あ
主人公
立花 愛華
会社に慣れてきた26歳
4年制大学を出ている
私は小さいころからちやほやされてきた。
どんな時も、どんな場所でも「かわいいね」「美人だね」って。
ずっとずっと言われてきたんだから疑ったこともない。
疑問と違和感が出てきたのはつい最近のこと。
「愛華ちゃーん、先日言ってた資料ってまだできてないー?」
「あ、ごめんなさーい!もうすぐできます!」
今の会社に入社して2年が過ぎたころ。
大体の仕事は分かってきたし、特に不自由なく仕事をこなしている。
…つもりだ。
「まったく、もう少し早くお願いね!」
「はい!すみません!」
昔からちやほやされていた私は周りの人に何かやってもらうということが多く、
こうして社会に独り立ちしてみるとできないことが多く、
何もしてこなかったせいで、要領が悪い。
今話しかけてきた課長、前はもっと優しくて失敗しても何しても笑って許してくれていたんだけどなぁ…。
26歳。もう若い若いと余裕で言われるような歳ではなくなってきた。
社会人二年目。これだけ見るとまだまだぴちぴちなイメージはある。
だが、歳で表すとそうも感じなくなってくる。
体だってそうだ。
もう若くないのが見て取れる。