世界の創造、神の子穿ち槍
晴天の下、只管馬車――――馬車と言っても馬は伏羲が呼びだした使い魔だが――――を歩かせながら響夜達は街道の上を進んでいた。
「もうそろそろだな・・・」
「人も増えてきたわね」
「ああ、何せ各国の重鎮共も来るからな」
彼らの目の前には人と馬車の行列だ。そしてその行列の先に見えるのはエクレール。この人混みも全て今日あるエクレールでのパーティーへの参加者だろう。
「響夜、腕にこれを付けておけ」
「・・・・・?」
伏羲からてわたされた腕章を見て響夜は首を傾げる。これ自体からは何も感じない。だが伏羲が持っておけと言う以上何かしらの力はある筈・・・・。
そう考え唸っている響夜に伏羲は呆れる。
「只の腕章だ。見て分からぬのか?それはただ自分がクラウンの一員であると伝える為の物だ。付けておけ」
「・・・・・何故?」
これを付ける意味が分からない。響夜自身としてはあまり自分がクラウンの一人だと思いたくもないのだ。
「こういう場ではプライドばかりのくだらない者が多い。それを付けておけば相手もそれに怯え妙な行動には出ないだろう」
「逆に媚び諂う奴ばっかだろ。というか、よくこれぱちもんがでねえな」
「当たり前だ、一応そう言った催眠系の術式が施されている」
その言葉に納得しながら響夜は腕章を付ける。桃子は外の景色に興味津々らしく目をキラキラとさせている。小夜も一見冷静に見えるが僅かにそわそわとした様子だ。尤もそれは家族である響夜でなくては分からない程些細なものだが。
「楽毅、そろそろ起きろ」
「小夜、言っておくが殺すなよ」
伏羲は隣で眠る楽毅に、響夜は小夜から僅かに漏れた殺気に反応し釘を打つ。
「分かっていますわ兄様」
「飯~!めし~!め~し~!・・・アタッ」
伏羲から拳骨を貰い頭を擦る楽毅と表面だけは冷静な小夜、そして一番危険かもしれない好奇心旺盛な桃子。
それを目にし何時もは他者に迷惑を掛けてばかりの二人が重い溜息を吐いた。
◆
「・・・・混み過ぎだ」
「文句ばかり言うな、ほれ、いるぞ」
正装姿で歩く二人、内に多大な問題があるが外面だけならば中々の物を持っているのだ、そしてその腕ににはクラウンの腕章。嫌でも視線が彼ら二人に集まる。
それを鬱陶しげに感じながらも無視して二人は後ろからついて来る三人と共に目的の人物達の下へ歩を進める。
「よう、お前ら」
会場の一角、そこにいた見知った者達に声を掛ける。
「響夜!」
「・・・・・!!」
「む、響夜か、久しぶりだな!」
「――――――っち」
「伏羲も一緒に来たのか」
抱き着いて来るマオとハクの頭を撫でながら響夜は首を傾げる。
「翁は伏羲を知っているのか?」
「ああ、よぉく知っているぞ。何せ―――――儂の弟子じゃからな」
「―――――!?」
「言っていなかったか?尤も私も連絡がないから死んでいるものと思っていたが・・・」
「戯け、貴様のことだ。面倒臭かっただけだろう」
言い合っている二人を横目にそろそろ腕が千切れそうになった響夜は視線をその原因に移す。
「「「・・・・・・・・・」」」
「お前らいい加減腕を離せ」
響夜の言葉にマオとハクの二人が鬼の形相で響夜を睨み付けてくる。小夜もその瞳に殺意をの炎を灯し睨みつけている。そして落ち着かせようと必死な桃子。面倒臭いことになると予想していたが予想より幾らか拙い状況らしい。
「響夜、この娘二人は誰じゃ?」
まるで女の声とは思えない低い声。無意識的に響夜の体が強張る。
「・・・・妹と護衛、・・・・じゃなくて友人」
