1.プロローグ
初投稿です。よろしくお願いします。
いろいろある。言いたいことはいろいろあるんだ。ただこれだけは言わせて欲しい。
「……………え?私が転生すんの………?」
私のつぶやきを横目に淡い桜の花びらが、ひらひらと優しい風に舞って落ちた。
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今じゃあ王道となっている"転生もの"
もはや、えげつないほど強い能力を持つ人たちとか、顔面が美の凶器の人たちとかが、わんさかいるようになった。
この中にも、自分が一番強く成り上がっていくヒーローや、イケメン達と恋のロマンスを繰り広げるヒロインには胸をドキドキさせた方がいるんじゃないだろうか。私は今、違う意味で胸をドキドキさせているが。
とにかく、そういう転生の小説とかには大体お決まり展開があるものだろう。
例えば前世でなんかの大型車あたりにぶつかって死んだり、神様とかに遭遇していろんな特典をゲットしたり、はたまたは、自分が前世で読んでいた小説や遊んでいたゲームに転生したり……
そう。私は転生した(冒頭で言ったが)。遊んでいた"乙女ゲーム"に転生したのだ。
しかもそれを遊んでいたのは私ではない。私の友達であった。それに加えて私は一度もプレイしたことがない。"一度も"だ。
あれ?こういうのってそういうゲームに思い入れのある人が転生するんじゃないの?確かに死ぬほど話を聞いてたけど実際にはやったことないし、全力で聞き手にまわっていただけなんだけど?
なのに転生した。
百歩譲ってそれだけならわかる。確かにあんまりやったことなくっても転生することあるよなぁ。とあきらめはつく。あきらめはつくんだ。
問題は転生先だった。
大問題だった。
私が転生したのはぐるぐる縦ロールできつめ美人の悪役令嬢でもなければ、物語のその他大勢役であるモブでもない。
攻略対象だった。
それも"隠し攻略対象"だ。
安心してほしい。まだある。
私の転生した攻略対象は、乙女ゲームの攻略対象であるため、当然性別は男の子である。
違かった。全然違かった。
なんと、その隠し攻略対象に"女の子"として転生してしまったのだ。
…………………ゑ?女の子……??