表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

"I met a bear".'s fact

作者: 相戯陽大

ある日、俺は森に出かけた。


子供の頃からこの森に入りたいと思っていたのだが、危ないから入ってはいけないと言われて今まで入ったことはない。毒蛇に噛まれるかもしれないし、蜂に刺されるかもしれないことはわかっている。それでも、どんなに危険だと分かっていてもしてみたいことというものはあるのだ。


だいぶなだらかな道に入った。花が咲いていて、まるで人が手を加えたかのようだった。というのは、別にここに人間が住んでいるとか、定期的に人間が来ているとか、そういうことではない。人間にとってここは危険な場所とされているからだ。つまり、人間以外の何かがここに道を作ったことになる。


花畑に獣道ができているのだ。ここは大きな獣が通る道だった。それを確信したのはそれからまもなくのことだ。


クマが道の向こうからこちらへ来る。俺はあまりにも突然のことに腰を抜かしてしまい、動けずにいた。クマが俺の目の前まで来ると立ち止まった。そしてあまりの混乱でクマが俺にこう言い放ったように聞こえた。


「なんで逃げないんだい?」


そうだ、俺は逃げなければいけない。俺はクマに背を向けると一目散に走った。もちろんクマは俺を見逃すつもりはなく、後ろから追って来る。


何フィート走っただろう。とっさのことで俺は近くの木に登った。クマが木登りなんてできるはずもなく、数分もすると諦めて戻っていった。あのクマは人の言葉を話せるのか、あれが俺の幻聴だったのか、それだけの知能があったのかは俺にもわからない。


それからそのクマとあったことはない。ただ、あの時俺が銃を持って来ていれば今頃あいつは部屋のカーペットになっていただろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 文学となっていますがシチュエーションを考えると軽いホラー感がしました。 熊は木登り上手ですよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