「・・・・・?」
「だから――――「私は兄様の妹、ということですわ」・・・妹の小夜。で、こっちが友人の桃子」
「よ、よろしくお願いします。
響夜の説明に何故か勝ったような顔をする小夜と先程のこともあり更に緊張気味の桃子。
「妹?響夜、それは少しおかしいじゃろう?」
「まあ、そう言う理由は分かるが、それはまた今度な。ただ、小夜は本当に俺の妹だぞ?」
「・・・そうか」
「・・・・」
二人は釈然としない様子ながらも一応納得し引下がる。そう言っていると会場がざわめく。
「伏羲、楽毅」
「分かっている」
「気を付けるネ」
今までにない程真面目な表情の二人、翁にも事情は話したのだろう。纏う雰囲気が普段と違う。
響夜の視線の先、会場がざわめく理由。そこにいたのはまるで宝石の様な輝かしさを放つ黄金の髪を靡かせ、黒を基調とした軍服に身を包みその腕にはクラウンの腕章を付けた人物―――――――ロジオン。
その周りにいるのは三人、内二人は見たことのある者。だとすれば――――
「あれが、クラウン序列第二位」
ロジオンの背後に付き従う黒髪の偉丈夫。ふと響夜の視線がロジオンと合った。
「―――――――ッ!?」
まるで心臓を鷲掴みにされたかのような衝撃。全身から冷や汗が止まらなくなる。震えそうになる膝を押さえ響夜はその視線を真っ向から受け止める。
「・・・・・ふ」
やがて微笑を浮かべながら視線を外すロジオン。その奥からはエクレールが国王たる聖王が向かって来ているのが見える。
「・・・・・伏羲、ロジオンは軍所属なのか?」
「ああ、階級は中将。何故軍に所属しているのか、何故中将で納まっているのかも謎だがな」
「キョウヤ?」
俺達の只ならぬ雰囲気を感じ取ったのか傍にいた二人が戸惑う。小夜と桃子は既に聞かされていたのか盗み聞いたのか、動揺する様子は無い。
「・・・・何でもない。クソ騎士」
「っち、貴様は相変わらずそう呼ぶか」
ゼクスはそう言いながらも何だ、と問い尋ねて来る。
「いや、エクレールとはどうなったんだ?」
「比較的良好だ。今の所周辺諸国にも問題は無いからな。民衆には未だ動揺も見られるが問題が起きていないからか徐々に馴染めてきている。何より―――――あそこにいる第一王女と第二王女たちが尽力しているからな」
示された方向を見れば周囲を大勢の貴族に囲まれ、困った様子のアリア王女とアリシア王女の二人がいる。アリシア王女の隣には勇者であった浩太の姿。
「大変だなあいつらも」
「貴様らもな」
「あ?」
次いでゼクスが指差した方向を見れば此方を窺っている様子の貴族達。
「成程」
それを見て響夜は自分がクラウンだと言う事を思い出す。恐らくは近寄ろうにも魔王の近くにいるが為に話し掛け辛いのだろう。なら、此方から近寄ることもないのだ、マオの傍にいようと響夜はその場から離れない。
「よう、殺人野郎」
「黙れ鷲」
そう考えていた矢先。響夜に声を掛けて来る男。この声はよく覚えている。
「・・・・ノーレン」
「むかつく奴だなテメェ。本来なら約束通り戦いてえが・・・・」
「流石に此処で戦おうなんて言わねえよ」
会場には既に大勢の者がいる。ここで戦おうものならとんでもない犠牲が出るだろう。
「テメェも何の用だ」
「なあに、挨拶ってところだよ。お陰でこの国も前より面白くなって来やがった」
「どう致しまして」
二言三言交わしノーレンは別の席へと向かう。マオ達の方を見ればガルドスの下にも小娘がいる。帯剣してることと構えから恐らくは勇者だろう。他にも何時の間にか浩太やアリア達の姿もある。その影響からか、マオ達の周りにも次第に人が増えていた。中心にいるマオも嬉しそうであったり困ったりとしている。
