇帝家からの降嫁などで縁戚となっている。
◎ 小无
カン帝国の建国に関わった聖人。眷属で天狐族。
創世暦440年ごろ、後に初代カン皇帝となるダージーはジュスンやウージンなどの勇将を伴わず戦に出て重傷を負う。これをシャオウーは自身のミスと悔い、命を懸けての治療をする。
幸いダージーは助かるがシャオウーは肉体を保てず彼の大剣に宿る。これが後にカン帝国の聖剣となる。
この聖剣はダージーしか使えず、彼の死後は宮城(現在のホクカン宮城)の地下に安置された。
創世暦1000年、偽のシェンジャオ大仙が現ホクカン皇帝シファンに多くの魂を注ぎ込み、聖剣の使用者に仕立てる。
しかしシノブがシファンを倒し、更にシャオウーを聖剣から解放して自身の眷属シャミィとして生まれ変わらせた。シャミィはアミィやタミィの妹分になり、アマノシュタットで暮らしていく。
◎ 神角大仙 (本物)
聖人シャオウーの弟子。男性。創世暦400年ごろの生まれ。
シャオウーの教えにより早くから各種の魔術を会得する。
特に憑依術に優れ、巨大な木人や鋼人を操るのが得意だった。これらの鋼仕術と呼ばれる技は戦にも利用されたが、カン帝国成立後は建築や神像の作成など平和的に使われた。
シェンジャオ大仙は長命の術も教わっており二百五十歳ほどまで生きたが、弟子の英角に殺されてしまう。
しかしインジャオが密かに事を運んだ上に成り代わったため、死去は闇に葬られた。
後にシェンジャオ大仙はカン皇帝家やホクカン皇帝家に転生し、インジャオの暗躍を阻止しようとした。これは闇の神ニュテスの計らいでもあり、弟子の暴走を防げなかった罰でもあった。
現在はホクカン皇帝シファンとして生まれ変わっている。
◎ 劉現伯
最後のカン皇帝。没年は創世暦692年。
新世紀救世主伝説の予言を残した人物。彼の子孫は後にセイカン皇帝家となった。
※シノブがこの世界に来たのは創世暦1000年。
※26章の冒頭は創世暦1002年3月。




