101 登場人物29(第22章・第23章)
ここでは22章と23章で登場した人々を紹介します。
23章35話までお読みになってからご覧になることをお奨めします。
◎ 紹介する項目
1. アマノ王国
2. カンビーニ王国
3. ヤマト王国
4. テュラーク王国
5. アーディヴァ王国
6. 嵐竜
7. 光翔虎
8. 森猿
9. 歴史上の人物
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1. アマノ王国
◎ アネルダ・バジャス
虎の獣人。騎士の妻。20代前半。
リヒトの乳母。ガルゴン王国出身。
大砂漠の探検に加わった飛行船の操舵士ツェリオ・バジャスの妻。
他にも乳母は多数おりシフトが組まれているが、どういうわけか出番が多い。
◎ イモーネ・レアバル
人族。騎士の妻。20歳前後。
リヒトの乳母。ガルゴン王国出身。
作中では明示していないがアネルダの妹。
他にも乳母は多数おりシフトが組まれているが、どういうわけか出番が多い。
◎ ペーター
人族の少年。神殿付属の孤児院の子。8歳。
シノブ達がシャルロットの誕生日に王都アマノシュタットの神殿を慰問したときに出会う。
シノブやシャルロットと共に米の買い出しに出かける。
都市の主な神殿には孤児院や救護院が併設されている。
ペーターが暮らす孤児院は、王都外周南区にある神殿の付属施設。なお、王都の各区には複数の神殿が存在する。
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2. カンビーニ王国
◎ ミリアーナ・デ・カンビーニ
名前のみ登場。
獅子の獣人。女の子。0歳。
カンビーニ王国の王太子シルヴェリオと王太子妃アルビーナの第二子。
創世暦1001年12月27日に誕生。
◎ ティレディア・デ・ベリオディニ
名前のみ登場。
獅子の獣人。テポルツィア侯爵の長女。10歳。
テポルツィアはカンビーニ半島の東側の都市。
カンビーニ王国の王太子シルヴェリオの婚約者。
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3. ヤマト王国
◎ 堺屋助三郎 (サカイヤ・スケサブロウ)
名前のみ登場。
人族。サカイ屋の三男。現時点では年齢不詳。
南方に渡って大儲けし、呂尊助三郎と呼ばれている。
ルゾンと呼ばれる島に行ったらしい。ルゾンはフィリピンのルソン島だと思われる。
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4. アウスト大陸
◎ チュカリ
虎の獣人。ナンジュマに住む少女。7歳。
モアモア飼いの家の子。家業を手伝いモアモアでの旅客業に励む。
両親との三人暮らしだったが、シノブ達の訪問中に弟が生まれ四人家族となる。
モアモアとは、ジャイアントモアのような飛べない鳥。アウスト大陸では馬の代わりとして輸送に用いている。
◎ パチャリ
虎の獣人。チュカリの母。20代後半。
ナンジュマに住む女性。モアモア飼いの妻。
身篭るまでは夫と共にモアモアに乗せての旅客業をしていた。
◎ ラグンギ
虎の獣人。チュカリの父。30歳前後。
ナンジュマに住む男性。モアモア飼い。
五羽のモアモアを飼っており、現在は三羽を自身、二羽(モリモリとモエモエ)をチュカリの担当としている。
◎ ジブング
虎の獣人。チュカリの弟。0歳。
ラグンギとパチャリの第二子。創世暦1002年01月8日に誕生。
逆子だったがシノブの魔術で無事に生まれる。
名はシノブが偽名として使っていた『ジブング』を貰った。
◎ マタニ
人族。中年女性。
ナンジュマの治癒術士の助手。
夫はナンジュマを守る武人の一人。
◎ ラナウ
人族。中年女性。
ナンジュマの治癒術士。マタニの姉。
夫はナンジュマを守る武人の一人。
◎ ヴラグン
人族の男。ナンジュマの神官長。白い長衣の老人。
掟破りの男達の背景を調べるシノブ達を、神官長として手伝う。
◎ ジギダイ
人族の男。大商人。老人。
ナンジュマ成立のころからの名門である十家の一つの当主。
掟破りの男達の雇い主。掟で禁じられているルールー(巨大カンガルー)の子の狩りを命じた。
◎ ダナンド
人族の男。大商人。中年。
ナンジュマ成立のころからの名門である十家の一つの当主。
意地汚いジギダイを嫌い、対立している。
※アウスト大陸の名前について
男性は通常、四音節で濁音を多用する。
女性は清音の三音節が基本。長音や拗音や促音が入ることもあるが、その場合でも三音節になる。
身分での差はない。