「・・・・・よかったな」
それを見ながら無意識に言葉が出る。響夜はそれに自分自身で驚きながらもその口元には笑みを浮かべていた。
「響夜」
「伏羲」
何時の間に傍に来たのか。伏羲の表情は真剣だ。そのことから俺は悟る。
「何処にいるんだ」
「城を出てすぐそこだ。奴等私達のことを誘っている」
「大丈夫なのか?」
「やるしかあるまい。楽毅!」
「此処にいるネ」
伏羲と同じく何時の間にか背後に続く楽毅。
「お前本当は忍者なんじゃねえの?」
「だったら忍者戦隊なんてどうネ」
「お前達、そろそろ無駄口は止めろ」
伏羲の言葉に楽毅と響夜は黙り後を着いて行く。城の外、いや、エクレールを出て遥か先、そこにロジオンがいることを伏羲は見つける。
「っち、時間が惜しい。一気に跳ぶぞ」
「あ?―――――――っと、お!?」
伏羲が短く言葉を紡いだ瞬間、響夜達はロジオン達の前へと転移していた。
「思ったよりも早かったな伏羲。卿がこのような行動に出るとは・・・数年前からは想像も出来んな」
「ロジオン、私は話をしに来たわけではない」
伏羲はそう言って袖から札を取り出す。
「大人しく死んでもらえると嬉しいのだがな」
「卿に出来るのならばな」
「行くぞ!」
その言葉と同時に両者はその場から駆けだした。
◆
「・・・・・・・・」
「どうしたのマオ?」
ハクの声にマオは我に返ると笑う。
「いや、何か振動の様なものを感じての。少し気になったのじゃ」
「・・・・?私は何も感じてないけど」
「そう、なら気のせいかもしれんのう」
「そんなことよりも、響夜遅いね」
「全くじゃ、帰ってきたらお仕置きでもしてやろうかのう」
◆
「っお、おおおおおおお!!!!」
「楽毅!」
「如意金棍棒!!」
伏羲の言葉より早く、楽毅は棍棒を構え全力の一撃を放つ。
『くすくす、伏羲だけじゃなくて君も来るなんてね』
「ルイス・キャロル・・・!」
その攻撃を互いの片手で受け止めながらルイス・キャロルが笑う。咄嗟の判断で棍棒を縮めその場をすぐさま離れた瞬間
―――――ゴオォォォォォ!!!!!
獄炎とも言える炎が追撃する。
「どうした、この場にいるのはルイスだけではないことを忘れていたか」
「貴様こそ、私がいることを忘れていないか?」
その獄炎を無数の札を飛ばし食い止める伏羲。だが彼も無傷ではない。右腕が半ばからあらぬ方向に曲がっている。
「邪魔だ」
その獄炎も札も、まるで羽虫の如く薙ぎ払いゲッツは進軍する。その狙いは響夜。
「走れ!!」
「オオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!」
伏羲の援護を受けながら響夜は疾走する。
「形成・破壊の脈動!!」
自身が今出せる全力の加速。ゲッツが振り下ろす拳を紙一重の危うい状態で躱し黄金へと進もうとするがその道をアンネローゼの炎が阻む。
「っが!」
獄炎の火球を左腕に直撃しまるで腕が吹き飛ぶかのような痛みが襲う。
「伏羲、貴様も邪魔だ」
無慈悲に振り下ろされた拳を伏羲は三体の式神を盾に躱そうとする。だが―――
「無駄だ」
それすらも紙キレ程度の壁にしかならない。その拳は伏羲から狙いが逸れることなく――――右腕を吹き飛ばした。
「――――――――っぐ、っがあああああああああ!!!?」
