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僕が死んだら、不幸を下さい。  作者: 春夫
日常
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小学校開始!

入学式・・・それは飾られた外見の集大成。

拍手する生徒たちの大半は、先生と言う目上の人からの命令を遂行する。

本音だとなぜこんな大歓迎せにゃならんねんと思ってるに違いない。

先生たちは笑顔で歓迎するが本心は、「いらっしゃい、社会の入り口へ。」と、億劫になる時間を過ごすことに同情しているだろう。

拍手で祝福している親たちも、心の底ではこれから子供にかけるお金の量を計算しているに違いない。



私は入学式の中、そんな偏見を持ちながら子どもたちと大人達を見て薄く笑っていた。

私には笑いの神様がついてること間違いない。

たまに敬から『ろくでもないこと考えてるな?』と無言の圧を感じたり、母からメデゥーサのような眼力で睨まれた。

ま、知らんぷりを貫き通したけど。


まぁ、そんなことがありながら何とか入学式を終えた。

そして今、クラス内で前に出て自己紹介の最中だ。

前を見ると梨絵が教壇に立って自己紹介をしていた。


「小林梨絵です。好きなことは食事や皆と遊ぶこと。

嫌いな物は虫とジェットコースターです。

これからどうぞよろしくお願いします!」


お辞儀をする梨絵。

律儀な子だね。

温かい目で見守っていると次の子になる。



「白河直樹です。好きな事は・・・別にないです。

嫌いな事は・・・特にありません。

よろしくお願いします。」


すげぇ〜、小学一年生でもこんな無表情の子いるんだ。

そう思えるほど彼はクラスメイトという他人に怯えて表情を変えなかった。

人見知りなのは、私は一瞬で分かった。

これ今後学校に行きづらくなるだろうな〜。

他に印象に残った子は・・・


「山中紫月です!願い事はみんなと仲良くなること!

運動とか苦手で、筋力ないから体育のときは支えてくれると嬉しいです!

皆、これから六年間よろしくお願いします!」


マッシュルームヘアーの中性的な・・・いや、可愛らしい顔つきの男の子が挨拶をする。

私は自分でも失礼と思いながらも、その笑顔の裏を読んでいた。

私の見立てでは、この子の性格はこんな外面のいい性格ではないな。


・・・本当はどうかなんてまず興味はないが。


ん?女の子で印象に残った子?

それはなぁ〜・・・


「加藤由井と言います。

夢は小説家になる事です。

今後ともよろしくお願いしますね。」


まるで小悪魔のような美人と言える笑みを向ける長髪のこの子と・・・


「塩満愛海です!好きな事はダンス!

嫌いな事は叱られること!

みんなヨロシクね!」


アイドルのような笑顔をして、目立とうとしているこの子かな。


あ、因みに私の自己紹介は・・・


「え〜、私は本堂翆と言います。

趣味は・・・特にないですけど強いて言うなら運動と音楽・・・後は静寂ですかね。

嫌いな事も特にないけど、気に食わないことは全力で拒否するのでそのつもりで。

今後ともよろしくお願いします。」


と、少し大人っぽさを出した。

梨絵から笑顔を向けられたので完璧なのは間違いないだろう。

決して、クラスの子たちが首を傾げていたり、ヒソヒソと話していたからと言って、失敗したなんて思ってはいない。

・・・本当だよ?


自己紹介、学校説明、掃除、これらを終えて私達の今日は終了となった。

結局、ずっと外を見てたら今日は終わった。

雲の数を数えていたら、いつの間にか皆が笑い合いながら会話していた。

最近の若い子は順応性高くて凄いね。

・・・あれ?私はここにいる誰より精神年齢年上でコミュ力高いはずなのに友達が出来てないぞ・・・?


・・・ま、いっか。

どうせ高校生にもなればこの大半は存在を忘れるんだから。

私はそんな皮肉なことを考えながら、パソコンにこう入力する。


『今日、早くか遅くか、小学校生活が開始する。

私に喋る相手は出来なかったが、それ以外は問題なく始まった。

敬から祝福されたり、母に心構えなどを十分なほどに聞かされたが、私は多分それを従わないだろう。

私は、私のやりたいように過ごすはずだ。

人気者になりたい、一人になりたい、高嶺の花でありたい、天才と有名になりたい。

私の中にこれらの願望があるのなら、数年も立たないうちになれるはずだ。

だから私は本能のまま生きる。

・・・私は心に従うことにする。』


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