snow white
ロシアなどの知識は全くありませんでしたので。
温かな目で見てやってください。
北海道
「Привет!」
いきなり日本語ではない言葉で挨拶をされた。
振り向くと、そこには。
イギリス人のようなストレートの金髪、エメラルドグリーンの瞳を持った無邪気で愛らしい端正な顔の、
「しゅーマ! おげんきデスカー?」
アメリカ人のような片言喋りの、ロシア人の少女がそこにいた。
「脅かすなよ……ユーリャ」
「わ、わたしの名前おぼエててくれたんだネ! Спасибо!」
「道端でひっつくんじゃありません!」
そう叫ぶ少年・葛城柊真16歳に「ありがとう」という意味のロシア語を発しながら思いっきり抱きつく少女の名は、ユリア・ウラジーミラブナ・トルスタヤ……通称・ユーリャ。
なんと1つ年下の従妹である。
ロシア人が従妹って、ビックリ。
片言で喋っているのは、色々楽だから、らしい。
「今年の雪はマジで酷いぜ。何でこんな時期に遊びに来たんだよ」
「チッチッチィ、ダメだなァ、もうりくんはァ」
「どこの眠ってる人だよ」
「『Сокровище』! に、来たよ!」
「なんだって? そくろ……?」
特に従妹が外国人だからって外国語が堪能なわけではない。
「エっと、たからさがシだヨー!」
「……宝探し?」
「ハイ! なんとォ……そレは、パパとママのおもいデのモノらしいデス!」
手帳片手にビシッと言うユーリャ。
「なんだそれ」
「ここに、その思い出のモノの手がかりガ書かレテいるのデス!」
「はぁ……」
「犯人は、きちょうめんで冷静……ユウジュウフダンでお人好し」
「素晴らしい人材だな!」
満面の笑みでさらに抱きついてくるユーリャ。
や……やわらかい……って違う!
天衣無縫、天真爛漫とはこのことだろうか。
「ねぇ……しゅーマは手伝っテくれるよネ?」
上目づかい+俺の手をぎゅっと握る。
……かわいい。
その後、柊真がユーリャの頼みをマッハで受け入れたのは、いうまでもない。
「寒い」
次の日の朝6時。辺りは暗い暗い。0度過ぎてるよ絶対。
「おはヨー! しゅーマ! Способность хорошо спите?」
そんな柊真とは正反対のハイテンションガールが、彼の調子を聞く。
「うん、よく眠れた」
一応、理解できる単語もあるらしい。
北海道の朝ということもあって、かなり厚着。
それにうさ耳のような耳当てをして雪と無邪気に戯れているユーリャは見てて微笑ましかった。
「デハデハ、イざゆかん!」
柊真はランプに火を灯し、明るいユーリャの声で、2人はその、思い出のモノがあるという場所へと向かっていった。
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「ユーリャさん?」
「なァニー、しゅーマ」
「ここは……」
「イエーイ! ひろーイ!」
小さな山を1つ越えた麓に広がる白い大地につく頃、少々辺りにちらほらと雪が舞い始める。
辺りは少々見えてきた。そろそろ日の出だろう。
「寒い」
「ネー。えっとーコノ時間にあらわれる思い出ノ品はー……」
「この時間?」
「うん。コの時間の寒さノ方がイイッテ」
「…………」
―……あぁ、わかった。その思い出の品。
ロシアでも見れるだろ……ユーリャ。
太陽がゆっくりと昇っていく。
それは、よく晴れた日など氷点下10度以上の時に発生し、
「わぁ……Прекрасный……!」
それは、天陽で輝いて見えることからそう呼ばれる。
「細氷……ダイヤモンドダストか……」
それは、大気中の水蒸気が昇華して出来た、氷の結晶が降る光景。
キラキラと光る小さな粒達は、まるで白き妖精。
銀色の幻想的な世界が、僕らを包み込んだ。
北海道なら人工的につくることだって出来るが、自然ものには敵わない。
感極わりない。感慨無量とはこのことである。
全く、叔父さんも洒落たことをする。
この瞬間、叔母さんにプロポーズしたとは。
ユーリャの方を見ると、完全に目を奪われている。
「Великая ... ... я никогда не видел этого!」
何を言っているかは分からないが、かなり感動しているようだ。
いつもよりも、表情が艶やかである。
柊真は少々、ドキッとした。
「シューマ」
ユーリャが口を開く。
「アリガト」
ユリア・ウラジーミラブナ・トルスタヤ……通称ユーリャは、僕の寒くて紅くなった頬に、軽くキスをした。
「!」
僕の頬は、さらに紅潮する。
それを見て、クスクス笑うユーリャ。
僕らはずっとそんな調子で、光を身体全体に浴びながら……その幸せな時間に、浸りつつあったのであった。
+ダイアモンドダストなどの知識もあんまりなかったですので。
ただロシアっ子描きたかったんです。
深桜さんとの、「雪」を題名にした課題。
楽しいです。またやります。
ありがとうございました。