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5. アーディヴァ王国
◎ シダール
狼の獣人。サシャマ村の少年。8歳。
サシャマ村はパルタゴーマの町の近くの農村。
幼馴染みのアーシュカと共に戦士達に追われていたが、シノブに助けられ事なきを得る。
◎ アーシュカ
狼の獣人。サシャマ村の少女。7歳。
シダールと同じく、シノブに助けられ事なきを得る。
シダールとは家が隣同士。
◎ バジャイ
狼の獣人。シダールの父。30歳前後。
サシャマ村の住人。
◎ ガナンド
狼の獣人。アーシュカの父。30歳前後。
サシャマ村の住人。
◎ サンジャ
虎の獣人の男性。老人。サシャマ村の村長。
神王虎の伝説を少しだけ知っていた。
伝説は六十年以上昔、無償の従者から解放された大叔父に聞いた。
◎ パグダ・トゥヤーナ
人族の男性。パルタゴーマの領主。22歳。
太っている。丸顔。鼻の下に髭あり。
本来は異母兄のアシャタが領主となる筈だったが、アシャタの母を人質に取って後継者の地位を奪った。
七年前の現国王ジャルダの即位儀式に、先代と共に参列した。そのとき王都の誰かに兄を追い落とすよう吹き込まれた。
シャルロットが悲恋の踊り『ヴァシュカの舞』で村人達の嘆きを示し、それを見て改心して隠居する。
後に村々を巡る教育団の団長となり、領主時代に虐げた人々に贖罪をする。
◎ アシャタ・シャルマ (アシャタ・トゥヤーナ)
人族。パルタゴーマの領主パグダの異母兄。25歳。
細身の美男子。鼻の下に髭あり。
シャルマは母方の姓。伯父の養子に入ったことになっている。
弟の陰謀で中級の役人となっていた。パグダが隠居した後、パルタゴーマの領主となる。
中級役人時代に、理不尽に低い階級とされた人々の実情を知り心を痛める。そのため領主となってからは、より良い治世を実現しようと尽力する。
◎ マニーシャ・シャルマ (マニーシャ・トゥヤーナ)
人族。中年女性。アシャタの母。
長く囚われていたが、シノブ達が救出しアシャタ達と再会した。
シャルマ家はパルタゴーマでは名家で、彼女の兄も高位の役人として働いている。
◎ ジャルダ・アーディヴァ
虎の獣人の男性。アーディヴァ王国の現国王。第九代。40歳前後。
七年前、創世暦995年の夏に即位。
初代大神官ヴィルーダが作り出した神王により凶暴な性格となっていた。そのため外征を企むが、シノブ達により神王の影響から脱し、穏やかな人物となった。
現在は国を立て直すべく内政に励んでいる。
◎ バドゥラ
人族の男性。大神官。白髪白髯の老人。
国王ジャルダに外征を勧めた。
代々の大神官は初代大神官ヴィルーダの器だった。バドゥラ本来の魂は大神官への就任と前後して、ヴィルーダに食われている。
そのため戦を勧めたのはヴィルーダで、建国以来の魔力偏重の階級制度も彼の仕組んだこと。
シノブ達が正体を明らかにし、バドゥラごとヴィルーダを斃した。
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6. 嵐竜
◎ ヴァキ
名前のみ登場。
嵐竜の雄。成体。四百数十歳。
南太平洋に相当する海、アウスト大陸から少し東の赤道近く、南半球側に棲家がある。
嵐竜ヴィンやマナスと共に、アウスト大陸を探索するミリィを助ける。
◎ サーラ
名前のみ登場。
嵐竜の雌。成体。四百数十歳。
ヴァキの番。ヴァキと共にアウスト大陸の探索に加わる。
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7. 光翔虎
◎ ドゥング
光翔虎の雄。成体。四百歳くらい。
アーディヴァ王国で神王虎と呼ばれた存在の正体。
フェイニーやフェイジーからすると従兄弟(父の妹の子)、メイニーからしても従兄弟(母の兄の子)。
百九十年近く前、創世暦814年に魔獣狩りをしていたときにダクダという戦士と巡り合った。このダクダが後のアーディヴァ王国の初代国王ヴァクダ・アーディヴァ。
ドゥングは過ちからダクダを死なせそうになり、自身の血を与えて助ける。しかし光翔虎の血はダクダには負担が大きく、彼は徐々に凶暴になる。
最終的にドゥングは自身を封印して魔力を与えることで対処するが、これは初代大神官ヴィルーダの陰謀だった。
シノブ達により助け出されたドゥングはヴァクダの魂と再会し、アーディヴァ王国の事件を共に解決する。そして正気に戻った現国王ジャルダを、祖霊となったヴァクダと共に支える。
◎ ヴァーグ
光翔虎の雄。成体。六百数十歳。
ドゥングの父。棲家はイーディア地方南部内陸の森。
