猫のいる風景
その猫は王者の孤独を匂わせる風格がある。黒い毛並みはよく手入れされておりエサを与えてないのに艶めく。狩りが上手なことが伺える。緑に輝く瞳は鋭く色気さえ漂う。
森に一人で暮らす孤独な魔女のわたしの足元に座る。
いつからいるのか覚えてない。生まれたときからいたような錯覚を覚える。
飼い猫ではない。
友だちの家を訪問するように朝になるとやってきて夕方帰っていく。
惰眠を貪るための安全な場所がほしいわけではない。眠ってはいるが、警戒している。
背中を撫でられると満足そうに喉をならす。
けれども決して腹は見せない。
少しだけ他人行儀で甘え上手。
わたしは彼のいる暮らしを愛している。
いつか突然来なくなる日が来るのだろう。
どこかでひっそり死ぬのだろう。
存在する喜びを残して。
「BUCK-TICKの櫻井敦司さんが猫だったら?」を書く楽しみのためにツイートしたものを遂行しました。気に入っているので記録に残すことに。