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ダブり集

大ドンデン返し

作者: 神村 律子

 僕は中学2年生。


 1年の時から、好きな子がいる。


 彼女とは小学校が違ったので、入学式の時に見かけ、一目惚れしてしまった。




 しかし、残念な事にクラスは別になった。




 それでも彼女の事が気になり、同じクラスの奴に用があるフリをして顔を見に行ったりした。


 小学校の時からの悪友には、僕の行動はわかりやすかったらしく、すぐにバレた。


 随分冷やかされた。


 絶対無理だからやめとけ、とも言われた。


 そして、優柔不断な性格も手伝い、告白できないまま1年が過ぎた。




 今年しかない。


 そう思った。


 3年になれば、それどころではなくなってしまう。


 僕はそんな事はないと思うが、彼女は学年でトップを争う優秀な子なのだ。


 僕とは違う。


 来年になってしまうと遠い存在になりそうだ。


 諦めかけた事もあった。


 でも、何もしないで引き下がるのは、絶対に良くないとも思った。


 ダメでもいいじゃん。


 そう言ってくれた奴もいた。


 そうだ。


 断られたからって、死ぬわけじゃないし。




 決断した。




 ところが、だ。


 彼女が避けている。


 そう思えた。


 僕が廊下を歩いているのを見つけると、サッとトイレに入ってしまったり、階段を駆け下りて逃げてしまう。


 何だろう?


 僕、彼女に何かした? 覚えがない。


 嫌われている?


 そんな・・・。


 さすがに心が折れかけた。




 そんな日が続いた。


 周りの悪友達も、僕の落ち込みように言葉もない様子で、決してその事は口にしない。




 重い足取りで下校する。




 あ。


 少し前を彼女が歩いている。


 今度こそ!


 僕は走った。


 彼女が角を曲がった。


 僕もそれに続いた。


 そして用意していた言葉を言おうと口を開いた。


「前から好きでした! 付き合って下さい!」


 角を曲がったところで逆にそう言われた。


「ええ!?」


 そしてやっと言えたのが、


「こ、こちらこそ」


 僕は何が何だかわからなくなるほど嬉しかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] これも読めましたが、いい意味で安心できる予定調和ですね。 何だか読んでて恥ずかしくなってしまいましたw もしかして神村さんの実体験?w ドライに見えて、実は神村さんって甘えん坊さんかもしれま…
2011/02/01 22:08 退会済み
管理
[一言] 失礼いたします。 思えばこの作品を見た時、あのホラーの神村先生が文学?! っと驚いたことを思い出します。 そして、内容にも驚き。 この子達は実は幽霊だろうと読んでいたのに、全然違っていました…
[一言] 神村先生 今回タイトルが別名であれば、ストーリーも満点だったかもしれません。 たしかに面白かったです。 ですが、題名でハードルを上げると、どうしても私は、展開を勘繰ってしまうのです(私だけの…
2009/08/17 01:06 退会済み
管理
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