右腕が吹き飛ばされた痛みに吠えながらも伏羲はその場から即座に動く。だがその逃げ場も今は無いに等しい。既に周囲はアンネローゼの獄炎に囲まれ逃げる場所はほぼ無い。
「化け物め」
ああ、私では勝てないだろう。少なくとも今の私では――――
「Access・Svartalfaheimr(幻想の龍神)!!」
その言葉と共に塗り替えられる世界。そこは水面がただ広がる闇に包まれた世界。
「姫君も迎えていない状態でよく完全な姿に出来るものだな。これも貴様の国の大樹か」
「貴様らに応える切りなど無いな!!」
「だろうな、興味もない」
アンネローゼの言葉にそう答え伏羲は印を組む。
「溢れ出よ、埋め尽くせ」
その言葉と共に闇に包まれた世界の空から巨大な氷塊が降り注ぐ。この世界は伏羲の物だ。故に伏羲が望めばその通りに世界は動く。これこそが鎖に縛られた世界。現段階で此処を破壊できる者などこの場には一人しかいない。
「ほう、中々、魅せるではないか」
この光景を見て尚黄金はその場を動かない。これをまるでそよ風の様に感じているのだ。
「本気で行くヨ!!」
「亜速・硬化変成」
『――――――っギ!?』
楽毅もまた全力を出す。その言葉と共にルイス・キャロルの目の前から楽毅が消えた。動揺するのも当然だろう。今迄彼女の速度に追いつけなかったことなど一度もないのだ。そしてその動揺は隙を生む。
「―――ッハア!!っふ、や、ッヅォ!!!」
降り注ぐ氷塊を足場に変え縦横無尽に立ち回る楽毅。ルイス・キャロルはその動きに翻弄されている。いや、例え一撃入れようとも無駄なのだ。今の彼女は硬い。一見大したことの無いように聞こえるだろう。だが、大砲の一撃を凌駕する拳が効かない、といったらその脅威が分かるだろう。そしてルイス・キャロルはその硬度での攻撃を喰らっているのだ。体の一部が次々に粉砕されていく。現状は楽毅が優勢。だが――
「ちょ・・しに」
「調子に、乗るなよ劣等があああああああああああ!!!!」
彼女は恐れていた。ルイス・キャロルの全力を。
◆
「―――――疾走する魔狼の牙!!」
「温いな」
繰り出された一撃。アンネローゼはそれを躱ことなどしない。ただ自然体のままに受け止めた。そして飛び込んできた響夜を消し炭にせんと獄炎が襲う。彼女にとってはライター程度の火力なのだろう。だがその火力は響夜が持つ焼き尽くす劫火の剣を遥かに凌駕している。
「舐め腐っている。その程度で我が名を語るか盗人が!!!」
激昂。だが響夜には彼女が何を言っているのか分かっていない。
「あの方も何故こんな小僧に興味をみせるのか不思議なものだな」
詰みの一手。アンネローゼが止めを刺そうと獄炎を放つ。
「祖は太古より人を護りし者 故人は我を崇めた 汝は我らと在りし者也」
「滅びろ 故再生せよ 我が瞳は汝等を逃さず 我は汝等が支配者なり」
「開眼・第三の瞳!」
「滅びろ塵芥、創世せし泉の担い手!!!」
その言葉が紡がれ世界の在り方が変わる。水面は意思を持つ蛇へと変わりアンネローゼの炎さえも掻き消す。水面の底から現れたのは巨大な樹の根。
「っく!伏羲め、厄介な物を!!」
此処に来て三人の表情が忌々し気な物へ変わる。
「走れ響夜!!」
ゲッツの猛攻に耐えきりながら伏羲が叫ぶ。それを聞くが否や響夜は疾走した。
「ほう、良いぞ。来るがいい」
未だ余裕の黄金。彼からすればこの程度只の子供の遊戯程度なのだろう。
「消えろオオオオオオオオォォォォォ!!!!!」
全霊力を込めた乾坤一擲。それは寸分違わずロジオンの首へと吸い込まれた。
――――――ガキィィィィィィィィィィィン!!!