妹のシューフはガルゴン王国の森に棲んでいる。シューフはメイニーの母。
シノブ達と共にドゥングを助け出し、アーディヴァ王国の事件を解決する。
◎ リャンフ
光翔虎の雌。成体。六百数十歳。
ヴァーグの番。ドゥングの母。
双子の兄のバージはカンビーニ王国の森に棲んでいる。バージはフェイニーとフェイジーの父。
ヴァーグと共にドゥングを探し、アーディヴァ王国の事件を解決する。
◎ ヴァティー
光翔虎の雌。百五十歳くらい。
ドゥングの妹。
ヴァーグと共にドゥングを探す。
事件の解決後、シャンジーを気に入りフェイニーと競う。
勝負の後、フェイニーを認めて退く。シノブが別の光翔虎の雄を紹介する予定。
◎ フォーグ
光翔虎の雄。成体。六百歳くらい。
棲家はイーディア地方南部海岸近くの森。ヴァーグの棲家よりは南。
妹のリーフはデルフィナ共和国の森に棲んでいる。リーフはシャンジーの母。
番の雌(名前は未出)は、ガルゴン王国の森に棲むダージの妹。ダージはメイニーの父。
長男ヴェーグ、長女(名前は未出)は双子。
フォーグと番、長女もヴァーグと共にドゥングを探した。
長男ヴェーグは修行のため遠方を放浪中。
◎ ヴェーグ
名前のみ登場。
光翔虎の雄。成体。二百二十歳くらい。
フォーグの子。
シノブはヴァティーに紹介しようと思念で呼びかけたが、かなり遠方らしくまだ戻っていない。
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8. 森猿
◎ スンウ
アウスト大陸の北にある島に棲む、森猿の王。雄。
年齢不詳だが、森猿では壮年に相当するらしい。
島は魔獣の海域にあり、アウスト大陸の人々も存在を知らない。
スンウ達の先祖は、三百年少々前に魔獣使いの一団が連れて来た。
スンウ達は島に訪れたシノブの腕を認め、新たな主とする。
森猿の背丈は人間の大人の倍くらいで、大きさは岩猿に近い。毛は岩猿とは違い茶色。
名前の通り森林に棲む。最も長命な森猿でも百歳を下回る。
スンウ達は相当の知能の持ち主だが、これは魔獣使いが訓練し、更に賢い系統を選んだためらしい。
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9. 歴史上の人物
◎ ヴァクダ・アーディヴァ (ダクダ)
虎の獣人の男性。アーディヴァ王国の初代国王。
創世暦814年、光翔虎のドゥングと出会う。当時はダクダという名の戦士だった。
名を変えて戦士ヴァクダとして世に現れたとき、二十五歳(創世暦815年・百八十七年前)。即位は三十歳(創世暦820年・百八十二年前)。
創世暦845年にドゥングが封印された後も生き八十歳で没したが、死後はヴィルーダにより神王の一部にされる。神王に加えられたのは二代目から現国王ジャルダの先代の八代目までも同じ。
◎ ヴァシュカ
虎の獣人の女性。
悲恋の舞踏『ヴァシュカの舞』のヒロイン。ダクダ(ヴァクダ)の幼馴染み。
アーディヴァ王国が誕生する二十年ほど前、戦士の一団が村を襲いヴァシュカを連れ去る。このとき彼女は十歳くらいだった。その後、商人に売られるなどして各地を点々とする。
ヴァクダが王になった直後、戦乱に巻き込まれ没する。まだアーディヴァ王国は小さく、ヴァシュカがいた町は勢力圏外だった。そのためヴァシュカは幼馴染みと再会することなく世を去る。
死後、ヴァシュカは神々の眷属となり、闇の神ニュテスの配下としてアーディヴァ王国を見守っている。
シノブ達がアーディヴァ王国の事件を解決した直後、ニュテスに命じられ降臨し祖霊となったヴァクダと再会した。
◎ ヴィルーダ
人族の男性。アーディヴァ王国の初代大神官。
建国以降アーディヴァ王国を陰から支配し続けた。
二代目以降の大神官もヴィルーダが憑依したもの。魔力に富む者を後継者として育て、大神官となったときに魂を食らい乗り移った。
ヴィルーダとしてヴァクダの前に現れたのは創世暦817年。創世暦882年まではヴィルーダとして生きた。
ただしヴィルーダも乗り移った器の一つで、更に昔から生きていたらしい。
◎ アクターガ・カンダッタ
人族。カンダッタ王国の初代国王。
『人吊り蜘蛛の糸』という逸話がある。
逸話によるとアクターガは魔獣狩りを得手とした戦士で、あるとき人吊り蜘蛛に食われそうになった。しかし彼は何とか逃れ、更に人吊り蜘蛛が出す糸に利用価値を見出した。そしてアクターガは魔獣の糸を売って財を成し、国王への道を歩み始めたという。
かなり昔の話らしいが、現時点では作中に時代を示す描写はない。
※シノブがこの世界に来たのは創世暦1000年。
※22章の冒頭は創世暦1002年1月。




