第1話 カゾとクーヘル:友達
あるところに、男の子がいました。
その男の子はカゾと言う名前です。
カゾは妖精が大好き。
いつも妖精に出会えないか、色々なところを探しています。
そんなカゾは、ある日、一匹の妖精と出会いました。
その名前はクーヘル。
怪我をしていたので、カゾはクーヘルを家に連れ帰って、手当てする事にしました。
クーヘルは最初はカゾの事を警戒していましたが、次第に打ち解けていきます。
怪我が治るまでの間に、カゾとクーヘルは本当の友達のような仲になりました。
けれど、お別れの時間です。
妖精は妖精界という場所で生きていないと、健康でいられないからです。
人間も、人間が住む場所である人間界から出られないので、そのお別れは必然でした。
怪我が治ったのに、人間界に居続ける事でまた具合が悪くなってしまったクーヘルを見て、カゾはお別れを決断しました。
もっとずっと友達でいてほしい、そういった気持ちを封印して、カゾはクーヘルを自由にします。
けれど、カゾとクーヘルは住む場所が違っても、いつもお互いを思いあう友達です。
カゾとクーヘルは、どんなに距離が離れていても、互いの事をずっと友達だと思い続けていました。