死神は嗤う、仮面を付けてⅦ
お久しぶりの投稿。今回短いです。
「っぐ!」
「ホラホラホラホラホラぁ!!!?逃げてみなさい!逃げられるのならねェ!!」
再び現れた蝿達を蹴散らし駆けるゼクス。その様子をベルゼは狂ったように見ている。
「どうしたのですかァ?抵抗したらどうです!!」
だがベルゼの身体にも異変が起きていた。元々痩せてはいたがその体は枯木の様になっていた。
「・・・・・・」
それを奇妙に思いながらゼクスは蝿達の動きを止める。だがどれほど止めようとも蝿は新たに出現していく。だが――――
「・・・・・・・!」
ベルゼが蝿を呼び出すとその身体はより枯木へと近づいていっていた。
「成程」
ベルゼも焦っているのだろう。徐々に呼び出す蝿の数は減っている。だがゼクスもまたその動きを止める為に大量の魔力が必要となる。
どちらが最後まで立っていられるか。二人は全力での攻撃を放ち続ける。
「っ!」
影の呪縛を逃れた蝿達がゼクスの肩を抉る。だが、ベルゼの身体に影は届き、その胸を貫いていた。
「・・・ぐ・・・かぁ・・・・!!」
夥しい程の血を吐きながらベルゼは更に蝿の数を増やす。それと比例し、より痩せて行く彼の身体。血の通っている人間とはとても思えない姿だ。
「まだ・・・・死ねませんよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
咆哮し、ゼクスへと全方位から蝿が襲い掛かった。最早これだけの数を防ぐ程の魔力は残っていない。最後まで足掻こうと剣を振るおうとした瞬間。
「―――――――!!」
様子が変わった。群がって来た蝿達はボロボロに崩れて行き灰へと変わっていく。
「・・・・ぁ・・・どう・・し、て?・・・まだ・・私は・・・・」
崩れて行く蝿達の向こう。そこには床に倒れ伏し木乃伊の様な姿になったベルゼがいた。その頭上、ベルゼの力の源であった巨大な蝿はその巨大な顎で――――ベルゼを喰った。
「・・・・・・」
バリバリと音を立て巨大な蝿はやがて咀嚼し終えるとゼクスへと向き。
「kiryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!!!!」
甲高く鳴くと、やがて興味を失せたようにその場から粒子へとなって消えて行った。その姿をゼクスは只茫然と眺めることしかできなかった。
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今回は特に何もなし。