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星が墜ちた夜から  作者: Guru
7章 4つの点
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第65話 “週刊誌”

 翌日、23日の午前10時頃。

 俺は勇次が運転する車に乗り、芽依を迎えに都内へと向かっていた。

 さすがに芽依がいる神奈川に寄ってから山梨に行くのは大変なため、芽依は都内での合流となる。


 芽依は朝一で、智の母親に連絡を取ってくれた。

 そして許可を貰い、今日の午後からなら、会ってもらえるとの約束をつけてくれたのだ。


 待ち合わせ駅近くのコンビニで、俺と勇次は車を停めて芽依を待つ。


 芽依が来るまで時間があった俺達は、コンビニで適当に飲み物を買ったりと、時間を潰していた。

 俺は一足先に買い物を済ませ、勇次から車の鍵をもらって、先に1人車の中に入っていたが……

 ここから、まだコンビニの中にいる勇次の姿がよく見える。


 あいつ……雑誌コーナーにいるな。

 物凄い形相で、雑誌を立ち読みしてるぞ。あの場所って、確か成人誌があったような……

 まさか、あいつ……エロ本でも読んでんじゃないよな?


「──あっ……買った」


 何の雑誌かは分からないが、勇次はその品をレジへと持っていく。


 その間に、芽依から俺に電話が入った。


「もしもし、誠人? 私、コンビニに着いたんだけど」


「あぁ、コンビニの駐車場に停まってる、黒の車だ」


 そう言うと、すぐに芽依は勇次の車を見つけ、車の中へと乗り込んだ。


「お待たせ。あれ? 勇次は?」


「まさかのエロ本買ってる」


「えっ!? 引くわ……女の私いるのに……」


 そこで今度は勇次が、さっきの謎の雑誌と飲み物を買って、車へと戻ってきた。


「おう、芽依。いたのか」


 芽依はドン引きしているのか、勇次の挨拶にシカトだ。


「勇次……おまえ……その買った雑誌見せてみろ!」


「あぁ? まぁそう慌てるなよ」


 何が慌てるなだ……あとでゆっくり見ようってか? 意味分からん。


「芽依、カーナビに住所を打ち込みたいからハガキを貸してくれ。話はその後だ」


 なぜ勇次が、そんなカッコつけた言い方ができるのかは分からないが……

 助手席に座っていた俺は、後部座席に座る芽依からハガキを受け取り、カーナビの目的地を智の実家へと設定した。


「案内が出たな。ここからは高速を使って2時間だ」


「分かった。出発するぞ」


 勇次は山梨県に向かって車を走らせた。



「ほら、誠人。これの真ん中の辺り……読んでみろ」


 出発早々、勇次は先程コンビニで買った雑誌をビニール袋から取り出し、俺の席の方へと放り投げた。

 少し乱暴にも思えるが、勇次は運転中のため、目線を他に向けることができない。手探り状態の精一杯の行動だったのだ。


 何だ……別にそんな急がなくてもいいだろうに。あとで車降りてからでもさ。

 よほど俺に見てもらいたい、いい女でもいたのか……?

 でも、後ろの席には芽依がいるのだが……


 俺は芽依に見えないよう、しっかりと体で雑誌を隠し、ページをめくっていった。

 しかし、この本……エロ本というよりは──“週刊誌”である。



「こ、これって……」


 そこに書かれていた記事に俺は驚く。

 なぜなら、その内容が……“一昨日の東京遊園地での出来事について”だったからだ。

 数ページに渡り、特集が組まれている。


「えっと……『突然のイベント中止の裏には警察の影あり』……だって……」


 その記事には写真も付いており、何人もの私服警察官の姿があった。

 中にはゲンさんや、金子さんの姿まである。

 これだけ遠目の写真なら、本来誰だか分からないはずだが、実物を知っている俺らなら、これがゲンさん達だということが特定できてしまう。


 更に決定的瞬間として、俺達も居合わせた、ジェットコースター乗り場での大原園長との言い合いのシーンが掲載されていた。


「ゲンさんや金子さん達だけじゃなく、園長と揉めてるところまで写ってるじゃないか……勇次、俺は買ったのはてっきりエロ本かと……」


「誰がそんなの買うか!!」


 やらしい本ではないことが分かった芽依は、自分もその記事を見ようと、後部座席から手を伸ばす。


「誠人、私にもその雑誌見せて!」


「あぁ、このページからだ。よく読んでみてくれ」


 俺は疑問に思っていた。

 今回の遊園地の件は、俺達主導で警察が動いたものだ。

 どうして、週刊誌なんかにスクープされるのか……


「なんで、記者は知ってたんだ? 事前に情報を仕入れてたとでも?」


「いや、本当に偶然だったんじゃないか? それか、イベントの取材で来たつもりが、それ以上におもしろいものが撮れちまったとか……」


 いつどこに記者が潜んでいるか、分からないものだ。

 ましてや、今や誰でもスマホ等で簡単に撮影ができる時代。一般人が週刊誌に売り込んだ可能性だってある。


 芽依も遅れて記事の内容を知り、表情を曇らせた。


「これ、きっと遊園地側に与えられた不信感はとてつもないかもしれないわね……こんな記事を見た人は、怪しんで遊園地に行きたいと思わない……」


「確かに……裏でこっそり警察が動いてたなんてな。危険なことがあるんじゃないかと、客も行きだからないはずだ」


 これは、もしかしたら明日の俺らの予知夢にも影響を及ぼすかもしれないな……

 そうでなければ、いいのだけど……

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