「中々、見違えたぞ黄昏の破壊者」
何かが激突する音。そしてそこにいたのは微笑を浮かべるロジオンの姿。響夜自身分かっていたことだ。今のままではロジオンには勝てない。だが――――――――
「ッぐ、オオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!」
ビクともしない刃に尚も全力を込める響夜。ロジオンはその鎌を握り、吹き飛ばす。
「今宵の舞台、中々の物だったぞ。故褒美だ。受け取るといい」
「形成・神滅せし聖槍(Longinus)」
放たれる膨大な力。ロジオンの手に現れるのは黄金の槍。ただ神器を発動した。それだけで伏羲の世界に罅が入りそうになる。
「邪魔などするなよ」
三人の部下にそう命令しロジオンは構える。三人は既に槍の射程外から遠く離れた場所へと退いている。つまりは彼らでさえ喰らえば只では済まないということだ。
投擲、放たれた黄金の槍は大蛇など物ともせず一撃のもとに崩れ落ちる。あの槍の前ではこんな物など紙キレでさえない。事実伏羲の世界はあの槍の投擲で最早崩壊しようとしている。
「楽毅、響夜!!」
だが今彼らが生き残る為にはこれを防がなくてはいけない。伏羲は全力を持って槍を食い止めようとする。そして、ほんの少し、数コンマ、槍の速度が遅れる。
「ハアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!」
横合いから楽毅が棍棒を振るう。今の彼女はルイス・キャロルの攻撃でさえ傷がつかなかったのだ。だが、それでもこの槍は防げない。棍棒が削れる音を響かせる。その代償を持って漸く槍の角度が数ミリ逸れる。
「オオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!」
破壊の脈動への全魔力をぶつけ響夜が更に角度を変えようとする。だが槍は止まることなど知らない。
「「「オオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!!」」」
そこに合わさる様に伏羲と楽毅も一撃を放つ。
―――――――ガガガガがガガガガがガガガガがガガガガ!!!!!!
そして、その結果槍の矛先は一センチ程逸れた。
―――――――ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!!!!!!
三人の悲鳴は槍の破壊音に飲み込まれた。
「見事、我が槍を逸らすとはな・・・・」
その光景を目にしロジオンは三人を称賛していた。その視線の先にあるのは陥没した大地。中心地は巨大なクレーターを穿ち余波は周囲にあった物を全て消し飛ばしていた。
「神々の黄昏で相見えることを楽しみにしているぞ」
それだけを言い残しロジオンと三人は去っていく。
「・・・・・・・っかは!」
下半身と左腕を消滅させた状態のまま響夜は朦朧とした意識の中周囲を見遣る。
「伏、羲・・・・楽毅・・・?」
「・・・・・がふ、生きて・・・おるぞ」
「・・・硬化・・してなかったら・・・死んでた・・ヨ」
全身から血を流しながらも二人は無事な様子だった。
「馬鹿弟子が、再生能力が・・・高いからと言って、盾になるな」
「全くね・・・若いくせに頑張り過ぎ・・・」
無駄口を叩きながらも今の彼らは瀕死の重傷を負っている。
「お前達、無茶ばかりしおって・・・・」
その三人を呆れたように見ながら近付いて来る者がいた。
「老いぼれの師か・・・」
「貴様に至っては神器たる儂の眼もくれてやったんだがな」
翁はそう言いながら式神を呼び出す。
「響夜は下半身消滅、お前は再生できるから良いな。伏羲は右腕に内臓がいくつか、そこの小娘も同じか」
翁は式神たちに丁重に運ばせながら治療する。
「全く、落ち着いたと思ったらこれか・・・」
「黙れ、老いぼ、れ・・・が・・」
「・・・ハア、響夜も貴様もそこの小娘も無茶なことを・・・・」
気絶した三人の頭を撫でながら翁は再び溜息を吐く。
「黄金に・・・・影法師、か・・・」
その名を呟きながら翁は空を仰ぐ。
「・・余生は平和に過ごしたかったんじゃがのう」
だが、その言葉とは裏腹に翁の顔は悪魔を思わせる物であった。
感想、批判、意見、評価などがあったらお願いします。
約一週間・・・・あれ二週間ぶりだっけ?
昨日・・・かな?二次ファンからの注意がありましたね、内容見て少し驚きましたね。二次創作もこれからは大分絞られちゃうんだなあ・・・。お気に入りに入れたりしていた物も結構減っちゃうから残念です。
とにかく久しぶりの投稿。リアルが少し忙しかったので遅れました。あとロンギヌスをラテン語にした理由は『ただこれが良いと感じたから』です。他に理由は特にありません。
そろそろ第三章も終わりかな・・・三章早いな。