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星が墜ちた夜から  作者: Guru
7章 4つの点
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第60話 “協力者”

 新たに仲間に加わった、ゲンさん。

 刑事さんが力を貸してくれるとは、本当にありがたい。百人力だ。


「本来、警察の私が連絡先を一般の人に教えるわけにはいかないんだがな。君達は特別だ。教えておくから、何かあったらメッセージをくれ。電話だと中々出れないかもしれん」


 まさか刑事さんと知り合いになるとは、想像もしてなかったな。

 悪いことして、知り合いになったわけじゃないからいいけど……


「あと、私はもちろん君達を信じるが、署の人間は、こういった類いの話は信じないかもしれない……それを考えると、人員はあまり用意できないと思う。そこはあまり期待しないでいてくれ」


「そうですよね……もちろん私達もそれは分かっています。少しでも力を貸してもらえるだけで、ありがたいです!」


 だよな……全員が俺達の悪夢の話を信じるわけがない。むしろ、ゲンさんみたいに話が通じる人の方が珍しいのかも。


「とりあえず、今日はこの辺で終わりにするか? まずは俺の悪夢の日の20日……この日に、東京遊園地に集合だ!」


 勇次がそう締めたところで、この日は解散となった。

 今日は18日。事故が起こるその時まで、しっかり心の準備をしておこう。




・・・




 そして、20日の夜6時。

 俺達は東京遊園地の中で待ち合わせをしていた。


 しかし、待ち合わせ時間になっても、珍しく勇次がまだ来ていない。大抵は勇次が一番乗りのパターンが多いんだけどな。

 先に着いていた俺と芽依は、おとなしく勇次を待つことにするが、その僅か数分後。こちらに向かって走ってくる勇次の姿が見えた。


「おーい! 誠人、芽依」


「──勇次。遅かったな」


 急いで走ったせいか、勇次はかなり呼吸を乱している。


「はぁ……疲れた。すげぇな……“あれ”。舐めてかかってたけど、想像以上にやばかったぜ!」


「あれ……?」


 何のことか分からなかった俺は、勇次に聞き返す。すると、勇次は空を見上げて、上を指差した。


「ジェットコースターだよ。あれ……めちゃくちゃ怖ぇな。すげぇ落下の角度だ!」


「勇次……おまえ、乗ったのかよ!!」


「あぁ、物は試しにと思ってよ。実際乗れば、何かの参考になるかもしれねぇし」


 たいしたもんだよ……本当におまえは。

 数時間後に、あのジェットコースターは脱線をして大事故を引き起こすかもしれないんだぞ!?

 よくそれを知ってて乗れたもんだ……


「すごい度胸ね……それで、何か分かったの?」


 芽依もとても驚いていた様子で、勇次の努力の成果を期待するが──


「あぁ、分かった。感想は『めちゃめちゃ怖かった』だ!」


「あぁ……そう」


 乗るだけ無駄。何の成果も得られなかったようだ。


 俺達がそんな会話を繰り広げていると、ゲンさんが1人の男性刑事さんを引き連れ、集合場所の噴水広場へとやって来ていた。


「待たせたね。3人とも」


「いえ、俺達も今来たところです。それで……この方は?」


「紹介するよ。私の一番信頼できる部下、“金子”だ」


 ゲンさんに軽く肩を叩かれた金子という名の刑事さんは、俺らに向かって律儀に一礼した。


 見たところ、金子さんの身長は高く、180センチはあると思われる。ほどよい筋肉に、メガネをかけており、年齢は……20代後半くらいかな?

 一般客と紛れ込ませるためか、上はラフな半袖シャツ、下はジーンズと、パッと見は刑事とは到底思えない服装だ。

 きっちりとしたスーツを着た、ゲンさんとは大違いである。



「初めまして。話には聞いてますよ。勇次君、芽依ちゃん。そして、お久しぶりですね……誠人君」


「──えっ?」


 なんで俺だけ、お久しぶり?


 金子さんの挨拶に疑問を持ったところで、俺はようやく思い出す。


「あーっ! あなたは事情聴取の時に、ゲンさんと一緒にいた刑事さん!」


 そうだ。事情聴取の際に、俺の悪夢の話を鼻で笑って信じてくれなかった人……

 でも、こうしてゲンさんとここに一緒にいるってことは、今は信じてくれているってことなのか……?


「ゲンさん……って? もしや……ぷっ」


 超年下からの“ゲンさん”呼びに耐えられなかったのか、金子さんは吹き出していた。


「こらっ! 笑うんじゃない! 金子! いいんだ。ここではゲンさんで通ってる」


 ゲンさんは一度咳払いをし、話を仕切り直す。


「君達に残念なお知らせがあるんだ……もう分かってるとは思うが、ここの園長と取り合ってみたものの、今日の遊園地の閉園を取りつけることはできなかった」


「ですよね……」


 実は昨日、俺達はゲンさんに頼み込んで、本日の遊園地の開園を取り止めるよう、お願いしていたのだ。


 しかし、その要請が昨日の今日とあってか、警察の力をもってしても不可能だったようだ。

 こうして、今遊園地の中に大勢の人や……ましてや俺達がいること自体、それは失敗だったのだということが、すでに証明されている。


 それでもゲンさんは、事故を阻止するために最善を尽くす。


「だが、まだ大丈夫だ。あのイベントは何としてでも止めてみせる。もしかしたら君達にも危険が及ぶかもしれないが……協力を頼む」


「もちろんです。そのために俺達も来たんですから」


「あぁ、よろしく頼むよ。では、我々は園長のもとへと行ってくる。それでは」


 その言葉だけ残し、ゲンさんと金子さんは俺達の前から去っていった。



「さて、私達はどうしましょうかね」


「とりあえず俺達3人で、持ち場を確認しようか」


「そうだな。まだ9時まで時間はある。そうしようぜ」


 俺達3人が揃ってこの現場に集まったのは、今日が初めてだ。

 まずはタイムリミットの時間までに、俺達はできることをしよう。

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