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幻想郷を覗き見て  作者: 仇花七夕
10/14

紫「小さな百鬼夜行さんの様子は」

「あら萃香、いい天気ね。博麗神社の屋根の上で日向ぼっこかしら?」

「おぉう、ゆかりぃ~?だよなぁ~?ヒック」

「月見酒ならぬ日見酒ってところね。鬼としてはある意味正しい行いなのかもしれないわね」

「そうだぞ~。酔ってないと力も出ないし頭も冴えない。つまりそれは酔ってるってことなんだ」

「……?まあ貴方は飲んでないほうが不気味だから。いいのよ」

「んで~?なんだ~?呑みの誘いかぁ?」

「いえ、違うわ。宴会を開くのはやぶさかではないけれど……」

「はは~ん。鬼に嘘をつくのは禁忌だぞ~?」

「私は嘘はつかないわ」

「真実を告げないことは嘘と同義、と鬼としては思うけど?」

「嘘以外は嘘ではない、って隙間妖怪は考えてるわね」

「くっくっく。平行線だな」


「だいたい予想はついてるさ」

「何の話かしら?」

「大結界の様子でも見に来たんだろ。ご苦労なことだ」

「正解なんだけど。貴方に当てられると変な感じね。もしかしてシラフ?」

「違うって。言ったろ?酔ってたほうが冴えるってさぁ。じゃあちょっと問題でも起きてるんじゃないの?」

「どうしてそう思うの?」

「だっていつもの狐じゃないじゃん」

「私だって外の空気を吸いたいときだってあるわよ。霊夢の様子だって気になるし」

「お?案外そっちが本題だったりしてな。わははは~」

「まったく飲兵衛は……」



「貴方から見て今この幻想郷をどう思うかしら?」

「良く言えば平和、悪く言うなら暇、だね」

「あら、お気に召していただけてないようね」

「仕方のないことでもあるけどね。なんたって鬼だからねえ。下手に動くことさえままならんよ」

「生きる畏怖の対象の宿命ね」

「ソレは紫もだろうよ」

「酷いわ、こんな乙女に……」

「アンタも酔ってんのか?」


「宴会と幻想入りしてくる新入りを品定めするのが楽しみだよ」

「いい趣味じゃない」

「最近は無理に萃めなくても、勝手に人数が揃うんだ。実に嬉しいね」

「博麗神社には妖怪が集まる謎の特異点でもあるのかしら?」

「誰がどう考えても、十中八九、それは霊夢だろうさ」

「あんなにツンケンしてるのに、みんなあの子にどこか惹かれちゃうのよね~!」

「否定はできないけど……」

「冷たくされるのがいいのかしらね?」

「みながみな、アンタみたいな趣向の持ち主だと思うなよ……」



「霊夢の様子を見に来たのは事実だけれども、萃香の様子も確認したくてね」

「異変の危険因子扱いはやめてくれ。わたしゃもう起こすつもりはないからさ」

「ならいいわ。大妖怪が不満を持ってないかかる~く見て回ろうかと思っているのよ」

「賢者ってのも大変なんだな。式神じゃダメなのかい?」

「直接不満を聞いたり要望を聞くのが面白いんじゃない」

「じゃ、私からの要望は~、う~ん。もっと刺激がほしいってのはどう?」

「鬼が満足できるほどの刺激ねぇ……なにか催し物でもしようかしらね」

「ああ、頼むよ。腕相撲大会なんてどうだい?」

「とっても萃香らしいわ」



「楽しくおしゃべりしすぎて体から酒が抜けちまったよ」

「抜けるのも早いのね」

「対等に話せるやつもあんまりいなくてね。その辺の妖精の方が物怖じしないさ」

「随分と小さなお友達ね。同類と思われてたりして。牛乳がいるかしら?」

「ほう?今すぐ腕相撲大会の予選を始めるかい?」

「あらもうこんな時間!では、またいずれ」


「……ゴクゴク」


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